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2022 / 09 / 23
00:16
Ives' trap ?
アイヴズの交響曲第2番は、
たくさんのアメリカの旋律をモチーフとして用いる事と、
4楽章の最後でとんでもない事が起きる事が特徴の曲だと、
これまでずっと思ってきた。
バーンスタインの指揮と解釈で聴いていたのと、
題名のない音楽会での取り上げかたが、そのまま僕のこの曲に対するイメージとなった。
今朝、マイケル・ティルソン・トーマスの指揮の録音を聴いていたら。
まず第一に曲の美しさに感動した。
ソナタ形式より循環形式に近く、
最も重要と思われる場所ではフーガの技法が使われているようだ。
そしてアメリカらしい旋律は、控えめに、
遠くから聞こえる懐かしいメロディーの「断片」として表現されていた。
こんなアプローチもあるのだと、
これまで曲の奥に隠されていた「美しさが」表面ににじみ出てくるようだ、と感じた。
このアメリカの旋律のルーツを探りたくなる誘惑と、
曲の最後の破壊的な部分を強調したくなるのは、
加えて「マーラーのパロディではないか?」と思わせるのは、
指揮者、演奏者や批評家たちに仕掛けられたアイヴズの罠かもしれない。
あるいは、あまりにも美しい曲を作ってしまい、
照れ隠しで良く知られたメロディーを出し、
最後の和音を改変したのかもしれない。
いずれにせよ、
粛々とスコアを読んでいく。