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2015-11-04 09:10:00

訪問をありがとうございます。

 

今回は、たまに聞かれる『ご利用者・ご家族の要望』に対して、考えてみたいと思います。

 

 

 

 

『ご利用者・ご家族より、希望するサービスを一方的に言われたり、損得で支援を選択する為、課題分析しても擦り合わせが大変』という言葉を聞きます。

 

そういう話を聞いた時、私が最初に確認するのは『契約の際など初回訪問で、介護保険法の第4条は伝えていますか?』ということです。

 

 

介護保険法第4条は『国民の努力義務』について、書かれています。

 

介護保険制度はご利用者の自立支援に努めなければならないことは、この業界に従事する人にとって、周知の事実だと思います。

が、制度を理解しきれていない方々にとっては、『取りあえず、ケアマネジャーに相談したら、何とかしてくれる』と考える方も、まだまだおられるかもしれません。

この説明をしておくのとしないでアセスメントに入るのとでは、今後の関わりやご利用者・ご家族のストレングスを引き出す際に手間が全く変わってきます。

 

 

介護保険は、ご利用者の自立支援のお手伝いをするもの。

その前段階として、先ずは自分の持っている力・ご家族の持っている力を振り返り、その後に足りない部分を保険で補いましょう。

この説明は、とても大切だと私は考えています。

 

 

 

 

さて。

前置きが長くなりましたが、ご利用者・ご家族の『ゴリ押し(ワガママ)』なるものについてです。

私は、損得勘定で支援の要求をするご利用者・ご家族がいた時、先ずは『何の為にそれらの要求を出すのか?』を考えています。

 

 

もしかしたら、身体機能の低下を受け入れることができなくて、『納税しているのだから、当然の権利』と、自分自身の中に大義名分を掲げる為に主張しているのかもしれない。

今まで頑張って頑張ってきたけれど、どうにもならなくなって燃え尽きてしまったのかもしれない(その反動で怒りの主張になり表現しているのかもしれない)。

本当は家族が介護しなきゃいけないと思っているのに、それができない現状を認めたくなくて、権利意識を出しているのかもしれない。

etc

 

 

このように、話を聞きながら『なぜこの人はこういう主張をするのだろう?』と考え、答えが見えた時に、その部分をフォローできる対応をします。

また、その言葉通りに私が動いた場合にどうなるのかを予測します。

 

 

そうすると、相手の望んでいるものが見えてくるのですよね。

そして、その上で、先ずは相手の感情・想いを受け止めることに努めます。

 

 

まぁ、大概今までの大変さを労うのですが。

 

 

 

 

このように、ご利用者・ご家族に『あぁ、この人は自分のことを解ってくれている。理解しようとしてくれている』と認めてもらってから、アセスメントに入ります。

 

 

何気ないやり取りに感じるかもしれませんし、実際、これらのことをしておられる方はたくさんいるかと思います。

 

 

 

 

そう。

私は対人援助の中で、一番大切なことは、『相手を理解しようとする気持ち』だと思っています。

 

もし、まだこういったことをしていないよ、という方がおられたら、ぜひ試してみてください。

 

 

言葉をそのまま受け止めるのではなく、その言葉の奥にある『なぜ?』を追求すること。

そして、相手が言葉を発したことにより、何を望んでいるのか?どうして欲しいと望んでいるのかを探す。

 

 

ここを意識しながら話を聴くと、意外に違う景色が見えて、今まで『ワガママ』『権利意識が強い』と思っていたご利用者・ご家族を、違った視点で捉えることができるかもしれません。