腰痛の仕組み 一例

 当院へ見えられる方の主訴の中で、「腰痛」はかなりの割合を閉めます。

 飲み過ぎなどの内臓由来のものもあれば、荷物運びなどの重労働によって急激に腰に負荷がかかったことによるものもあり、原因も痛みの種類も様々ですので個人での対応がしにくい症状の一つであると言えます。

 あくまでもその内の一例として、パソコンなどの事務仕事由来の腰痛に関する仕組みを書きます。

 

 

 

お腹の筋肉.jpg

 事務仕事などで座り姿勢が長いと、その間大腿前側にある筋肉群は上の図の大腰筋と連動して収縮したままになります。

 大腰筋と腸骨筋の中間部分を指して「腸腰筋」と言いますが、この部分が収縮を続ける事によって伸びにくくなり、立ち上がった時に身体を九の字に曲げる力に変わってしまいます。

 そのまま大腰筋や仙骨周りを引っ張ってしまい、腰痛の原因になりますが、それだけではなくこの筋肉は読んで字のごとく腸のそばを通っていますので、硬直し過ぎるとその内側の大腸を圧迫する力にも変わってしまいます。特に左側はS字結腸に繋がる下降結腸という重要な部分ですので、ここを圧迫されると腸の動きの不調や便秘の原因にもなりかねませんので、出来るだけ柔らかく保つ必要があります。

 対策方法ですが、硬くなった原因が収縮し続けた事によりますので、逆にその部分に動きを与える事が重要です。良くダイエットなどでやる「空中自転車こぎ」のような動作は理想的かと思います。この時、大まかでかまいませんので腸腰筋の付近を指で軽く押さえておくと運動効果が直接硬直部分に伝わりやすいかと思います。

 また、前側に曲げ続けたことが原因ですので、業務の合間の時間になるべく「ゆっくりと」腰を後ろに反らせる動作を挟むのも重要な対策の一つです。この時急な動作を入れると逆効果ですのでご注意ください。

 上記はあくまでも腰痛の仕組みの一例ですが、図で挙げた以外にも膝下などの多くの筋肉が絡んでいることも多く、中々全てを個人で対策しきるのも難しいかと思います。

 腰痛が発生しそう、或いは発生した後で御自身での対策が間に合わなそうであればぜひ一度当院へお越しください。

 筋肉が持つ「引っ張る力」を脱力させるような施術が多いので痛みの緩和に役立つかと思います。