ごあいさつ

インフォメーション

2018-05-31 15:29:00

講師は日本小動物がんセンターの副医院長。2次施設の先生のセミナーらしく実績と経験に基いた中身の濃いものでした。私のクリニックでも腫瘍外科と化学療法は比較的積極的にしているほうなので、今回の生検の話は非常に役に立ちました。講師の病院は公益財団法人日本小動物医療センターの付属病院で、埼玉にある母体がしっかりした数少ない2次施設です。東京でいうと二子新地にある日本動物高度医療センターが同じような施設です。こういう2次施設は高度医療を行う分、診療費も相当な額になりますが、一般の保険が適応されることも多いので、この手の施設のお世話になることも考えて良い保険に加入しておくことは大変良いことかと思います。保険については、またの機会に皆様に詳しく解説したいと考えております。

さて、今回使われている単語「生検」ですが、一般的ではないので解説させていただきます。生体検査を略して言っております。簡単に言うと、腫瘍などの体にできた異常な部分を一部、あるいは全部を採取して顕微鏡レベルで検査することを意味します。治療指針を決定するうえで不可欠な診断技術の一つではありますが、その手法、実は術者の知識やスキルが結果に大きく左右するために、今回のようなセミナーを受講することが私たちにとっては不可欠なことになるのです。因みに顕微鏡レベルの診断をする者は、病理学者の仕事で、一般臨床医のできる事ではありません。しかし、ものによっては私たちが採取し、そのまま手を加えて顕微鏡下で判断できるものもいくつかありますが、その場合でも確定診断はかならず病理のエキスパートに依頼して文章にしてもらうのが医学の常識になっております。先ほど、検査結果に大きく影響すると書きましたが、場合によっては本当は悪性腫瘍つまり癌のはずが良性という結果が出てきてしまうことも稀にあるのが医学の現状ですが、間違いではすませられません。このようなことを最小限にするために私たちは日々学習しスキルアップする必要があるのです。本日は素晴らしい解説となってしまいましたので、次回は面白いやつにします。