日記
本に載っていない経穴
整体院として毎日施術していて、時々習ったこともない、教科書にも載っていない部位が施術効果を生みだしているように見える事があります。
例えば膝の内側のやや内腿に入った上部に「血海」という経穴が設定されていますが、肘の内側のやや上部に同じような効能がある経穴が存在しているように感じます。布の上から擦るとどちらも手や足の先端まで冷えが解消されて体温が高まりますので、冷え性を訴える方に良く用います。
或いは、鼻のふくらみの横、ほうれい線の内側辺りに軽く押さえていると一時的に花粉症などの鼻炎がおさまる経穴らしきものがあるように感じます。「迎香」という経穴に近い部分ですが、効果があると感じるのはもっと内側です。
また、顎の横にある「頬車」と、親指の内側、「魚際」よりもっと手の平側に入った橈骨神経浅枝のあたりを軽く指をあてる程度の力で抑えていると、顎関節症などに繋がる顎の力みと親指の力みが同時に緩むと感じます。
推論ですが、経穴とその治療効果として発見されているメカニズムとは違い、現代の人が多くとる姿勢だとその部分に負担が重なる為、結果として経穴のような役割がたまたま生みだされているのだろうと考えております。
経絡、経穴はあくまで基本概念として学習し、そこにとらわれずに指先で筋肉が緩む治療効果を感じ取りながら最適な施術を考えて応用していくのが大事だと考えます。
経絡と流中
経絡という言葉は東洋医学の中心的なもので、鍼灸や整体問わず広く使われているものです。
言葉の意味は(身体の中の)縦と横のつながり、という程度の意味です。
最初にこの言葉を習う時に「流中」という経絡の流れを表す言葉と一緒に覚えますが、それは経絡の流れは一方向に定められていて逆流はしないというような意味合いで使われます。
この概念が成立したのが紀元前、前漢と呼ばれる時代であり、東洋医学が最初期に発達した背景には国同士の戦争が多く、兵士の治療をする機会が多かったことや、戦死者を解剖する機会も多かったことが研究を発達させるのに有利だったから、という考察が最近多く言われるようになりました。
ただし、あくまで紀元前の話です。現代のように血圧や心電図を診る機械などは当然ありませんので、観察は目で見た情報から推察していくしかありません。経絡の流れが逆流しない、というのはあくまで目で確認できる範囲だけの話であり、実際にはもっと広い範囲で様々な流れがある事を認識する必要があると感じます。
経絡の中を流れる中身は「気・血・津液」とされています。血液は血管の中を一定方向に流れますので、この経絡の原初のイメージ通りですが、身体に栄養を運ぶ水分や冷却のための汗、胃液などの消化に使う水分など「津液」は必要に応じて必要な箇所に運ばれるイメージです。更には手足などの身体の各部位を動かすエネルギーである「気」の流れも、例えばものに触れて帰ってくる感覚情報を運ぶ「気」もあり、逆流どころか必要な時に必要な方向に流れていくイメージです。
気も津液も目視で観察するのが難しい時代に生まれた概念ですので、現代人が「経絡」という言葉を捉えるときにはあまり原点の意味にとらわれず、大まかに把握する事が大事であると考えます。
花粉症対策用の経穴
今年は花粉の飛散量がとても多く、去年あまり症状がでなかったので油断していた自分もかなり激しい症状に悩まされています。
今年花粉症デビューの人も多そうです。
マスクを外してもいいとは言われていても当面は外せそうにないです。
花粉症を経穴の刺激で抑えられないか?とのお問い合わせを良く耳にします。
花粉が舞っている外にいる間は焼け石に水で難しいですが、室内に入って顔を良く洗い、花粉を落とした後であれば対症療法ですが多少は指圧で緩和することが出来ます。
眼のかゆみ⇒鼻骨の横を辿るように眼窩の内側上端辺りを軽く押さえる。膀胱経の「睛明」という経穴があり、花粉症などの症状があると押さえたときにコリっとした感触があるので、軽く触れる程度の力でしばらく触れているとそのうち張りがおさまります。
鼻水⇒鼻孔の外側、ほうれい線との境目辺りを軽く押さえる。大腸経の「迎香」という経穴があり、ここも症状があると硬いしこりのようなものがあるので、軽く触れていると張りがおさまります。
顔の筋肉疲労⇒目のかゆみやくしゃみが続き、顔の筋肉そのものが疲労して硬直しやすくなります。耳の横、胸鎖乳突筋との境目の凹み部分に三焦経の「翳風」という経穴があります。ここも軽く押さえ続けることで顔面の緊張が和らいできます。
あくまで次に花粉に触れるまでの一時しのぎでしかありませんが、「人に会うので今だけは症状を抑えたい」という時などに試してみて下さい。
足の裏や脹脛がつりやすい時
「足部推拿療法」という足の施術方法が推拿という流派には存在しています。
アメリカのウィリアム・フィッツジェラルド(1872ー1942)が提唱した「ゾーンセラピー」から発展したリフレクソロジーと非常に似ていますが、こちらにおける「フットチャート」と足部推拿療法における経穴とはあまり一致性がなく、発生した期限は全く別のものです。
特殊な例ですが、台湾の足つぼマッサージはスイス人のジョセフ・オイグスター(1940~)(※台湾名は呉若石、若石神父と呼ばれる宣教師)がこのリフレクソロジーを広めたものである為、本来関係はないのにも関わらず、最初の温める準備に漢方薬が用いられたり、推拿療法の経穴が応用されていたりと、台湾独自に双方を融合させて発展しているのが面白いところだと感じます。
当院としてはこの推拿療法を元にして大正時代に発展した「姿勢矯正健康法」に基づいて足関係の施術を行っております。
先ず、足底部や脹脛が緊張する原因として、日常生活における長時間連続する姿勢が考えられる、という視点は他の部位と同じです。現代でいえばパソコンなどの事務仕事、大正の昔でいえば針仕事、机仕事、ミシン仕事など、長時間の座り姿勢が筋肉が歪む原因の一つとなるのは共通しています。
座りながら、特に疲れてくると膝の裏やお腹、首の前側を曲げたくなってきます。寒い時期ならなおさらです。膝を曲げますと、上体の重さを足で支えられなくなりますので、腰の一点に重さがかかり続け、これが反り腰の原因にもなります。また、足を後ろに曲げるとき、足先はつま先で立てている事が多い為、足先、足首、脛の連続した筋肉が常に張り続けます。同時に、猫背になっているために首の後ろから脊椎の中心にかけてが前傾する頭の重さを支えるために緊張します。また、前方に圧迫され続けるために鳩尾周辺やお腹、骨盤の前側が張っていきます。
このような仕組みで、足裏や脹脛の緊張と、腰や首、胃腸の不調は姿勢を原因として同時に起こります。
この寒い時期に足がつりやすい人は、先ず部屋を暖めるのと同時に「座り姿勢」を見直してみて下さい。また、足首を柔らかく保つことで脹脛、膝、腰への負荷を減らすことが出来ますので、仕事の合間や、終わった後に良く足首を振るなどして動かしてください。
寒暖差が大きいです
これから先3月も4月もそうですが、急激に冷えたり、逆に暖かくなったりと寒暖差が大きくなっていきます。
よく言う「自律神経」が気候に対応するために働きっぱなしになり、頭痛や倦怠感を伴う様々な症状を引き起こすのが、ここ10数年で注目されるようになった「気象病」です。
「自律神経」という言葉はよく耳にしますが、それがどういうものか、という説明は少ない気がします。
精神や身体の活動を活性化させ、意欲的な行動をさせる働きの「交感神経」、その逆でリラックスさせて休息しやすい状態を作るのが「副交感神経」、これらはいづれも「自律神経」の一つです。
身体の状態を自動で管理する神経全般を指してまとめた言い方が「自律神経」です。
温度変化に対応する事で自律神経が疲れるのであれば、良好な対策としてはそれ以外の働きを整えて温度変化分に対応する余力を確保する事だと考えます。
睡眠時間の配分に関わるので毎日の睡眠時間と起床時間を出来るだけ統一する事。胃腸の運化に関わるので食事の時間を出来るだけ毎日ずらさない事。皮膚の体温調節に関わるので、寒い部屋などで無理に暖房を我慢しない事。などなど、普段一般的によく言われる健康的な過ごし方、をこの時期は普段以上に心がけて下さい。
良く自律神経に良い食事はビタミンB1を含むものだといわれています。豚肉やうなぎに多く含まれますが、この時期の食事はバランスよく、を心がけて胃腸の負担になりにくいものを選んでいく事が神経を休めるのに良いかと思います。
これから、更に気候の変化が大きい時期になりますので、健康に気を付けてお過ごしください。
