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誤差の落とし所
イラストレーターで作画して出力したものをステンシルにして絵を描いている。
特に今描いている金鳥シリーズは正確さが大事である。
25号の円形の作業で出力したものの大きさと物差しで測った大きさが0.5ミリ合わなかった。
プリントミスかとも思って出力し直しても同じ。
使っている金尺でなくプラスチックのもので測るとちょうどになった。
つまり、金尺は出力したものとはサイズが違うことが判明した。
画像はその誤差を示している。
値段も高く、温度でも狂いがなく、目盛りが消えない金尺の方が正しいと思い込んでいたが案外プラスチックは正しいのだ。
物差しでもそうだがコンビニのコピー機でも同じようなことが起こる。
大きな画像を繋いで使う時にセブン⚪︎レブンのコピー機は狂いが大きく、ミニ⚪︎トップのコピー機は狂いが小さい。
セブンよりもミニの方が信頼が高そうだが実はそうではない(あくまでも画像をつなぐ作業において)。
実はこういう誤差は絵の中には多くあっていつもうまく誤魔化している。
教え子の仕事
持つべきものは優秀な教え子である。
アルミの板に加工をしてもらい展示ができるように裏にL字の金具をこちらの指示通りにつけてもらった。
そこにホームセンターで売っている比較的綺麗な角の落ちている木材を付けるためにミリ単位で指示を出したのだがこれ以上ないくらいの精度で仕上がっていた。
太ければヤスリがけが必要か、細ければ和紙でも巻いて足す、てなことを考えていたがそういった事はしなくて済むくらいドンピシャの寸法であった。
これだけの正確な仕事は見た事がないので本当に驚いた。
受験生の頃から優れていたが作家になってさらに腕を上げていた。
4ヶ月くらい前に木製の円形パネルを頼んだ時に中心にコンパス用の穴を開けてほしいと木工屋に頼んだらそれは自分でやってくれ、と言われがっかりしていたが教え子はこの点でも完璧であった。
同心円には中心が必要で、どうしても自分で測って出すと誤差が出るのだ。
その上、アルミ用のサーフェイサーをこれまた綺麗この上なく塗ってくれていて作業しやすいったらありゃしない。
しかもかなり強い下地剤なので絵の具もつようく固定されそうである。
教え子との会話
くどやま芸術祭に参加駿河今回は金鳥の大きい目の作品を描く。
とは言っても昔のホーロー看板と同じくらいの大きさなので作業場でこなせる大きさである。
その支持体を以前勤めていた教室の生徒に作ってもらうことにした(画像は彼の作品の焼き物の一断片)。
受験の時からその立体を作る力には目を見張るものがあったので、SNSでの再会により連絡を取ってみた。
もうすでに著名な作家として活動しているので安い仕事でお願いできるか不安であったが引き受けてくれた。
しかも受験生の頃よりも、当たり前だが、かなりの技術で仕上げてくれた。
それを持ってきてくれたのでお茶をしに行ったのだが日本の芸術家に対する搾取を嘆いていた。
かなり大きい芸術祭に参加しているのだがそのキュレイターに搾り取られるようだ。
しかしどここでも同じようなものかもしれない。
自分を鑑みると、最初の画商さんは支払いは遅いし、きちんと計算しないし、変な仕事を取ってきてやらせるのはいいのだがお金を回収できず、と言うようなことばかりであった。
このお茶はその嘆きと加齢の話に花咲いた。
病気や具合の悪さを語るのは本当に老人化していると感じる。