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訪問をありがとうございます。
今日は晴天だったにも関わらず、寒い一日でした。
訪問先のエレベーターで乗り合わせる人と、『寒いですね〜』から始まり、世間話をすることが日課になりつつあるのは、私だけでしょうか?
また、全国では地震や桜島での噴火等、天災が続いております。
皆さんの地域では大丈夫ですか?
さて。
今日は、『共感しているつもりで同情しないために』について書きます。
改めて共感なんていうと、『そんなの基本のキでしょ』と言われてしまいそうですが、結構、共感と同情が、ごちゃごちゃになっている方がおられるのではないかと、私は感じています。
自分自身の振り返りも含めて、今回はこの2つを整理してみたいと思います。
皆さんはこんなことを感じた経験はありませんか?
『ご利用者に対して、あの家族の態度は酷すぎる!』
『あれほどご利用者がわがままだったら、お嫁さんがかわいそう』
もしくは、ご利用者やご家族の誰かに、気持ちが強く向いてしまう。
はい。
これは、共感ではなく、完全な感情移入であり同情なのです。
『ご利用者に対して、あの家族の態度は酷すぎる!(もっと親身に介護するべきだ)』
『あれほどご利用者がわがままだったら、お嫁さんがかわいそう(私だったら堪えられない)』
いずれも、自分自身の感情が入り過ぎてしまっているからです。
相手の気持ちに寄り添い、そこに想いを馳せることは、とても大切です。
ただ、同時に、そこに専門職としての立ち位置を意識していないと、私たちは相手の気持ちに入り込み過ぎてしまい、支援者(自分自身)の感情をコントロールできなくなってしまいます。
そうなると、物事を正しく捉えることは難しくなります。
ちなみに、共感と同情の意味は、下記のとおりです。
共感:他人の意見や感情などに、その通りだと感じること。また、その気持ち。
同情:他人の身の上になって、その感情を共にすること。特に他人の不幸や苦悩を、自分のことのように思いやっていたわること。
この違い、わかっていただけるでしょうか?
私はこの2つの違いは『自分の感情を相手に合わせて持つか否か』だと思っています。
例えば、先に挙げた『ご利用者が家族の対応に不満を持っている場合』で、考えてみたいと思います。
共感とは、『家族の対応にご利用者が不満に思っている』その不満なご利用者の気持ちに寄り添い、想いを馳せるイメージです。
同情とは、『家族の対応にご利用者が不満に思っている』気持ちを汲み取り、そこに自分自身の感情を乗せてしまうことだと思っています。
自分の感情を相手の状況に置き、同じ気持ちを持つことは大切ですが、そこに『支援者自身』を登場させてしまうと、同情になってしまうというか。
この解釈が正しいかどうかはわかりませんが、私はそう認識しています。
そして、だからこそ、同情をしてしまうことは、対人援助職として危険だと思うのです。
私自身、この仕事に就いてからずっと意識しながら取り組んでいますが、初めの頃はこの違いがゴチャゴチャになっていました。
恥ずかしい話、20代前半の頃なんて、わかっていないくせに、わかったつもりになって、共感したつもりになっていたことの多かったこと。
今考えると反省の限りです。
そして、だからこそもう同じことはしないぞ、と思い、気をつけています。
どんな風に気をつけているかといえば、いくつかありますが、例えばこんな感じです。
相手の話を聴くときに、自分の斜め上の天井から、もう一人の私が状況を眺めている姿をイメージします。
相手の表情や仕草にも配慮しつつ、話を真剣に聴きます。
実際に自分が体験したことは『わかる』と答えることもありますが、それ以外のことは、『えぇ』『なるほど』や『そうですか(そうだったのですね)』と相槌を打つことが多いです。
そして、相手の感情の部分を言葉で繰り返しながら、想いを馳せます。
それを天井から、もう一人の自分が眺めているのです。
それだけ。
それだけですが、大抵の方に『楽になったわ』『聴いてもらって良かった』と言われます。
この言葉をいただいた時、初めて『あぁ、私はこの方に共感することが、できたんだな』と実感できます。
実際、本当の意味での共感ができるようになるに、私は時間がかかりました。
いや、もしかしたら、まだまだ不十分かもしれません。
ただ、意識することが大切で、繰り返し実践することで、誰でもできるようになると、言い切れます。
私でもできたのですから。
今は、それを同業者にもできるように修行中です。
しかし、これは、ご利用者やご家族以上に難しいです。
なんでだろう?
もしかしたら、自分に近しい存在だからかもしれませんね。
最後に。
大切なことは、実は『支援者が共感したと実感した時』が共感できたことではなく、『相手が(支援者が)私の気持ちをわかってくれたと感じてくれた時』が、初めて『共感できた』と言えるのかもしれません。
共感って、かなり難易度の高い技術だと思います。
そして、これが無意識のレベルでできた時、本当の意味で、ご利用者・ご家族と信頼関係が結べるようになれるような気がします。
あぁ、最後はなんだか文章が回りくどくなってしまいました。
皆さんは、日々の相談業務で、共感をどのようにされていますか?