日記

2022-09-03 21:30:16

三焦と心包

 東洋医学を勉強していると避けられないのが三焦と心包という言葉です。

いわゆる五臓六腑という言葉の中に、三焦は腑として入りますが心包は入っていません。

 

 古代から現代にいたるまで、これは研究が続けられている分野の話で、いまだに明確にこうである、という答えは出ていませんので、あくまでも私が共感できる説を挙げたいと思います。

 

 三焦も心包も明確な臓器の存在しない臓器と呼ばれています。機能だけは確認できるものの、対応する臓器が無いと考えられていました。五行説においては小腸、心臓と同じ火に属するとされます。

 

 心包は心臓を包む膜が臓器のような機能を持っていると考えられてきました。古来、血液は神(精神)を運ぶ物質と考えられており、心臓は神の宿る臓器とされていました。そのため、血液を全身に送って受け止める機能と、精神そのものの行き来を管理する機能の二つに分けたものがこの心臓と心包の違いではないか?というのが私が共感する説です。

 また、精神(こころ)を配分して全身を調整するイメージから、現代でいうホルモンバランスの機能を言い当てたものではないか?という説もあるようです。

 

 三焦は腑に分類されていますが、上焦、中焦、下焦に分かれて全身を調節する機能と一応の説明がされていますが、ひとつの単語なのに三つに分かれて機能が説明されていることに疑問を抱く説があり、私もこれに共感します。

 もともと三焦という言葉そのものが焦という字を三つ合わせた一つの漢字なのではないか?という説です。

 中国では現代でも両替屋の看板に金を三つ合わせた漢字を用いる習慣がありますが、焦三つでできた漢字を簡易に書き記したものが三焦ではないかとの事です。

 ではれっきとした一つの臓器として考えられるものですが、該当する臓器はどれに当たるのか、といいますと「膵臓」ではないか?というのがこの説の結論です。

五臓六腑の五臓の中に膵臓が入っていないのは何故か?という答えが、腑としてすでに三焦という言葉で加わっていたとすると面白い説だと感じます。

2022-09-03 20:43:35

経絡の陰陽

東洋医学では、身体に表と裏があり、人類が四足動物であった時点で太陽が当たっていた部分を陽、影になっていた部分を陰と呼ぶ習慣があります。

人体においては背中側が陽、お腹側が陰になります。

陽は天から地に気が流れ、陰は地から天に気が昇るとされます。

病邪はまず背中から入り、悪化するとお腹側に上ってくると考えられていました。

 

何度かここで書いています経穴も、その陰陽に分かれて設定されています。

(陰)太陰、厥陰、少陰

(陽)陽明、少陽、太陽

それぞれ3つずつ、手足の表裏に存在し、合計12種類にわけられるのがいわゆる12経脈です。

これに督脈、任脈の二つを加えた14経脈までが、整体業で主によく使う経穴の種類になります。

 

知っているからといっても直ちに治療に生かせる知識ではないですが、例えば施術していてどの部分が特に硬直して血流が悪くなっている、と把握した時に、そこが陰陽のどちらであるか、どの経脈であるかが分かれば大まかにその人の現在の状態を推測する事が出来ると考えております。

 

古代に成立した知識である為、こうに違いないと頼り切る事はできませんが、大体の把握が最初に出来るというのは施術の際にかなり役立つと感じます。

2022-09-02 22:20:00

手の疲労

 普段整体の仕事をしていて、肩や首の不調を訴える方は多いのに比べ、腕や手の疲労を訴える方が少ないように感じます。

 また、いたとしても親指の付け根の痛みなど、かなり硬直して手首の動きにまで影響を与えるほどに疲労が蓄積してからの訴えが多いようです。

 

 首や心臓などの急所から離れているために、それだけ危機感覚が弱いのかもしれません。

 ただし、腕は尺骨と橈骨という二本の骨が割りばしのように並んでいる構造になっていますが、パソコン仕事や工作仕事など現代におけるほとんどのお仕事ではこれを内側にねじって使用しています。

 お仕事が長時間化した場合、このねじられた二本の骨の間には相当な量の疲労物質が蓄積していきますが、上記のような痛みが気になる頃には、それがかなり固まっている状態という事です。

 

 整体の技でこの蓄積した疲労物質を取り除く場合、手の平側の肘の内側から手の先までに設定してある「厥陰心包経」の経穴と、その逆側、肘から手の甲を通る「少陽三焦経」の経穴を用いる事が多いです。

 但し、肘と手首にある経穴は重要な脈や神経が通る急所であり、強い刺激が危険な部位でもありますので、ここでは主に尺骨橈骨の隙間部分のみを使用します。(それでも軽い力でおさえる事)

 

 肘のすぐ下あたりを、腕の表と裏両方から、尺骨と橈骨の間に置くように反対の手で軽く押さえ、手首を2~3回回転させます。

 そこから順番に、手首寸前までを1センチ間隔ぐらいで移動させながら、その都度手首の回転を加えます。

 手首まで到達してまだ疲労感が残るようでしたら、もう一度肘側に戻ります。

 このように、腕の骨の間を軽く押さえながら手首を回転していく事で、強い指圧を加える事なく、ご自身でも腕の痛みを和らげることが出来ます。

 

 腕に流れ道が出来れば、手に蓄積した疲労物質も自然に抜けていきます。

2022-08-31 12:21:20

陽明胃経の経穴

 前にこちらで書いたのが太陽膀胱経の経穴が重要、というお話でしたが、もう一つ日常の施術でよく使うのが「陽明胃経の経穴」です。

 姿勢矯正をしようとすると、前傾姿勢から来る鳩尾周辺の硬さを解さなければ脊柱をまっすぐ立てるのにうまくいきません。

お腹側にあるこれらの経穴は急所でもある為、通常強い指圧は出来ない箇所です。

 その為鍼治療では重要視されますが、整体では手を出せないと判断されることが多いと思います。

 先に足とお腹の筋肉の連動性を確保したうえで、お腹に手を乗せたまま足の動きで解す、という手段であれば整体の手技療法でも鳩尾周辺を解すことが出来る、というのが長年整体をやっていて見つけ出した手法です。

 また、陽明胃経の経穴は、他に足の脛というこれも姿勢矯正にとって重要な箇所を通ります。

 脛から足の甲までの硬直が取れていなければ、足先で前傾姿勢を押し返して真っすぐ身体を立てることが出来ないからです。

 脛や足の甲は、事務仕事で足を引いた座り方をしていたり、力仕事などで踏み込み続けたり、或いは美容師さんなどは片足で踏み込んだまま身体をひねって姿勢を変えたり、という動作が多いので、通常の指圧を受け付けないほど硬い人が多いです。

 正面から押せない場合は無理に押そうとせず、筋肉の横から指を転がすように解すのが有効なことが多いです。また、足首も稼働箇所なので強い指圧に弱く、少しずつ稼働させながら硬直を解除していくのが安全かと思います。

 「胃経」という概念は通常の整体業でそこまで深く理解する必要は無いかもしれませんが、その経穴を指定している箇所は「姿勢矯正」というメニューを掲げている整体院にとってはかなり重要な意味があると考えています。

2022-08-28 21:41:20

いつも最初に施術を始める箇所

 東洋医学系の勉強を始めると、初期に習う知識の内、経穴に関するものは最初に暗記します。

 長く現場で働いているうちに、その中でもよく使うもののみ頭に残るようになり、使う頻度の少ないものに関しては必要な都度教科書に戻る必要があります。

 

 この中でも汎用性が一番高く、真っ先によく使うのが「太陽膀胱経」の縦の並びの経穴です。

 背骨の真ん中の棘突起から外側の一寸五分の列にずらっと並んでおり、肺や心、肝や腎などの主要な臓の治療に用いられる重要な経穴が多いですが、実際に施術しているとこのラインに沿って筋肉が硬直している方が多いと感じます。

 

 ほぐし方は円柔法や擦法など施術者によって様々ですが、まず真っ先にこのラインの緊張がほぐれていることで、姿勢矯正や全身ほぐしなどの、主要目的である他の施術に繋げやすくなりますので、大変重要な施術ポイントであると思います。