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2016-01-05 20:33:00

訪問をありがとうございます。

 

年末年始は仕事を持ち帰りにしてずっと家族と過ごしていたせいか、家庭への愛着が湧いてしまい、通常業務が始まった昨日も、『私個人には何の得にもならない様々な活動は辞めて、家庭第一にしたり、興味のあることに熱中できらどんなに楽しいかなぁ〜』何て考えてしまった私です。

 

そして、今日からモニタリングをガッツリ行い、そんな気持ちを吹き飛ばしました。

 

 

 

さて。

 

今日は、もしかしたら皆さんに反感を買ってしまう内容かもしれません。

 

書こうか書くまいか迷っていたのですが、これを読んでいただくことで誰かの気持ちに火が点けばよいな、と思い、書くことにしました。

 

 

 

先日、とある方と話をしたのですが、その中で『地域包括ケアの構築は、ケアマネジャーにとってイニシアチブを取る最大のチャンスなのに、何で手をこまねいているだけなのか?』という話を受けました。

 

正直、悔しかったですね。

 

そして、改めて『何でだろう?』と考えました。

 

 

 

おそらく。

 

おそらくですが、ケアマネジャーは専門職としての自覚や誇りが、他の専門職に較べて低いのではないかというのが、私の見解です。

 

言い換えれば、諦めの境地、でしょうか。

 

当事者意識が薄いというか、『別に私が動かなくても必要な機関が取り組んでくれるでしょ』というところでしょうか?

 

 

 

ケアマネジャーって、実はものすごく倫理的ジレンマとストレスの多い職種だと私は感じています。

 

国からは、倫理観を持ってご利用者の自立した生活を支えなさい、給付の適正化や、インフォーマルの構築に貢献しなさいと言われる。

 

企業からは、企業戦士となり、自社へは『仕事の紹介』という形で貢献しなさいと言われる。

 

ご利用者から希望されることはご家族が拒否し、ご家族の希望されることはご利用者が拒否する想いのミスマッチ。

 

サービス事業所は点で自分達の行う役割を遂行すれば良いのですが、ケアマネジャーにおいては『ご利用者の生活全般』をまとめるように言われる。

 

エンドレスに頑張り続けなければいけない。

 

だけど、介護においてはその評価基準がほとんどなく、治るわけでも数値化できるわけでもないから、常に自分の支援に不安を抱えている。

 

 

 

その上、制度の不具合も含めて全てケアマネジャーのせいにされ、挙句の果てに『ケアマネジャーの在り方検討会』なるものまで、できてしまう。

 

求められているものが、人それぞれの立ち位置で変わり、更にその要望もコロコロ変わり、どんなに頑張っても、次から次へと役割や求められることは増える一方で、なのに、報酬は右肩下がりだから、組織の中でも肩身が狭い。

 

こんなところでしょうか?

 

 

 

そして、様々な機関に振り回された結果、『最低限、国の求めていること(運営基準)だけやれば良い』という結論に達してしまったのかもしれないと、私は感じています。

 

確実に実現できるかわからないとされている地域包括ケアシステム構築に力を注ぐ時間や余裕があるなら、自分の時間は好きなことに使いたい。

 

私だって、やることはたくさんあるし。

 

何より『どんなに頑張ったって、誰も一向に認めてくれないじゃん』という想いが強い気がしています。

 

そう思う気持ちもよくわかりますが、本当にそれで良いのでしょうか?

 

これは、非常に悲しいことだと私は思います。

 

 

 

私はケアマネジャーは『ケアマネジメントの専門職』としての役割を求められていると考えています。

 

そして、そのケアマネジメントは『個に対してのケアマネジメント』と『地域に対してのケアマネジメント』と2つの役割があると考えています。

 

専門職とは『長期の教育訓練を通じて習得される高度の専門的知識・経験を必要とする職位、ないしはそのような職位を担当する人』となっています。

 

更に、世界大百科事典第2版の中には、こんなことが書かれています。

 

『専門職の定義はまちまちであるが、専門職が備えていなければならない基本的な要件は、

 

1)体系的な知識(学問)を長期間学ばないと就けない職業であること

 

2)自己の利益追求よりは、むしろ公共への奉仕を指向していること

 

の2点である。』

 

(奉仕はともかく、個の利益より公共の利益を優先しなさい、という意味だと私は捉えています)

 

 

 

上記より、専門職は常に自己研鑽と倫理観を養うことが大切であると考えています。

 

更に、その知識や技術は『活かしてナンボ』だと思っています。

 

そして、ケアマネジャーは『仕事に就くために資格を活かす』のではなくて、『資格を活かすために仕事に就く』ものだと考えています。

 

サラリーマンではありますが、人の終末期に関わる専門職としての自覚と、地域包括ケア構築に向かって動き出している今、専門職としての知識を地域にも活かすことが、何より大切だと考えています。

 

 

 

私達一人ひとりの力は小さい。

 

個の力で世の中を変えることはできないでしょう。

 

ただ、専門職である私達が力を合わせて、地域包括ケア構築のために取り組むことができれば、その実現は可能ではないかと考えているのです。

 

そして、私達にできることは、実はたくさんあると思うのです。

 

地域の自治会に介護保険の説明をする。

 

認知症カフェに専門職として参加する。

 

行政に介護の現状を伝え、実態に即した施策をつくってもらう。

 

等々。

 

 

 

自己研鑽をして自らの専門性を高め、それを地域に還元して初めて、私達ケアマネジャーは社会から認められる存在になるのではないでしょうか?

 

そのために、自分自身に何ができるか?

 

そのことを個々が考え抜き、仲間をつくって実践していくことが大切だと思うわけで。

 

 

 

『介護は報酬を上げろしか言わない』と批判されるのではなく、自らの役割を考え抜き、実践を繰り返すことで、言われた仕事をこなすのではなく、自分達で『ケアマネジャーの役割』をつくっていきませんか?

 

今年1年の実績は、ケアマネジャーにとって大きな転機になります。

 

今後の役割を確固たるものにしていくか、不要論の消えない存在にしていくかは、実は私達の行動如何だということを、自覚して取り組むことが、とてもとても大切だと思います。