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訪問をありがとうございます。
今日の関東はあいにくの天気です。
午前中は認定調査を仕上げていましたが、腕が疲れてしまったため閑話休憩。
皆さんはどんな1日を過ごしていますか?
今日は、『依存的自立』について考えてみたいと思います。
この言葉を私は、数年前に知りました。
これは、一人だけが超然と立つ『自立』ではなく、他人にもたれかかる『依存』でもなく、また、『誰かも頼らない』と決めつけるのでもなく、『誰かに頼りながらも自分で生きていく』という考え方です。
自分が描く生活を実現するために、他者を関与させるという考え方です。
まさに、介護保険の自立支援に当てはまる考え方ですね。
『自分の人生を決めるのは自分自身』
こうして書くと当たり前のように感じるかもしれませんが、この部分を通じて、ご利用者の自尊心を最大限引き出すことができるのは、ケアマネジャーだと私は感じています。
ご利用者のありのままの姿(存在価値)を認め、ご利用者の描いている『こういう生活を送りたい』という姿を実現するために寄り添い、その姿勢を支持する。
そして、『自分の人生を自分で決める』ということを実感していただくには、自己決定が外せません。
アセスメントを通じて、ニーズを導く(交渉や誘導ではありませんよ)ことが大切であり、それが『自分ごと』として捉えることができた時に、初めて『自立支援』はスタートすると思うからです。
一つひとつの決めごとを、寄り添いながらご利用者自身に決定していただく。
今後の意向を確認した際、『今まで通りに生活したい』と返答された時、ご利用者の感じる『今まで通りの生活』とは具体的にどんな生活を指しているのか?
その生活を実現する為に、ご利用者自身にできることは何か?
足りない部分は何か?
ご利用者自身が感じている現状の把握と、ケアマネジャーの分析を擦り合わせながら、課題を明確にしていきますが、その時に私が気を付けているのは、『ご利用者自身の言葉で話してもらうこと』と、『話を要約して確認すること』です。
うまく自分の状況を説明できない方にも、質問を繰り返しながら、一つひとつに答えていただく。
それを『理解しましたよ』というサインとして、要約して返す。
例えば、事業所選定の際にも、ご利用者の希望する形態の事業所を絞るために、丁寧に質問を繰り返し、その中で2・3の事業所に絞り、ご利用者に情報提供する。
その中で、どの事業所を決めるのはご利用者自身。
それらの手間を忘れてはいけないと、常日頃から私は自分に言い聞かせています。
ご利用者・ご家族の殆どは、介護事業所についての知識がありません。
その為、『あなたの経験でお勧めのところを教えて』と言われることも、多々あります。
その時にですね、『お任せください』と言いたいところですが、私は敢えて3つの事業所を提案させていただいて、それぞれの特徴を説明しています。
その中で、どの事業所を選定するかは、ご利用者に委ねます。
迷っていたら、見学できるところは見学を勧めます。
見学できないところには、会社の理念等を調べてお伝えしています。
はっきり言って、時間も手間もかかります。
が、小さいことではありますが、この『自分の状況や思いを自分の言葉で伝える』『自分で決める』という部分をご利用者が行うことは、とてもとても大切なのです。
ご利用者自身が事業所を選定(自己決定)すると、その後の支援の受け方も主体的になるからです。
ここを、ケアマネジャーが『あなたにはこの事業所が適しています』とご利用者の自己決定を奪ってしまうと、ご利用者は『困ったらケアマネさんに相談すれば解決してくれる』というように、依存の気持ちが生まれ、支援に対しても受け身の姿勢になってしまうのです。
困りごとを聞いたとき、『お任せください』と言ってすぐに解決に向けて対応することは、相手の信頼を得ることができますが、時間はかかっても、一つひとつの決めごとを『ご利用者自身』に決めていただくこと。
これが、大切であり、ここを疎かにしない支援をしたいなぁ、と、いつも思っています。
本来ならば介護保険など使いたくないが頼らざるを得ないご利用者の気持ちに寄り添い、丁寧に質問を重ねる中で予後予測(見通し)を立てながら、ご利用者自身が、自分の抱えているニーズに気づき、解決に向けて『主体的に決定できるよう』どういう質問を重ねたら良いか。
なかなかもって難しい支援の一つだと私は感じており、だからこそ研鑽が必要だと、私は思っています。
最終的に居宅サービス計画書を作成し、支援が提供されれば良いのかもしれない。
けど、その中で、どうすればご利用者の持っている力を最大限活かせるかを考え抜く視点は忘れたくないと思っています。
皆さんは普段の支援の中で、どのようにご利用者の力を引き出していますか?