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色々な黒
ベンタブラックという反射しない(厳密には多少はある)黒の塗料が出た時、その黒さにYouTubeか何かのニュース動画で驚いたことを記憶している。
どんな立体物もその形通りに穴が出来てるように見えてしまう。
アニッシュ・カプ−アという現代美術家がこの塗料を独占して問題になった事があるがそうしたくなる気持ちもわからないでもない。
何もかもが穴になってしまうのは興味深い。
それほどまでではないがターナーから出ている暗黒ブラックを手に入れ使ってみた。
この黒は12色セットでしか手に入らなかった(当方が贔屓にしている笹⚫︎画材ではそうであった)のだが個別で売りに出るようになった。
穴が空いているほどではないが今まで使っていた黒よりは黒く、ムラが出にくい。
ただ色の上では黒が粉っぽくて扱いが慣れない間はうまく塗れなかった。
コツが掴めるとこれはなかなか良い絵の具である事がわかり、次回笹⚫︎画材へいく事があったら増入する事に決定。
新しい画材は使って失敗してクロウするものである。
贈り物
東京藝術大学のデザイン科にかつて形成デザインと言うデザインもやるし美術もやるところがあった。
友人はそこを出ているのだが日本画材をよく使っていて絵を描くのにアクリル絵の具も使っていた。
その友人が体の具合が悪く絵を描くことができ くなってしまい、画材を送ってくれた。
中には金箔も入っていて「これは貴金属で今、高騰しているのに」とか思いながら色々と入っているものを見ていた。
日本画に興味がなくなって絵をやめ、画材がいらなくなったものならただ嬉しく思うのだが体調が悪くやめてしまうのは残念で、あまり嬉しいものではない。
特にカラフルで見事な絵の具の使いこなしをしていた友人だけに、当方のような誤りの多い技法の絵描きのところへ来てしまったのは絵の具にも悪い。
学生の頃からどういう訳か絵を描く事に応援をしてくれていたのも思い出し、悲しい気分になってしまった。
もらった絵の具で絵を描いて本人に見てもらいたい。
恒例一枚の写実
いつもより早い目の政治家描きである。
今年は誰にするのかすぐに決まっていたので悩まなくて済んだ。
コロナウィルスが流行った時やマイナンバーカードでてんやわんやだった彼である。
この一枚は日本画をやめていた時も描き続けていたのでにかわを使っての技法を思い出すのに都合が良い。
今年はほとんど岩絵具を使わなかったので久しぶりに使う。
白を出すために接着剤にでんぷんのりを使ったがにかわとの収縮率が違うのかひび割れが起こる。
割れたところに岩絵具でメを埋めたが何度もひび割れが起こる。
厚塗りによる表現で凸凹をつけ過ぎたのかもしれない。
例年であれば絵の具皿も10枚も使わないが今回は20枚くらい使った。
それだけ多くの色を使った訳だが効果はあったのだろうか。
非常勤講師に慣れてきました
大学も7回くらい通ってつかめてきた。
最初はかなり緊張もあったが抜くところもわかってきた。
4年生がメインだが生徒はあまり来ていないので他の学年も覗いている。
あまり来ていないのは自分が学生の頃も同じで何人かは熱心だったがそうでない生徒がほとんどだった。
せっかく難しい(自分にとってはだが)学校へ入ったのにほとんど来ないで卒業を迎える学生が日本画には多かった。
授業を見て回っていて生徒が草稿を描いているのだがその紙が傾いているのを何点か発見した。
しかし本人たちは気にならないようで、言おうか言わまいか思案。
結局言わずに素通り。
日本画で垂直が気にならないのは致命的な気がする。
丁寧に作画していて垂直が目に入らないのだろうか。
自分なら差金で垂直を取るところだが、うるさい先生にはなりたくもない。
来週はまた楽しい美術館遠足である。
4つ同時制作
季節のせいもあって4つを制作している。
それぞれが違う技法なので失敗が多くやり直しに時間が取られる。
岩絵具の作業は慣れない澱粉のりで接着能力が濃度で変わってくるのだが厚塗りし過ぎてヒビが入る始末。
焼きそばは仕上げの艶出し剤がうまく塗れず、何度もやり直し。
コンピュータの作業ではあまり慣れていないので遠回りの作業。
パネル作りでは今までとは違う機械で作る事になったので余分な計算をする事に。
挙句、計算ミスから切り間違えが起こり、何度もやり直し。
還暦前にあってこのミスの連続には参った。
イライラすると言うより諦めの境地。
コツコツやっていくしかない。