日記

2023-05-30 22:42:05

法令線を深くしない為には

 ほうれい線が深くなることは男女関わらず気になる方は多いかと思います。

 年齢のせいだと諦めている方もいると思います。

 口の周りにある口輪筋と頬筋の境目にある為、この両方の筋肉を運動させて下方に下がらないように鍛えれば薄くなる、という内容の動画も見かけます。

 

 今手元に人体解剖図の顔の部分がありますが、首の前面部は「広頚筋」という筋肉で覆われています。この広頚筋は口輪筋や口角下制筋と繋がって一体になっており、舌を動かす舌骨上筋群や舌骨下筋群などはその裏側で活動しています。ここまで一体になって繋がっている広頚筋が下方向に引っ張られれば、口の周りの筋肉も当然一緒になって下に引っ張られ、結果として頬筋との境目にあるほうれい線は深くなります。

 

 ではこの広頚筋が下方向に引っ張られないようにすればほうれい線は深くならないのではないか、と考え日々の施術に応用しておりますが、経験上その考えであっているように思います。

 日常生活の様々な活動によって頭が前傾している姿勢が多い人ほど、この広頚筋を常に縮ませているので口輪筋ごと下方へ引き下げる力が強くなっていきます。逆に、首の後ろ、後頭部から下側の筋肉群の緊張を緩めて頭を後ろに倒れやすくした上で、上を見上げるようにする事でこの広頚筋が伸ばされ、口の周りの筋肉を下方へ引っ張る力も弱まります。

 仰向けで寝るときに首の後ろに巻いたタオルを置き、顎が持ち上がるようにして寝につく事でこの広頚筋に蓄積した縮める力を弱めることが出来ると考えます。

2023-05-19 11:46:25

手の平をパーに出来ない人が多いようです

毎日整体の仕事をしていると、手の平を真っすぐに開けない人を多く見かけます。

そんな筈はないと思う方もおられるかと思いますが、試しにジャンケンのパーの形を作ってみて下さい。

綺麗に手を開けていますか?

また、座った状態で手の平を天井向けに開いた時、机の面と平行になっていますか?外側に向けにくく感じないでしょうか?

 

例えばパソコン仕事にしても、調理をするお仕事にしても、或いはプライベートでゴルフや野球をする方でも、手を握りこむ動作が必要な方は多いです。ただ、そのお仕事や用事が終わった後、十分に手を広げて、握りっぱなしだった力を抜いているでしょうか?

 

手を握りこんで内側に倒し続けると、腕の尺骨と橈骨は常にねじられ、肘にもねじる力が加わり、結果肩を巻き肩に、首にも筋肉で繋がっているので首を前傾させ、僧帽筋を頭側に引き上げます。結果、姿勢が崩れるので内臓の負担も高まり、重心が真っすぐに下半身で受け止められないので腰に負担がかかり続けるので腰痛の原因にもなります。

手、一つの習慣から始まって実は全身の不調に繋がっているのが分かるかと思います。

 

整体院で行う施術のほとんどは身体にかかりっぱなしの力みを抜くものが多いと思います。

逆に言えば、ほとんどの人が毎日、その日に身体にかかった力みを必ず全部解除してからお休みになるようにすると、整体が必要な不調は起きにくいという事になります。

あくまで理想論であり、そのような習慣で生活されている方は少ないと思いますが、どのように生活すれば身体に不調が起きにくいか、の目安の一つとして、手を重視してみるのも面白いかと思います。

2023-05-08 22:26:28

本に載っていない経穴

 整体院として毎日施術していて、時々習ったこともない、教科書にも載っていない部位が施術効果を生みだしているように見える事があります。

 

 例えば膝の内側のやや内腿に入った上部に「血海」という経穴が設定されていますが、肘の内側のやや上部に同じような効能がある経穴が存在しているように感じます。布の上から擦るとどちらも手や足の先端まで冷えが解消されて体温が高まりますので、冷え性を訴える方に良く用います。

 或いは、鼻のふくらみの横、ほうれい線の内側辺りに軽く押さえていると一時的に花粉症などの鼻炎がおさまる経穴らしきものがあるように感じます。「迎香」という経穴に近い部分ですが、効果があると感じるのはもっと内側です。

 また、顎の横にある「頬車」と、親指の内側、「魚際」よりもっと手の平側に入った橈骨神経浅枝のあたりを軽く指をあてる程度の力で抑えていると、顎関節症などに繋がる顎の力みと親指の力みが同時に緩むと感じます。

 

 推論ですが、経穴とその治療効果として発見されているメカニズムとは違い、現代の人が多くとる姿勢だとその部分に負担が重なる為、結果として経穴のような役割がたまたま生みだされているのだろうと考えております。

 経絡、経穴はあくまで基本概念として学習し、そこにとらわれずに指先で筋肉が緩む治療効果を感じ取りながら最適な施術を考えて応用していくのが大事だと考えます。

2023-04-17 22:39:18

経絡と流中

経絡という言葉は東洋医学の中心的なもので、鍼灸や整体問わず広く使われているものです。

言葉の意味は(身体の中の)縦と横のつながり、という程度の意味です。

最初にこの言葉を習う時に「流中」という経絡の流れを表す言葉と一緒に覚えますが、それは経絡の流れは一方向に定められていて逆流はしないというような意味合いで使われます。

 

この概念が成立したのが紀元前、前漢と呼ばれる時代であり、東洋医学が最初期に発達した背景には国同士の戦争が多く、兵士の治療をする機会が多かったことや、戦死者を解剖する機会も多かったことが研究を発達させるのに有利だったから、という考察が最近多く言われるようになりました。

 

ただし、あくまで紀元前の話です。現代のように血圧や心電図を診る機械などは当然ありませんので、観察は目で見た情報から推察していくしかありません。経絡の流れが逆流しない、というのはあくまで目で確認できる範囲だけの話であり、実際にはもっと広い範囲で様々な流れがある事を認識する必要があると感じます。

 

経絡の中を流れる中身は「気・血・津液」とされています。血液は血管の中を一定方向に流れますので、この経絡の原初のイメージ通りですが、身体に栄養を運ぶ水分や冷却のための汗、胃液などの消化に使う水分など「津液」は必要に応じて必要な箇所に運ばれるイメージです。更には手足などの身体の各部位を動かすエネルギーである「気」の流れも、例えばものに触れて帰ってくる感覚情報を運ぶ「気」もあり、逆流どころか必要な時に必要な方向に流れていくイメージです。

気も津液も目視で観察するのが難しい時代に生まれた概念ですので、現代人が「経絡」という言葉を捉えるときにはあまり原点の意味にとらわれず、大まかに把握する事が大事であると考えます。

2023-03-17 11:28:00

花粉症対策用の経穴

今年は花粉の飛散量がとても多く、去年あまり症状がでなかったので油断していた自分もかなり激しい症状に悩まされています。

今年花粉症デビューの人も多そうです。

マスクを外してもいいとは言われていても当面は外せそうにないです。

 

花粉症を経穴の刺激で抑えられないか?とのお問い合わせを良く耳にします。

花粉が舞っている外にいる間は焼け石に水で難しいですが、室内に入って顔を良く洗い、花粉を落とした後であれば対症療法ですが多少は指圧で緩和することが出来ます。

 

眼のかゆみ⇒鼻骨の横を辿るように眼窩の内側上端辺りを軽く押さえる。膀胱経の「睛明」という経穴があり、花粉症などの症状があると押さえたときにコリっとした感触があるので、軽く触れる程度の力でしばらく触れているとそのうち張りがおさまります。

 

鼻水⇒鼻孔の外側、ほうれい線との境目辺りを軽く押さえる。大腸経の「迎香」という経穴があり、ここも症状があると硬いしこりのようなものがあるので、軽く触れていると張りがおさまります。

 

顔の筋肉疲労⇒目のかゆみやくしゃみが続き、顔の筋肉そのものが疲労して硬直しやすくなります。耳の横、胸鎖乳突筋との境目の凹み部分に三焦経の「翳風」という経穴があります。ここも軽く押さえ続けることで顔面の緊張が和らいできます。

 

あくまで次に花粉に触れるまでの一時しのぎでしかありませんが、「人に会うので今だけは症状を抑えたい」という時などに試してみて下さい。

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