東洋医学から見たアレルギー

時々暖かい日も見られるようになり、真冬の寒さによる筋肉の収縮も少しずつ治まってくるかと思います。そのような時期にあって毎年悩ましいのが「花粉症」や「寒暖差アレルギー」などのアレルギーの症状です。

東洋医学においては、寒い時期に身体に溜まった「水毒」を体外に排出するために起こる症状とされてきました。

その為、辛い物を食べて発汗作用を促し、体外に排出することで健康を維持しようと考えられてきました。

厳密に現代の医学から見れば疑問の残る発生原因ですが、対処方法として「排出」を重視する、という考え方は間違っていないと思います。花粉症の症状である鼻水、くしゃみ、咳などはいずれも「排出」するための機能ですので。

 

話は飛びますが、臓器の働きを東洋古代の自然学である「五行説」に当てはめた学問が存在します。いわゆる陰陽五行における自然界を構成する物質、「木・火・土・金・水」に臓の機能を当てはめますと、「肝・心・脾・肺・腎」、また臓の表裏関係にあります腑に当てはめますと「胆・小腸・胃・大腸・膀胱」という順番になります。ここに当てはまらない機能をまとめて「心包・三焦」という架空の臓器に振り分ける説もありますが、最近では古代の原始的な解剖学だけでは発見できなかった膵臓ホルモンがこれに当たるのではないか、という説が有力です。

最初のアレルギーの話に戻りますが、体外への排出を司っているのは「肺」とされています。肺は水気と冷えを嫌う為、辛い物で発汗を促すというのは理に適っているかと思います。一方で肺の表裏関係にあります「大腸」も、肺のオーバーワークによって弱ってしまいやすいので腹巻などで冷えを防ぐ事も大事です。一方で排出だけではなく身体中の流れを促して「水毒」を停滞させないために、「腎」「膀胱」の働きも重要であると考えます。「水毒」を防ぐ為に冷たい飲み物を控えるのは大事ですが、冬場は何かと水分摂取を怠りがちです。常温以上で塩分控えめな飲み物を適度に取って水分の「循環」と尿による「排出」を促進するのも必要であると考えております。