ごあいさつ

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2018-06-07 09:07:00

宣伝です。幻冬舎の担当が言うには、医師で小説を書く人は結構いるのですが、獣医師では非常に珍しいとのことでした。皆様お忙しいようですね。専門性の高い職種の者が、ある程度真実を加えながらフィクションを書くと、案外面白い作品ができるように思います。ただし、ノンフィクションではドキュメンタリーになってしまうので、多分固すぎてしまいます。例えば宇宙飛行士が書く<2050年宇宙の旅>とか、高級官僚が書く<公文書を改ざんしたくなった瞬間>など、面白そうなお題がいくらでも出てきます。このようなジャンルを、私はサムフィクションと命名しました。ぜひ流行っていただけると嬉しいのですが。somefiction、つまり、ある程度作り話、というかほぼ作り話が良いでしょうか。

この小説も出だしから本当の話が登場します。老齢猫のミーコ。彼女は実在の猫です。さかのぼること30余年、私は千駄ヶ谷の動物病院に就職いたしました。その近所には能楽堂がありその隣の方にミーコの実家がございました。現在は立派なビルになっております。驚きは後に判明したのですが、そのまた隣の方に、今回の出版社である幻冬舎ビルがあったのです。そして私はこの小説の打ち合わせに、この地を何度も訪れることになるのです。これも小説になりそうですね。現在では私の勤めておりました病院はございません。良くランチをしたお店も、残っているのは立ち食いそば屋のみ、それも新しい店舗で。かろうじてそのまま残っている風景は、明治神宮の森と先ほどの能楽堂。国立競技場ですら、その面影を全く残さず、別人に生まれ変わろうとしております。森の馬鹿野郎、国民に設計費返せ、いい加減名誉職も引退しろ。

たまにはガス抜きも必要です。じゃないと患者様にあたることになりますので、それはいけません。