遊離基とは

 多くの整体院で、不調の原因に対する説明として老廃物の蓄積という言葉を使っているのを耳にします。

老廃物の内容は、古くなった皮膚、脂、使わなかった栄養物質、余剰の水分などです。身体にとって不要になった排出するべきもの、という認識であり、

一見して排泄物と同じように見えます。

 この内容だけでは身体に直接害を与えるものには見えませんが、東洋医学上はもう一つ、「遊離基」という物質がこの老廃物の中にあると説明しています。

 書物の中の説明としては、「生体の代謝過程で絶えず産出される自身障害の毒性物質」とあり、生体の生理と病理に深くかかわっているとされています。

 通常は産出と除去のバランスが取れており、蓄積する前に排出される、という点では老廃物の概念と全く同じです。

 但し、排出しきれず蓄積した場合、免疫機能の減退、動脈硬化、心疾患、高血圧、糖尿病、更には老衰現象にもつながるとあります。

単純な老廃物という記載よりも、その害がより詳しく書いてあるのが特徴です。

 遊離基を英語にするとフリーラジカルになり、元々は化学上で使われる言葉ですので本来は整体師があまり関わる話でもなさそうですが、このような体内の

不純物と容易に結合して毒性物質に変化しやすい性質のものが体内にあり、なるべく減らした方が良い、という事は概念として知っておいていいと考えております。

 遊離基を減らす食べ物としてテレビで紹介されたことがあるのはトマトやゴマなどが挙げられます。

また、インスリンを含むゴボウなどの食べ物でエネルギー化した上で、運動によって消化してしまう、という方法も以前紹介されたことがあります。

 整体師としては、老廃物の除去や代謝の促進でこの遊離基の排出を促す、という関わり方しかできませんが、上記のように医療法面での研究も進んでいる分野です。

 このような物質が存在する、という概念だけでも認識していただければと思います。