日記

2023-11-03 23:09:00

背中が張る時

 寒い日が来たかと思うと日中は暑くなったりと、温度の変化が激しいです。温度の変化を身体の中枢にある受容器が感じ取ると、肺などの臓器が冷やされないように肩や腰の筋肉を硬直させようとしますので、特に重いものを持つような激しい仕事や長時間の集中仕事などをしていなくても背骨横の「脊柱起立筋」が引っ張られて硬直しやすくなります。運動などで使用された張り方と違い、硬いゴムのような強烈な張り方になることが多いので、呼吸が苦しくなったり、首や腰が痛くなったり、全身が重だるくなる原因となります。

 この場合は張る原因が姿勢の歪みではないので、背骨の位置調整をするような施術だけでは簡単には緩まない事が多いです。

 胸椎と頚椎の境目辺りの棘突起が出っ張っているかどうか、或いは腰椎の棘突起に出っ張っているところは無いか、をまずは確認し、これが極端に出ているようなら温度変化に対応して身体に自動で力を入れさせている最中です。

 下手に力を入れて解そうとはせず、出っ張っているところを中心に掌を置いて温めつつ、首側は首と肩の境目辺りにある「缺盆」という経穴、腰側は骨盤と背骨の境目にある「大腸愈」という経穴を軽く押さえてそのままじっと待ちます。

 根気よくそのまま待ち、「温度変化に警戒する必要無し」と身体が判断してくれれば嘘のようにあっさり解れます。

 脊柱起立筋は上下の引っ張りさえ解除されれば、後は手の平で筋肉を押さえながら軽く圧縮して離す、を数回繰り返すと自然に解れていきます。

 自力では難しいので、お一人であれば上の2点が解れた後にヨガの運動の内、背中に関するものなどを取り入れれば同じように緩められるかと思います。

2023-10-19 21:58:26

仕事中に息苦しさを感じるとき

 日中と夜中の温度変化が大きいです。気温の変化に対応するために各神経がずっと警戒中になっていますので、他の季節と同じように仕事していても筋肉が緊張しやすいです。

 特に腕を前に突き出したままの体勢が続く人は、腕の角度を維持するための筋肉がずっと張ったままになります。

 普段であればタオルなどをどこかに引っ掛けて両手で後ろへ引っ張る動作をすることで、前方に巻いた形で固まっている肩を元の位置に修正できるはずですが、筋肉の緊張が強すぎるとこれだけでは力みが抜けない事も多いです。

 

 腕を上下に上げ下げする動きを制御している三角筋と、腕の前横への動きを制御している大胸筋の境目辺りが異様に硬直している人が多いように見受けられます。この位置がここまで固まってしまうと胸部が開きづらく、呼吸がしづらく感じると思います。

 この硬くなっている部分の内側にはこの位置を固定するための小胸筋や、腕までつながる神経の束、動静脈など様々な重要な器官が走っていますので、痛みやしびれ、だるさの原因にもなります。

 重要な箇所ですので強く押す事は出来ませんが、軽く押さえて腕の動きだけで解すのが難しいほど強烈な硬さになっていることも多いです。

 無理に技を使って解そうとせず、硬直した筋肉の固まりを手で掴んで軽く前方へ引っ張り続けてみるのが良いかと思います。

 10秒引っ張って戻す、を3~4回繰り返すと、筋肉の束が緩んで圧迫が減り、血行が良くなって腕を動かしやすくなるかと思います。

 前方へ屈むお仕事が続いて胸部の圧迫感が強い、と感じるときなどに試してみて下さい。

2023-10-16 12:39:40

喉の乾燥に対処する経穴

 段々と空気が乾燥してくるこの時期、空気も冷えてきて部屋で暖房を使う事も多くなってきます。喉が乾燥でイガイガする、胸部の奥で気管が張り付いたような感覚がする、などの症状が出る方も多いかと思います。

 

 人体の60パーセント以上は水で出来ていると言われており、その水分が奪われていく「乾燥」は実は冷気や暑さ、湿気以上に生物にとっての脅威であると言っていいと思います。

 東洋医学が発展してきた時代の人たちからしてもそれは同じだったようで、乾燥に対処する経穴もいくつか書き記されています。その代表的なものは鎖骨の中間、喉元に位置する場所にある「天突」や、肘を曲げた時に親指側の筋肉の端に出来る窪みの辺りにある「尺沢」が有名かと思います。

 いづれも重要な神経や気管の上に設定されているので、強い刺激は避けたい部分です。個人での点圧はあまりお勧めしません。

 外出時に着るものをなるべく上記の経穴の辺りが隠れるようなものを選び、冷える事に注意する事、該当する箇所を軽く触れながら首や腕を軽く動かす体操を行う事、暖かいものを選んで飲むようにしてなるべく喉元の水分の固形化を防ぐ事、などの対処方法をお勧めいたします。

2023-10-03 23:36:20

サウナは健康にいいか?

 ここ二日ほど、ようやく涼しくなってきまして、休みの前の日などは私も身体の調子を整えに近くの温泉に行ったりします。

 今年は年始辺りからサウナが流行しました。サウナで温まってから水風呂に入る、を3セット繰り返すと自律神経が整う、という話をテレビで堂々と言っていたかと思います。

 ところが半年ぐらいしてから、急激な温度の上下で自律神経がマヒしてスッキリする気がするだけ、急激な負担は心臓に良くない、という風潮に言う事が変わってきているようです。本当にサウナは効き目が無いのでしょうか?スッキリするから今も言っている人がまだいるのだと思います。私自身も温泉とサウナ、或いは岩盤浴でスッキリしたから何度も行っています。

 身体に悪いのは身体を熱した後に急激に冷ます水風呂との併用なのであって、身体が苦しいと感じない温め方であれば寧ろ血行に良いと思います。

 全ての不調や痛みに対応するとは言いませんが、そもそも不調や痛みの信号を発しているのは脳です。極論すれば脳にさえその信号を発さなくても大丈夫だと思わせられれば当面はそれを感じなくなるという事ですので、体が温まる事そのものがその作用をしているのだと思います。その間に良く休んで不調を発する原因を緩和すれば良いのだと考えます。

 例えば似たような話として、湿布は実際には冷やしていないし特別な薬が塗られていないから効かないのだ、とする人もいますがひんやりした感触がある事で、脳に対して痛みに効いている気がすると思わせられれば十分な効果だと思います。筋膜はがしローラーだってそうです。本当に筋膜を剥がしているかどうかはわかりませんし、それが健康に繋がるのかもわかりませんが、痛みを無理してでも使用する、というのでない限りはある程度は皮膚下の老廃物の流れを促進できるでしょうし、血行も良くなりそうですので、効いていると思える人にとっては本当に効いているのだと思います。

 世にある健康法などは実はほとんどがそういうものなのではないか?と考えます。

 

2023-10-02 17:58:14

施術中にお腹が鳴る現象について

 普段整体の施術をしていますと、かなりの高確率で途中でお腹が鳴ります。

 聞けば鍼灸師さんも柔整さんも同様の経験をしているそうです。

 

 施術中のどんな時にお腹が鳴るか、を見ると股関節の可動域を回復するとき、膝の血行を良くするとき、こめかみの緊張を取るとき、肘や肩の緊張をとるときなどが特に多いように見受けられます。

 

 お腹が鳴るという事は胃や腸の水分が動き出したという事であり、それが急に始まったという事は今まで動きにくかった事情が解消されたという事です。

 

 前傾姿勢が原因でお腹を九の字に曲げている時間が長ければ、胃腸は常に圧迫されて水分が動きづらくなります。股関節が動くようになるとお腹が鳴るのは、この普段の姿勢から来る圧迫が緩和されるからです。

 

 膝や肘、肩の緊張を解いた時にお腹が鳴るのは、膝など各関節周辺の血行が良くなると同時にお腹も含めた内臓全体の水分の動きも活発化するからです。逆に言えば冷えや疲労の溜まり過ぎで、膝や肘、肩などの各関節で水分の流れが滞っていたという事でもあり、上で書いた姿勢が原因の滞りよりも倦怠感や重さなどの不調の感じ方が強かったかと思います。

 

 こめかみを解したらお腹が鳴るのは自律神経の緊張が緩和したからです。季節による気温や気圧の変化、仕事の忙しさや人間関係から来る緊張、いい意味での仕事や作業に必要な集中力、など身体全体の調整機能の総称である自律神経は様々な機能と関連していて、常に何らかの働きをしていますのですぐに疲れます。その神経を統合する経絡が集まる場所がこめかみです。胃腸の働きを自動で動かしているのも自律神経が関わっているので、こめかみの緊張が緩和した時にお腹が鳴ることが多いのだと解釈しています。

 

 お腹が鳴る事によるデメリットはまずないと思いますが、何故今鳴ったのか?を考えながら施術していくと、例えば他の部位の施術で中々効果が出ないときなどにヒントになる事もあります。単にお昼時でお腹が空いているだけ、という事もありますが何気ない施術中の会話と組み合わせる事でこのあたりを見分けることもできると考えます。

 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ...