ごあいさつ

インフォメーション

2018-12-14 16:40:00

本年も多くの方々に私共のクリニックを使っていただき、心より感謝しております。

本日は先日手術をしたワンちゃんについてお話させていただきます。この子はブリーダーの崩壊でボランティアの団体がレスキューし、その後、私の知り合いの方に引き取られて家族の一員となりました。同じルートで家族になっていた子がすでに2頭、この家にはおります。素晴らしい家族です。3頭もの犬を救っていただき心より感謝いたします。

さて、この3頭目のワンちゃんが、今回の主役です。まさにぼろぼろの心と体で保護というより避難してきました。よくぞこの家族のもとに辿り着いたと、神に感謝したい気持ちでした。息さえしていればきっといつかは幸せに暮らせる日々は来るだろう。

何回帝王切開をして子供を作ってきたのだろう。腹部の傷口はガタガタ、これ以上痩せることはできないほど骨と皮状態、乳腺周囲には腫瘍があり、もはや感情の一つも表現する気力もなくなった目は乾燥しきって、涙すら出ない状況。きっとケージから出してもらえていなかったせいか、手足は湾曲し、まともな歩行すら困難。もはや食欲というより、食べる意欲も失っていた。何のために、この子は生まれてきたのだろう。

すぐに血管に管を入れ、点滴を開始し、並行して超音波エコー、血液検査などをした。

子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、貧血、脱水等々。

この子には時間がない。本来なら少しでも体の状態をアップしてから手術に入りたいところだが・・・ ・・・。

絶対に助けて幸せな余生を送らせなければならない。ここで息を止めてしまうようなことになったら。決断の時。待っているだけでは、爆弾は処理しなければ進むことはできない。

手術しましょう。すぐにでも。                                            渾身の力を込めた続編、お待ちください。ノンフィクションです。