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2016-02-05 20:33:00

訪問をありがとうございます。

 

今日は晴天だったにも関わらず、寒い一日でした。

 

訪問先のエレベーターで乗り合わせる人と、『寒いですね〜』から始まり、世間話をすることが日課になりつつあるのは、私だけでしょうか?

 

また、全国では地震や桜島での噴火等、天災が続いております。

 

皆さんの地域では大丈夫ですか?

 

 

 

さて。

 

今日は、『共感しているつもりで同情しないために』について書きます。

 

改めて共感なんていうと、『そんなの基本のキでしょ』と言われてしまいそうですが、結構、共感と同情が、ごちゃごちゃになっている方がおられるのではないかと、私は感じています。

 

自分自身の振り返りも含めて、今回はこの2つを整理してみたいと思います。

 

 

 

皆さんはこんなことを感じた経験はありませんか?

 

『ご利用者に対して、あの家族の態度は酷すぎる!』

 

『あれほどご利用者がわがままだったら、お嫁さんがかわいそう』

 

もしくは、ご利用者やご家族の誰かに、気持ちが強く向いてしまう。

 

 

 

はい。

 

これは、共感ではなく、完全な感情移入であり同情なのです。

 

『ご利用者に対して、あの家族の態度は酷すぎる!(もっと親身に介護するべきだ)』

 

『あれほどご利用者がわがままだったら、お嫁さんがかわいそう(私だったら堪えられない)』

 

いずれも、自分自身の感情が入り過ぎてしまっているからです。

 

 

 

相手の気持ちに寄り添い、そこに想いを馳せることは、とても大切です。

 

ただ、同時に、そこに専門職としての立ち位置を意識していないと、私たちは相手の気持ちに入り込み過ぎてしまい、支援者(自分自身)の感情をコントロールできなくなってしまいます。

 

そうなると、物事を正しく捉えることは難しくなります。

 

 

 

ちなみに、共感と同情の意味は、下記のとおりです。

 

共感:他人の意見や感情などに、その通りだと感じること。また、その気持ち。

 

同情:他人の身の上になって、その感情を共にすること。特に他人の不幸や苦悩を、自分のことのように思いやっていたわること。

 

この違い、わかっていただけるでしょうか?

 

 

 

私はこの2つの違いは『自分の感情を相手に合わせて持つか否か』だと思っています。

 

例えば、先に挙げた『ご利用者が家族の対応に不満を持っている場合』で、考えてみたいと思います。

 

共感とは、『家族の対応にご利用者が不満に思っている』その不満なご利用者の気持ちに寄り添い、想いを馳せるイメージです。

 

同情とは、『家族の対応にご利用者が不満に思っている』気持ちを汲み取り、そこに自分自身の感情を乗せてしまうことだと思っています。

 

 

 

自分の感情を相手の状況に置き、同じ気持ちを持つことは大切ですが、そこに『支援者自身』を登場させてしまうと、同情になってしまうというか。

 

この解釈が正しいかどうかはわかりませんが、私はそう認識しています。

 

そして、だからこそ、同情をしてしまうことは、対人援助職として危険だと思うのです。

 

 

 

私自身、この仕事に就いてからずっと意識しながら取り組んでいますが、初めの頃はこの違いがゴチャゴチャになっていました。

 

恥ずかしい話、20代前半の頃なんて、わかっていないくせに、わかったつもりになって、共感したつもりになっていたことの多かったこと。

 

今考えると反省の限りです。

 

そして、だからこそもう同じことはしないぞ、と思い、気をつけています。

 

 

 

どんな風に気をつけているかといえば、いくつかありますが、例えばこんな感じです。

 

相手の話を聴くときに、自分の斜め上の天井から、もう一人の私が状況を眺めている姿をイメージします。

 

相手の表情や仕草にも配慮しつつ、話を真剣に聴きます。

 

実際に自分が体験したことは『わかる』と答えることもありますが、それ以外のことは、『えぇ』『なるほど』や『そうですか(そうだったのですね)』と相槌を打つことが多いです。

 

そして、相手の感情の部分を言葉で繰り返しながら、想いを馳せます。

 

それを天井から、もう一人の自分が眺めているのです。

 

それだけ。

 

それだけですが、大抵の方に『楽になったわ』『聴いてもらって良かった』と言われます。

 

この言葉をいただいた時、初めて『あぁ、私はこの方に共感することが、できたんだな』と実感できます。

 

 

 

実際、本当の意味での共感ができるようになるに、私は時間がかかりました。

 

いや、もしかしたら、まだまだ不十分かもしれません。

 

ただ、意識することが大切で、繰り返し実践することで、誰でもできるようになると、言い切れます。

 

私でもできたのですから。

 

 

 

今は、それを同業者にもできるように修行中です。

 

しかし、これは、ご利用者やご家族以上に難しいです。

 

なんでだろう?

 

もしかしたら、自分に近しい存在だからかもしれませんね。

 

 

 

最後に。

 

大切なことは、実は『支援者が共感したと実感した時』が共感できたことではなく、『相手が(支援者が)私の気持ちをわかってくれたと感じてくれた時』が、初めて『共感できた』と言えるのかもしれません。

 

共感って、かなり難易度の高い技術だと思います。

 

そして、これが無意識のレベルでできた時、本当の意味で、ご利用者・ご家族と信頼関係が結べるようになれるような気がします。

 

あぁ、最後はなんだか文章が回りくどくなってしまいました。

 

皆さんは、日々の相談業務で、共感をどのようにされていますか?