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2020 / 10 / 31 08:00
雲肌麻紙
刺青の作品を描く時は高知麻紙を使っている。
大きい作品を描くためなので岩絵の具を厚塗りするためあの麻紙の粗さは気にならない。
が、小品を描くには粗くて凸凹を取るためにヤスリがけや下地剤塗りと、手間がかかる。
それらを省くために何年かぶりの雲肌麻紙を手に入れる。
値段が張るがしっとりとした質感が作業していて心地よい。
水張りをしても端が綺麗に出て、張るだけでもう高級感がある。
学生の頃に先生が言っていた「何も描かなければ高くで売れる」という皮肉も納得の話である。
ほんのり黄味がかった色味をそのまま活かした絵が世の中にも多く存在するがそういう仕上げもわかる。
ただ、画商さんがこういうスキッとした仕上げは「安物くさい」とか言って気に入らなさそう。
本当はこういう素材が出ている方がごまかしが効かなくて大変なのだが。