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2016-09-14 08:10:00

訪問をありがとうございます。

 

今朝の関東は雨が降っていませんでしたが、皆さんの地域ではいかがですか?

 

月半ば・週半ばではありますが、今日も元気に頑張りましょう。

 

 

 

さて。

 

今朝は、開業前から考えていることについて書いてみたいと思います。

 

まどろっこしい記載となるため、お時間のある方のみ、お付き合いいただけたら幸いです。

 

 

 

私自身、この業界に入って20年もの年月が経ってしまいました。

 

介護保険施行前の措置の時代からの人間なため、ある意味、介護保険が始まってからの一連を見てきました。

 

そしていつも感じることがあります。

 

『このモグラ叩きのような対処療法は、いつまで続くんだろう?』ということです。

 

 

 

介護保険が始まってから、何かが変わるかもしれないと思い期待していましたが、開始当初より制度を広めたいという気持ちがあったのか、民間企業の努力の成果かわかりませんが、国民の介護に対する依存度は高まっていると感じています。

 

ここに、ものすごい違和感を感じているのは、私だけでしょうか?

 

 

 

今まで私が関わってきた方の殆どは、『できれば自分の力で生活したい』と希望しています。

 

本来であれば、補完的に介護保険を利用し、あくまでもその人が持っている力を最大限活かすということが基本であるはずです。

 

しかし、現状は、痒いところにも手が届くサービスを提供しており、これは、ある意味、利用者にとっては嬉しいことかもしれませんが、自立という観点からはずれているのではないか?という違和感が、私の中では拭えませんでした。

 

また、利用者も介護をサービスと捉える方が多く、受け手と成り下がっていると感じるのです。

 

なにせ、サービスというのは受け身ですからね。

 

 

 

そんな中、国が打ち出したこれからの社会のあり方は『地域包括ケアシステム』。

 

私はここで、ようやく介護に対する方向性に変化がみられると、期待しています。

 

 

 

マズローの5段階欲求で考えるとわかりやすいかもしれませんが、今の日本は、(一部の方を除くかもしれませんが)生命と安全の欲求は満たされていると思います。

 

その上で求められるものは『愛と所属の欲求』。

 

これを、自分の地域で得ることができる。

 

そして、『承認欲求』。

 

地域の中で、自分の居場所を見つけた上で、ありのまま(わがままという意味ではなく、他者への配慮がなされた上での自分らしさ)の自分を認めてもらい、その中で役割を持つ。

 

ここで大切なことは、『その人が地域を通じて、自分自身を認めることができる』ということだと、私は考えています。

 

 

 

本来、人は自分の課題は自分で解決しようという主体性を持っていると思います。

 

それが、高齢になり様々な喪失体験を重ねていくうちに、少しずつ減ってきているのかもしれません。

 

私たちは、その減った部分を『取り戻す手伝いをする』こと、そして、その人の描いた理想に近づけるための『情報提供』と『連絡調整』をすることが、本来、必要な気がします。

 

だから、今一度私たちは、介護をサービスではなく、専門性を高め支援にする努力をすることが大切なのではないかなぁ、と思いました。

 

 

 

今の介護は、ある意味素晴らしすぎるサービスになっているかもしれません。

 

介護職員の言葉遣いや態度を見ていると、人権という観点からは、以前と比べ、大きな改善がみられたと思います。

 

一方で、尊厳の保持に関しては、薄れてしまったように感じるのは、私だけでしょうか?

 

言葉遣いは、確かに良い。

 

接遇もしっかりできている介護職員も増えた。

 

ただ、残念なことに『本当の意味でのその人らしさ』を考えて支援している介護職員は、減ったように感じてしまうのです。

 

それは、対人援助技術の専門性よりも、接遇に力を入れている傾向が強く出ていることからもわかります。

 

『顧客満足度』という視点も、必要ではあるかもしれませんが、利用者自身のエンパワメントには、ある意味弊害になっている部分もあるように、私は感じるわけで。

 

 

 

なんてことを悶々と考えている間に、時間となってしまいました。

 

今日はこれからK市に勉強に行ってきます。

 

地域の力を最大限に活かした社会を創ろうと、いち早く取り組んでいる市が、どのような部分に工夫したのかを学んできたいと思います。