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2016-08-22 07:49:00

訪問をありがとうございます。

 

今日は関東に台風が上陸するとかしないとか。

 

皆さん、万全の対策で出勤をされていることと思います。

 

それにしても、この時期に天候不安定が続くのは、なんとも辛いですね。

 

 

 

さて、今日は虐待について考えてみたいと思います。

 

施設と在宅では違う部分が多いと思いますが、どちらにも言えることで、私は『虐待をする前に、いかにそれをしない環境をつくるか?』をポイントに、支援を検討しています。

 

介護って本当に、理想論やきれいごとではできないことだと感じています。

 

だからこそ、介護者の心身の健康があってこそ、要介護者の介護が成り立つと、私は考えています。

 

相手を思う気持ちが強いからこそ、自分よりも相手に尽くしすぎてしまい、結果、虐待に走るなんて、どちらにとっても、悲しいことでしかないと思うのです。

 

・・・と、ちょっと抽象的な書き方になってしまいました。

 

 

 

具体的にあげると、初回面接では『介護に対する負担がどのくらいか?』に注目します。

 

同時に、介護者の要介護者に対する姿勢に注目します。

 

認知症等があり、何とか歩行ができる方が、在宅では一番大変だと、私は感じています。

 

転倒リスクがあるから、常時見守りが必要。

 

同じ話を何度も聞かなければならない。

 

etc

 

 

 

これらの状況に対して、どのような距離感をもって介護にあたっているかを聞き出し、その時の感情も確認します。

 

そして、その距離感があまりにも近すぎる場合や、継続的視点で考えた時に現実的でない関わり方をされている場合、『妻だから』『母だから』等、義務感を持っておられる方には、ある程度距離を置くことができるよう、支援の提案を行います。

 

 

 

私の場合は、虐待をしてしまう経過を聞くと、グレーゾーンからの発生が多いです。

 

初めは歩行介助をしていた。

 

動きが遅いので(モタモタするので)強く引っ張った(こずいた)。

 

強くひっぱたり、押したり、『早くしてよ』という言葉が常時出るようになった。

 

『強く』の加減が、徐々に酷くなり、結果、虐待になってしまった。

 

初めから虐待になるわけではない。

 

初めは『介護』をしていたのです。

 

それが、徐々に虐待になっていくということを、私はたくさんの方々へのケアマネジメントで学びました。

 

 

 

だからこそ、家族でも・・・家族だからこそ、介護が必要になった時には、『適切な距離感』が必要だと思うのです。

 

『今、介護者が介護できているから大丈夫』ではなくて、その介護が継続して何年も続けることができるか?介護を続けた場合に、介護者の心身はどうなるのか?等の、『予後予測』が大切だと思うわけで。

 

これは、たくさんのご家族と接してきたからこそ、学ばせていただいた視点です。

 

 

 

虐待がいけないことなんて、みんなわかっていると思うのです。

 

それでも、そうせざるを得ない状況を理解し、同時に、そうならない体制をつくることも、ケアマネジャーの視点として大切なのではないかな、と感じています。

 

要介護者の尊厳を守るということは、同時に、一番近くにいる介護者の尊厳を守ることでもあると、私は考えています。

 

介護者に心身の余裕がないと、介護はできないと感じています。

 

 

 

これが施設であれば、『虐待をしない環境を職場でつくる』が、一番大切だと思うのです。

 

それを、いかに職場の中で共有し、検討する体制ができているか?

 

 

 

皆さんは、虐待について、どのように考えて対応されていますか?