洛外日記 diary 2017
<29Dec2017>
不思議な偶然を発見した。
来年秋の演奏会から再来年にかけて「9」が連続する。
陵水フィルハーモニー管弦楽団 第9回 演奏会
京都教育大学管弦楽団 第49回 定期演奏会
奈良交響楽団 第69回 定期演奏会
大阪市民管弦楽団 第89回 定期演奏会
京都室内管弦楽団 第19回 定期演奏会
京都堀川音楽高等学校 第9回 卒業演奏会
大阪府医師会フィルハーモニック 第49回 定期演奏会
来年は「9」がラッキーナンバーなのかな・・
面白い!
<15Dec2017>
第九とカルミナブラーナをひとつの演奏会で演奏する。
ひこねの皆さんと、時間の制約を感じつつも、
楽しく、じっくりと音楽を熟成させてきた。
ひこねには20年の第九演奏の歴史があり、
オーケストラと合唱に蓄積された
20年分のベートーヴェンへの想いがあるからこそ、
この企画は実現した。
素晴らしいことだ。
成功に向けて頑張るのみだが、
どうも肩に力が入っている。
ジョン・レノンの歌を聴く・・・・
WOMAN
優しい歌だなあ、愛情があふれているなあと思ったら、
少し落ち着いた気がする。
<30Nov2017>
11月が終わる。
今、目の前にあるコンサートの成功に向けて全力で音楽を磨く。
ひこねで指揮する第九とカルミナ・ブラーナ。
大阪市立大学との牝鹿とラフマニノフの交響曲第2番。
出演者もお客様も感動の笑顔をもって演奏会を終われるように、
集中してスコアを勉強する。
効率的で楽しいリハーサルの計画を練る。
強い心で!
<28Oct2017>
10月21日の京都府立医科大学交響楽団第93回定期演奏会で、
京都三大学合交響楽団は、ほんとうに素晴らしい演奏をしてくれた。
僕と、オーケストラはともに命を燃やして音楽を表現できたと思う。
キャンディード、眠りの森の美女、ラフマニノフの交響曲第2番、
そして、アンコールのウエストサイドストーリー・シンフォニック・ダンスより
マンボの最後の一音まで、積極的に音楽を創り、大きな大きな感動を、
お客様も、オーケストラも、もちろん指揮者も感じた演奏会だった。
今も、耳に残る三大学のサウンド・・・余韻はなかなか消えない。
そして、もう彼らとのリハーサルがないのだと思うと・・・・
<6Oct2017>
疲れをとるための方法は、結局寝ること以外にないのではないか?
今日はお休みをいただいたので、本当は「ジュディ八田」のDVDの後半と、
買ったばかりの「ドン・ジョバンニ」を見る予定だったのに、
夕方まで眠ってしまった。確かに寝すぎると余計疲れたような気になる。
どうして疲れるのか・・・絶対「運命」のせいだと思う。
あの曲は、ほかの曲とは明らかに違う・・・・なんというか、体が破壊されていくような気がする。
不意に後頭部をバット殴られたような、むち打ち状態。
筋肉痛。呼吸困難・・・僕の振り方が悪いのだろうなあ。
でも、体はほぼ本能的に動く、ベートーヴェンに操られているのだな。
完全、絶対な音楽。指揮できるだけで幸せだ。
でも、本当に疲れてしまう。
振り方を考えるより、熟睡できる方法を知りたい。
小学生のように、ぐったり疲れていても、
起きたとたんに元気を感じたい。
ラジオ体操やって、ヤクルト飲みたい。
<16Sep2017>
ディオールのCMで、ナタリー・ポートマンを見た。
美しい!
でもやはり最も魅力的なのは、レオンのマチルダだ。
あの瞳の魅力はこの世のものとは思えない。
<12Sep2017>
幸せなことに、毎年、いろいろなオーケストラより客演のオファーを頂き、
素晴らしい音楽の時間、音楽を創る時間を共有してきた。
「和み交響楽団」もそのひとつ。
お付き合いはかなり長く、感動的な共演を果たしてきた。
その歴史を振り返ってみる。
第3回定期演奏会(13Feb2010)会場は全て京都コンサートホール
シューマン/「マンフレッド」序曲
モーツァルト/交響曲第38番「プラハ」
シューマン/交響曲第3番「ライン」
第4回定期演奏会(18Jul2010)
ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
ヒンデミット/ウェーバーの主題による交響的変容
ブラームス/交響曲第4番
第8回定期演奏会(30Sep2012)※台風直撃
メンデルスゾーン/「フィンガルの洞窟」序曲
フンメル/トランペット協奏曲 〈Tp菊本和昭〉
チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」
第12回定期演奏会(14Jun2015)
J.シュトラウスⅡ/「こうもり」序曲
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 〈Vl漆原啓子〉
ドヴォジャーク/交響曲第7番
第14回定期演奏会(4Sep2016)
ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」
チャイコフスキー/交響曲第4番
そして今回・・第16回定期演奏会(25Feb2018)
シューベルト/「ロザムンデ」序曲
シューマン/交響曲第4番
ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」
ため息が出るほど素敵な曲、大好きな曲が並んでいる。
どれも感動的な演奏会で、もちろんソリストも最高だった。
強いて言うならば、あの台風直撃演奏会はもっと多くの人に聴いてもらいたかった。
でも暴風雨の中700名以上のお客様に来ていただけたのは嬉しかった。
今も和みはより感動的な演奏への挑戦と成長を続けている。
来年2月25日は是非、京都コンサートホールで和みの「今」をお聴きいただきたい!
<16Aug2017>
京都三大学合同交響楽団との長い歴史を振り返ってみた。
このオーケストラは、メイン回生の個性がそのまま音楽に表れ、
ご一緒するたびに全く違うオーケストラを指揮しているような気持ちになるという、
極めてユニークなオーケストラである。
不思議なことに、まだ一度もメイン曲が重複したことがない。
医大ホールにひびくそれぞれのメイン曲を思い出すと、
その時のメンバーの顔が浮かんでくる。
医大93回定期 ラフマニノフ/交響曲第2番
医大91回定期 ショスタコーヴィチ/交響曲第5番
医大88回定期 ドヴォジャーク/交響曲第9番
医大86回定期 リムスキー=コルサコフ/シェヘラザード
医大85回定期 サン=サーンス/交響曲第3番
医大84回定期 シベリウス/交響曲第2番
医大82回定期 ブラームス/交響曲第4番
医大80回定期 チャイコフスキー/交響曲第5番
医大73回定期 ベートーヴェン/交響曲第5番
73回定期は、常任指揮者制から客演指揮者制に代わる大転換の時で、
僕はオーケストラにとって最初の客演指揮者となった。
1997年のこと。
ちょうど20年前なんだ。
ながーーーーーーーーーーーーいお付き合い。
ぼくにとってはかけがえのない大切な音楽の歴史。
93回定期も輝くような演奏で新たなページを書き加えたい。
<7Aug2017>
台風がやってきて、京都三大学合同交響楽団とのリハーサルが中止になった。
自然現象なので誰も悪くないのだが、残念でしかたがない。
気持ちが焦ってきて落ち着かなくなった。
少し時間が経って・・・・
でも、代替リハーサルの日程が見つかったので、少し落ち着いた。
もう少し、どっしりとした心の持ち主になりたいものだ。
<3Aug2017>
先日、割と時間ができたので「ローエングリン」を観た。
自宅でのDVD鑑賞である。
メトロポリタンの演奏、若きジェ-ムズ・レヴァインの指揮。
「ローエングリン」・・・好きだなあ。
で、ふとレヴァインの使っている指揮棒に目が留まった。
かなり前に見た、カール・ベームの使っていた指揮棒と似ている。
ベームの指揮棒は、リヒャルト・シュトラウスにもらったもの、
と聞いたような気がする。
あの、棒の曲がり具合がよく似ていると思った。
それで、ある本の存在を知って、
即刻購入してしまった。
「指揮棒は魔法の杖?」
エックハルト・レルケ編の一冊。
1999年に行われたインタヴュー、
有名な指揮者の「指揮棒考」である。
これが最高に面白い。
まずはレヴァインのページから読んだけれど、
どうもベームの棒ではなさそうな・・・・・
<30Jun2017>
僕は京都が大好きで
でもしばしば「好き」と同じくらい嫌いになる。
おそろしく個性的で
言葉を失うほど魅力的な女性に
結局は心を奪われている・・・
そんなかんじ。
<31May2017>
神戸大学交響楽団とのリハーサルが、
本番にむかって熱を帯びてきた。
シューマンとチャイコフスキー、
この二人の大作曲家の第4交響曲を並べるという、
物凄いプログラムである。
しかし、彼らは体力と精神力の限界まで、
その若いエネルギーを惜しみなく音楽につぎ込む。
パワフルで情熱的な金管・打楽器群
繊細で表情豊かな木管楽器
弦楽器セクションの美しい音色は素晴らしく、
特に第一ヴァイオリンが
一人一人の個性を出しつつ
同じ方向で旋律を奏で始めた時は
最高の美しさである。
学生指揮者小川拓人君率いる神大響の
ベートーヴェンの充実も
作品の核に迫っていて、
大きな感動を呼ぶと感じた。
僕と神戸大学交響楽団が
持てる力をすべ注ぎこみ演奏する演奏会に、
ぜひともお運びいただきたい。
<16May2017>
陵水フィルハーモニーの音は
「5月の風」のようだ。
コンサートが終わって、ホールの外に出た時
晴天の彦根の空から
木立を抜けて
気持ちのよい優しい風が吹いていて
さっきまで指揮していた陵水フィルの音が
さわやかな風になったように感じた。
ブラームスは皮膚の下から湧き上がってくるような情熱を
積極的な表現と、優しくあたたかい表現を使い分け
あくまで前向きに演奏できた。
チャイコフスキーは、悲しくも美しい愛の世界と、
血で血を洗うような抗争を厳しく対比させ、
勇気ある表現を音にできた。
ボロディンでは、作曲家の望む音楽を
おそらく僕たちは表現できたに違いない。
この曲があれほどの感動と
躍動感を持って演奏できるとは思わなかった。
この曲で陵水フィルハーモニーは
「五月の風」
を手に入れたのだ。
本当に素敵なオーケストラに成長した陵水フィルに、
心からの拍手を贈ります。
<6May2017>
君は「HOCT」を知っているか?
Handai Orchestra Carrying Team
のことだ。
彼らの楽器運搬の技術は素晴らしく、
2台のバンに大オーケストラで使用する
大型楽器と打楽器を完璧に収納する技術は、
もはや神の領域である。
音楽への愛情
楽器を大切にする気持ち
厳しい肉体労働に耐える精神力と体力
それらは
とてつもなく長い歴史と伝統となり
後輩へと受け継がれてきた。
今もなお、大阪大学交響楽団の団員から、
信頼と愛情を注がれる集団である。
大阪大学交響楽団とのリハーサルは、
彼ららしく、しっかりと作品の核心をとらえようと、
堅実な準備のうえに始まった
とてもよく勉強してあって、すごく感激した。
加えてHOCTとの再会もまた嬉しかった。
これから、本番にむけて、
それぞれの作品にふさわしい、
阪大にしかできない音楽表現を見つけてゆく。
<19Mar2017>
【小泉和裕先生のブルックナー】
小泉先生が長年取り組んでおられるブルックナー。
その第8番を名フィルと共演されると聞き、
どうしても聴きたくて、無理をお願いし、
リハーサルから見学させていただいた。
はりつめた空気のなかで、一音、ひとフレーズを磨いていくようなリハーサルだった。
僕は何度も先生のリハーサルを見学させてもらったが、
いつもにも増してシリアスな時間であったように思う。
リハーサル後も長い時間お話しを聞かせていただいた。
先生のブルックナーに対する思いを中心に、
音楽監督としての決意、
指揮者としてのあるべき姿勢など・・・
僕の指揮法の悩みもご指導いただき、
僕にとっては大きな学びの時間となった。
そして名フィル444回定期本番。
あのリハーサルでの練習が、
このような形に結実するのか!
驚嘆と感動である。
コンサートホールがまるで教会の大聖堂となったような・・・
これこそがブルックナーなのだと思った。
<28Feb2017>
リハーサルで
無理して声を出し続けて
ついに
声がまったくでなくなった。
こんなにひどいのは初めて・・・・
お医者さんにファイバースコープで声帯を見せてもらった。
白く見えるところが
かさぶたのように固くなっているとのこと。
明日の卒業式の司会はできない・・・
人生最後の卒業式の司会だったのに
ご迷惑をおかけしてしまい、
本当にごめんなさい!
<15Jan2017>
京都は大雪。
お正月はあたたかな沖縄でとても元気だったのに
京都に帰ってきたら風邪ぎみ。
今日は一日中寝ていた。
今年初めてのリハーサルは
大阪府医師会フィルハーモニーとの
シューマンのマンフレッド序曲とブラームスの交響曲第3番だった。
指揮者にとってもオーケストラにとっても手強い曲である。
でもドイツロマン派音楽の頂点とも言える作品の練習で
新年を始められたのはしあわせだ。
今年も、
深く内容のある音楽を目指して
誠意ある準備をしよう。
そのためには
まず、元気でなくては!
<1Jan2017>
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
今年はいろいろな意味で、新しい始まりがある年です。
頑張っていきます!
・・・・・と言いたいところですが、
風邪をひいてしまいました。
やはり「健康第一」ですね。