日記
推拿施術時の目標
私が施術のベースにしている技術は、東洋医学の一つである「推拿(すいな)」という流派の技です。
ここに独自で日本国内の「姿勢矯正療法」を学んで融合して自分の技としておりますが、根本的な考え方は推拿に則っています。
この推拿の勉強を始める段階で最初の方で習う治病通則の一つですが、今でも指標にしている言葉があります。
※急性愁訴であれば証に重点を置く
※慢性愁訴であれば原因に対処する
この二点です。急な腰痛などが起きた場合はとにかく症状(東洋医学では証という字を用います)のある箇所を中心に施術を行い、証が慢性的なものであれば、その証が発生した原因を突き止めて施術する、というような意味です。
一整体師である以上、来店された方の全身を見て気になる部分はつい全体を施術したくなるものですが、それは痛みが慢性化してからゆっくりやる事にして、とにかく急な症状があるのであればそちらを優先しましょう、という考えてみればごく当たり前の内容ですが、日々施術に明け暮れているとつい忘れがちになる言葉でもあります。
時々原点に立ち返るのも大切な事だと最近よく考えます。
昭和初期と現代の仕事の共通点
先日も書きました、ただいま勉強中の昭和初期の本に関してですが、面白い項目を見つけました。
ミシンをやる女性の姿勢に関して、左の腿の外側が張っている人が多い、という記事です。
更には、東京の人に限っては男性でもそのような姿勢の人が見られるとの事で、長時間腰掛ける姿勢を続けることと人体力学的なつながりがあるのではないかと想像される、とあります。
何が面白いかというと、現代でも事務仕事の人に同じ張り方の人が多いと感じるからです。確かにパソコン仕事とミシン仕事、姿勢の特徴は似ている気がします。
片腕(主に右)を前に突き出し、ミシン仕事であれば布、パソコン仕事であればマウスを操ります。その間反対の腕は布を押さえるのに使ったり、手をキーボードに乗せたまま肘を机に当てて身体を支えていたりします。
なぜ左足にこの特徴が表れやすいかというと、利き腕が作業している間、身体の体制を支えるのに左足を引いて腰と足でこらえるのが作業しやすく感じるからです。ただし、姿勢にとって良いかというと片側に体重がかかり続けるので、長時間やると身体が歪む原因の一つになります。
姿勢の歪み方の特徴が似ているので、当然ながら施術の内容も似ています。
まったく別の方向から得た施術の知識が偶然に通っているのを発見できたことが面白く感じます。
頚椎を反る施術に関して
先日、テレビで美容院での洗髪の際に首を痛める事例が多いと放送されていました。
対策として、首が当たる部分にタオルを当てれば良いとの話でした。
整体院でも、身体全体の前傾姿勢を改善するための要として、首を反らせる施術をすることは多いかと思います。
当院で行う場合、気を付けていることは「事前にカウンセリングで確認する事」「必ず両手を添えて、支えながら」「当人の頭の重さを利用して施術する事」の3点です。
事故歴やヘルニア歴のないことを事前に確認するのは、トラブルを避けるために先ず肝心なところです。
仰向け時に、肘を固定しながら、両手で重さを支えて細心の動きで解していくのも、急激な動きで筋肉に緊張を走らせない為に重要です。
施術は当人の頭の重さをうまく利用しながら行い、決して自分の腕力を用いようとしない事、というのも大事なことです。
首やお腹などの急所が近い部分は、身体の警戒もそれだけ強く、強く押すような技は一切効果がありません。
ご本人の身体の重さを利用する事が最も安全な施術になると考えております。
昭和初期の整体本を読んで
日々空いた時間に整体の勉強をしておりますが、最近読んだ本の中に、
「座って後ろから見たときに右腰骨が横に出ている場合は便秘、左腰骨が横に出ている場合は下痢になりやすい」という記述がありました。
これは昭和初期に書かれた本ですので、まだまだ内臓の機能など研究中の段階の事が多く、わかっていない事の方が多かった時代だと思います。
今でこそ、解剖学が発達しましたので、後ろからみて右に腰が突き出ている→左の骨盤前側が大腸の中の下降結腸部分を圧迫するから便秘になる、と説明立てて言えますが、経験の積み重ねと感覚によって同じ結論を出し、上記のような言葉が出てくるところが凄いことだと感じます。
当院もそうですが、現在でも東洋医学が民間治療として使われることの大元の理由がこのようなところにあるのだと思います。
姿勢と腸腰筋
パソコンなどの事務仕事をはじめとして、現代生活においては何かと身体が前傾になる姿勢が多いです。
理論上は座り方をまっすぐにして、足を地面にしっかりついている状態であれば、猫背や反り腰、腰痛を防げる筈です。
ところがそれが長時間化したり、或いは業務上のストレスが強すぎたりすると、膝の裏、お腹、首などの急所部分を(生物としての本能からという説がありますが)曲げたくなってくるようです。
業務中は中々空いた時間に身体を動かすにも限界があるかと思います。
自宅に帰ってから、前傾姿勢で丸まった身体をまっすぐに伸ばすために自分で出来ることは「腸腰筋」の解除です。
骨盤前側の上端部分、「上前腸骨棘」から親指一節分内側に入ったあたりに硬くなっている筋肉があるかと思いますが、それが腸腰筋です。
寝転がりながら、腸腰筋に軽く触れ、片足ずつ膝を何度かお腹側へ上げ下げしてください。10数回ほど繰り返していると、腸腰筋が柔らかくなると同時に足の上がる角度が増えます。
これを左右とも行うことで、まずは骨盤の前側の前傾姿勢をまっすぐにすることが出来ます。
この後、鳩尾の下側にある筋肉の硬直部分に軽く触れ、先程と同じように足を上下に動かしていきますと、やはり10数回で鳩尾周辺も柔らかくなっていきます。これにより、猫背で九の字に前傾していた肋骨自体もまっすぐ立てることが出来るようになります。
上記の動作の後に立ち上がって姿見などで確認していただくと、背中から腰までが真っすぐに立てられるようになっていることが確認できるかと思います。
一日の疲れが強すぎて猫背が伸ばせない方は是非やってみて下さい。
