ごあいさつ

インフォメーション

2018-06-24 11:33:00

先週忙しかったのでタイムラグが生じております。昨夜ではなく、水曜日の夜のセミナーです。

一般セミナーで会費制の講演です。夜8時から10時まで神楽坂という他に誘惑の多そうなロケーションで行われるのが微妙です。本日は日本小動物がんセンターの腫瘍の専門医が講師ということで、170人と猫1匹が参加しました。ここで皆様に知っていただきたいことは、獣医師、特に小動物開業獣医師は、私しか知らない皆様はあまり感じてはいないと思いますが、かなりの確率で変人が多いというより、ほとんど私が知っている限りの獣医師たちは、変わっています。実際にセミナーに猫をしかもキャリアーに入れてない、首輪にリードだけで膝に置いておくなどという発想はあり得ないことだと思うのですが、講師が本日170人と猫1匹と言っても、とりたててざわつきもせずに進んでいった現実が恐ろしくも感じました。ちなみに私の席の真ん前に居たので、気になって仕方ありませんでした。

ところで、がんの治療で、獣医師であれば誰でもその気になればできる治療が化学療法です。外科手術とか放射線療法などはある程度の経験と大がかりな機械が必要となるので、誰もがすぐできるというわけにはいきません。しかし、私の経験上、この化学療法、つまり抗癌剤治療は、実は非常に高いスキルと能力が必要です。獣医師の経験と能力が結果に大きく反映するからです。したがって、それを手掛けるものは、できるだけ謙虚に、己を評価し、かつ継続的な学習と基本的な生理や薬理などを繰り返し勉強する必要があります。実際に誰にでもできるわけではないはずです。

ホームページなどで普通の1次病院で腫瘍専門などと書いてあるところがありますが、その自信は凄いなと思います。まるでサッカーのH田選手みたいですね。今回の講師のおられる病院は、腫瘍しか診ませんので、特に宣伝などしなくとも、1次病院の紹介で自然と患者様は集まります。私が思うに、本当にできる先生は自ら得意とか、できるとかは言いませんので、周りから見るとわかりずらいかもしれません。たとえですが、私のところで行う大きな手術を手伝ってくれる友人は、手先が非常に器用で、私が最も信頼している外科医で30年以上の付き合いがあります。彼ほど器用な外科医を知りませんが、実は街の小さなクリニックの普通の獣医師です。やり方次第ではと思いますが、本人はいたって謙虚で、自分の能力を決して過大には評価しません。私は彼をブラックジャックと呼んでいます。また麻酔医も私からみるとかなりのクレバーな獣医師ですが、とりたてて専門医の資格にも興味がなく、生理や薬理の勉強ばかりしております。麻酔医は瞬間的に多くの問題を解決していかなくてはならないので、獣医師の中でも圧倒的な知識と経験が要求されるポジションです。本当にできる人は、謙虚な人が多いということです。私はそんな人たちに支えられてラッキーですが、おまえは何をするんだ、という疑問が出てくるのも当然ですが、まあ居たほうが良い、程度だと思っております。最近は小説を書いております。

医療難民という言葉があります。特にがん患者には多いようです。溺れる者は藁をもつかむ、こういう人、もちろん動物たちを狙った商売は、犯罪です。そういう状況を回避する意味でも、信頼のおける主治医を普段より決めておき、いざという時に適切なアドバイスをしていただくことをお勧めします。どうしても、追い込まれるとネット情報を頼りにしたくなりますが、それは危険です。私は競馬でさんざん痛い思いをしています。これ以上痛い思いをしたくないので、カジノは反対です。

訂正 この記事を書いた時にはH田選手がセネガル戦で得点する前でした。したがって、不適切な例となってしまったことを関係者にお詫びいたします。ポーランド戦も頑張ってくださいね、H田。ちなみに命を懸けて戦いに行く時にいかにもチャライ茶髪とは同じチームになりたくはないのは私だけでしょうか。