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訪問をありがとうございます。
今日は休日ですね。
皆さんはお休みを充実しているでしょうか?
さて。
今日は『平等』について、考えてみたいと思います。
最近、特に感じているのですが、私自身も含めて、『ご利用者のために』と言いながら、実は支援者サイドの都合で物事を考えていることが、多々あるのではないかと思うのです。
そういう反省の意味も込めて、今回は書いてみました。
平等について書く前に。
私は『人のために制度がある』と考えています。
そして、『介護保険』という制度は、現代に必要な制度であると同時に、これからの社会にもなくてはならない制度だと考えています。
だからこそケアマネジャーは、目の前の人を大切にする(ミクロの視点)と同時に、これから先、制度がこれからも安心して利用できる視点(マクロの視点)も大切だと考えています。
つまり、ご利用者の尊厳を守ると同時に、効率化に向けての視点も忘れてはならないと思うわけです。
前置きが長くなりましたが、『平等』の意味について。
これには2つの意味があります。
一つは『偏りや差別がなく、すべてのものが一様で等しいこと』(広辞苑)です。
これはわかりやすいですね。
食べ物を皆で平等に分けるとき、均一に3等分するとか、そんなイメージです。
そして、もう一つは『人によって違いがあることに応じた平等(相対的な平等)』があります。
これは、一言で言うと『個々の状況に応じて変化する平等』です。
つまり、『必要な支援は個々の状況に応じて違うわけで、その個々の状況に応じて過不足なく必要な支援を提供する』ことです。
私は介護保険というものは、この相対的な平等であると思っています。
ここの部分を混合して『平等』を語ることは、福祉の社会で仕事をする上ではマズイと思うわけで。
介護保険を受ける権利については、1号被保険者であれば、誰でも平等に受けることができます。
しかし、その利用内容については、個々の状況によって違うわけです。
Aさんにとっては必要な支援でもBさんにとっては不要な支援。
そんなことはざらにありますよね。
そして、両者とも、その支援を受けることで自立に向かって生活が営まれていたら、それは『平等に介護保険を利用している』ということだと思うのです。
そして、それは今のご利用者だけではなく、次の世代のご利用者、さらにその次の世代のご利用者にも、同様に利用できる制度にしていかなくてはならないと、私は考えます。
だからこそ、ケアマネジャーの役割は大切だと思うのです。
目の前のご利用者の支援が『自立した生活の実現』に向かって介護保険を利用しているか?(対処療法になっていないか?)
効率化の視点も持って、継続可能な制度になるよう配慮しているか?(過剰支援の提供をしていないか?介護保険のみで課題を解決しようとしていないか?)
この両方の視点を持って支援を提供してこそ、本当の意味で『社会に求められる姿』が実践できるという思うのです。
現在の被保険者も介護保険を受ける権利は有していますが、これから先の世代の被保険者もその権利を有しており、そういう意味では、効率化はとてもとても大切だと思うのです。
なんて。
今日は(今日も?)堅い話をしてしまいましたが、最後に、厚生労働省の方の講演で話をされていた言葉を引用させていただきます。
『ケアマネジャーは、多角的な視点が必要です。
それはご利用者に対してだけでなく、連携するサービス事業所・医療機関・保険者等々、全ての関わる人に対しても同様です。
制度の中で、全体をみることができるのはケアマネジャーだけです。
だからこそ、その責任は重くやり甲斐があると思います。
支援を考えるときには、多角的な視点を持ち、誰もが納得できる支援を提供してください。』
本当にそうだと思います。
ミクロの視点とマクロの視点。
そして、計画した支援がご利用者にとって『自立』に繋がっているか?
これらの視点について、もう一度よく考えてみたいと思います。
そして、一人ひとりのケアマネジャーがその視点を持って支援にあたることができれば、本当の意味の『平等な福祉』の提供が実践でき、社会が安心して生活できる環境を創れると、私は思います。