好転反応といわれる痛みに関して

 当院ではなるべく、強い押圧は控え、手の平全体に刺激を分散した平面圧を使うように心がけています。

これは、点圧を筋肉の真上から加える事で、その箇所が反発して抵抗する反応を招き、結果として施術後に「もみ返し」が発生する危険性が高い

と考えるからです。(※逆にこの反発して抵抗する作用を利用して、弱化した部分を活性化させる施術も存在しますので必ずしも悪いものというわけではありません。)

 ところが基本的に平面圧を多用していても、稀に施術後に痛みを訴える方がいます。

いわゆる「好転反応」と考えられます。

 当院で目指している全身の経脈の流れを清浄化させる、という施術は、言い換えれば留まっている瘀血老廃物を本来の正常な流れ道に乗せるという事です。

留まっているそれらのものの量が多すぎる(疲労が蓄積しすぎている)場合、正常な流れ道とはいえ場所によっては負担が増大します。

 多くの場合、施術後の痛みが上記のもみ返しや、怪我などによる炎症反応でない限りはこの「好転反応」であることがほとんどであり、水分を多めに採って

休息をとっていれば施術前以上に回復します。(あまりに好転反応が激しく、痛みが気になって休めないようであれば、しばらくの間患部を冷やすことで沈静化

します。)

 但し、気を付けなければならない点もあります。施術を受けられる方が高血圧である場合、あるいは老化現象により血管が弱っている場合です。

高血圧の方であれば、血液中に活性酸素が多くなっている可能性があり、そこに施術によって流れてきた様々なものが詰め寄せて血管への圧迫が

強まってしまう事が考えられます。この場合、なるべく施術前にカルテや事前の質問で確認しながら、もし該当する場合は先にお医者さんに診断して

もらい、薬を服用してもらうことでリスクを下げることが出来ます。

 血管が弱っている場合、既にどこかに通院されていて医師から指摘されている場合も多いですが、ご本人でもまだ気づいていないケースもあります。

施術前の会話や観察によって、疲労が激しいように見受けられる場合、手足を動かす技はなるべく控えて「軽擦」をより軽めに多用する施術に切り替える

のが安全であると考えます。

 整体の施術につきものとされる「好転反応」ですが、多くは問題のないものと考えられますが、中には上記のようなリスクもあります。

「施術後の痛みがあった」と聞いてから安易に決めつけず、前後の痛みの特徴を良く聞いて対策を考える事が重要であると考えております。