日記
歯科用のレントゲン
最近当院は歯科のレベルアップをはかっていて、歯石除去などに使う歯科手術用の道具を増やしています。今日は動物用の歯科レントゲンについてをお伝え。
歯科レントゲンがなくても確かにある程度の治療は行えますが、麻酔をかけても見えない部分や処置時に取り残しがないかなどを正確に把握するにはやはりレントゲンはあった方が良いです。
これは猫の臼歯のレントゲン写真ですが、〇の部分で歯の根っこが破壊されているのがよく分かります。また、左の歯は歯の分岐部が出るほどあごの骨が下がってしまっているのが分かります。
麻酔をかけてレントゲン写真を確認することで、抜歯の適応/不適応や、抜歯時のリスクなども把握できるようになります。逆に言えばレントゲンを撮らないと分からないことがあります。動物の体調が最優先なので麻酔を短時間で終わらせるため、あえてレントゲンを撮らないという選択肢を選ぶこともありますが…。歯科専門医の話では動物用の歯科レントゲンを持っている病院は10%しか無いらしいです。本当?
関係ない話ですが、去年は2輪しか咲かなかった枝垂桜が今年は10輪以上咲きそうです(*^▽^*)
似顔絵。
近ごろ話題になっているダニの感染症について②
引き続き、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)についてです。
前回までは感染予防のために気を付けることを書きましたが、まとめてしまえば
①マダニに刺されないように注意する
②外に行く/外に居る動物と接触しない方が良い
という話でした。今回はもし感染してしまった可能性があるときにどうするか?です。人の場合と動物の場合がありますが、人の方は人のお医者様にお任せして、動物についてを書いていこうと思います。
動物(犬と猫)の場合
①潜伏期間は数日~14日
感染しても必ず症状が出るわけではありませんが、症状が出るとしたら感染後14日以内に出ます。
②症状は発熱、元気と食欲の急な減少、黄疸(猫)
潜伏期間が過ぎて症状が出ると、発熱や食欲不振などの症状が見られます。
③高めの致死率
猫では60%以上、犬でも40%程度が発症から7日以内(平均3日)に死亡します。
症状が出てから7日間を耐えられればその後の死亡率はかなり低下します。
(ただし犬は症例の数がまだ多くないため、今後情報が変わる可能性があります)
④効果的な治療法は見つかっていない
現時点では効果的な治療法は分かっておらず、対症療法が中心となっています。
ということで、現時点では症状が出てしまうと致死率が高い上に死亡までの日数も短く、効果的な治療法も無いということで、とにかく感染しないことが大事です。
お散歩で草むらなどに行くワンちゃんや、家から外に遊びに行くようなネコちゃんの場合はダニ用駆虫・予防薬を行っていただいた方がSFTSの感染率を下げられます。(市販の薬などでは効果が弱いこともあるので、どの薬を使った方が良いかについてはかかりつけの先生とご相談ください。)
ただ、数は少ないながらもダニ用駆虫・予防薬を投与していた子でもSFTSに感染した症例も有るようなので、予防したからと言って絶対大丈夫とは言えないかもしれませんが、何もしていない地域と比べて積極的に予防を勧められた地域の方がSFTS発生率が低いという話もあります。100%大丈夫ではないとしてもダニ予防などのやれることはやっておいた方が良いのも間違いないので、SFTSを考えた場合ダニ予防薬の投与をお勧めします。
静岡県の獣医師会がこちらで飼い主様向けSFTS用情報冊子を公開してくれています。
ご興味のある方はどうぞご覧ください。
近ごろ話題になっているダニの感染症について 1.5
前回の最後で『噛まれて感染してしまったらどんな症状が出るのか、どうすればいいのかは次回お伝えします。』と書きましたが、早めにお伝えしたい新しい情報が出たので、予定の内容は延期して今回は新しい情報をお伝えします。
新しい情報その1 神奈川県内で初のSFTS感染を確認
今まで神奈川県内での感染は確認されていませんでしたが、今回初めて人のSFTS感染が確認されました。
もともと静岡や茨城で人や動物の感染が確認されていたので時間の問題だったとは言えますが、県内でのSFTS感染が確認された以上、より気を付ける必要性が高まっています。自身が外で作業する場合もそうですし、外に行く動物と接触する機会がある方はその動物がダニ予防をしているかどうか注意し、予防していないのなら予防していただいた方が良いと思います。また外に居る動物に近付くことも感染リスクが上昇することは気にしていただいた方が良いでしょう。
新しい情報その2 野生動物の感染率について
野生動物のSFTS感染率は30%を超えるといわれていますが、県内のアライグマではさらに高い感染率が認められると言われています。(研究されている方から伺った未発表データもあるのであまり細かくは書けませんが。) 鎌倉の辺りでは以前からアライグマがいますし、最近は横浜や座間でもアライグマのことがニュースになっています。患者様のお話だと、東京都自由が丘でも夜になると見かけることがあるとか。静かにしていれば可愛いラスカルですが、実際の性格は大人しくはなく、SFTS感染リスクのこともあるので、見かけても近付かないようにしていただいた方が無難です。
というわけで、①外に行く動物がいる場合はダニ予防をする ②外に居る動物には近付かない方が無難 という話でした。そして自分が屋外作業する場合は、近くに動物が居なくてもダニが居る可能性はあるので、ダニに食われないよう注意をしてください。
近ごろ話題になっているダニの感染症について①
今回は、最近ちょこちょこテレビでニュースになっている【ダニ由来の感染症で人が死亡】という病気についてです。まだまだ分かっていないことも多いのですが、わかっている範囲でかいつまんでお伝えしていきます。
この感染症は『SFTS』(重症熱性血小板減少症候群)と言いますが、なかなか覚えにくい名前ですよね。今なら「あの、ダニの病気」と言ってもらえれば十分伝わる気がします。笑。
ダニからくる病気なので、人も動物もダニに噛まれると感染する可能性があるのですが、すべてのダニが病原体のSFTSウイルスを持っているわけではないので噛まれたからと言って必ず感染するわけではありません。
ダニのSFTSウイルス保有率は数%程度(※)と言われているので、どちらかと言えばむしろ感染しにくいです。とはいえ、最初の一回でその数%を引き当てないとは言えないわけで、やはり噛まれないようにするのが最善です。
ダニに噛まれないためには人も動物も草むらなどダニが居そうな所には行かないのが一番ですが、お散歩などで草むらなどに入るのが好きなワンちゃんもいますので、完全に草むらに行かないのが難しい場合、行った後に体にダニが付いていないか確認することが大事です。
ダニは、蚊みたいに体についたらすぐ噛むというわけではないので、草むらから出た後に確認しても間に合うのです。
動物の場合はダニの予防薬をあらかじめ投与しておき、その上で外から帰ってきたら全身をブラッシングしていただいた方がダニに噛まれる確率を下げられます(予防薬に関してはかかりつけの動物病院の先生にご相談ください)
人の場合はダニ対策として屋外活動後はお風呂で全身を確認することが推奨(※)されています。それに加えダニからの感染だけでなく『SFTSウイルスをすでに持っている動物』の体液から感染する事例も報告(※)されています。例えば外に行くネコちゃんがいて、そのネコちゃんがSFTSウイルスを持っていたりすると、その子との接触や咬傷などから感染する可能性があるということなので、外に居る動物や屋外に行く動物との接触にも注意が必要です。また人から人への感染も一応あるそうですが、そのような状況になることはあまりないようです。
まずは人も動物もダニに噛まれないような対策が大事ですが、噛まれて感染してしまったらどんな症状が出るのか、どうすればいいのかは次回お伝えします。
(※の部分は厚生労働省のホームページに記載されている文章をもとにお伝えしています)











