製品は教科書でできている!?

2024-04-13 13:55:00

図形の移動

中学になると図形の移動という項目が出てきます。

製品を作るうえで、一番最初のCADの作業では立体モデルを作成するのにこの図形の

移動方法(平行移動、回転移動、対称移動)を本当によく使います。

平行移動.png面対称.png

同じ形状のモデルを作成するにしても、複数の方法を理解しているといろいろと便利です。

上の図形で三角の補助板を作る場合、一方を作図した後、平行移動で作ることも可能ですし、

対称図形の場合なら面対称で作ることもできます。

回転図形1.png回転図形2.png回転図径3.png

ホッパーなどの製品を作る場合は回転移動を利用することもあります。

 

 

2024-03-10 10:53:00

線対称

小学6年生で対称図形を習います。

一本の直線を折り目にして、その折り目の両側の図形がぴったりと重なり合う場合、

その図形は線対称となります。

 

寸法20240310-1.png

上の段の図形と下の段の図形は算数的に言うと線対称なのですが、実際に製品を作

るとなると意味合いが少し異なります。(今回縦の寸法については省略しています)

上の段の図形の場合、必ずしも出来上がった製品は線対称でなくても公差範囲であ

れば合格品になります。

ところが、下の段の図形の場合は設計者さんが、穴は製品の中央を基準にセンター

振り分けをしてほしいという意味合いが込められています。

寸法20240310-2.png

上段の図形は必ず右側から測定した寸法を基準に製品を作ることが考えられていて、

下段は中心を基準に製品を作ることが求められます。

実際の加工となると、どちらの場合もレーザ加工機やパンチングプレスで加工すると

同じものが出来上がるのですが、私たち加工業者は設計者の意図をくみ取って作る必

要があるので寸法の取り方は重要になります。

2024-01-06 14:29:00

長方形の性質

板金加工では定尺の材料から任意の大きさのスケッチ材に加工するのに

シャーリングという機械を使うことがあります。

img04.jpg

写真はアマダさんのホームページから引用したものですが、任意の寸法に

バックゲージを設定し、材料を切断します。

まず必要な寸法になるようバックゲージを移動させ、突き当てに材料を当

てて切断すると、任意の寸法で平行に切断することが出来ます。

続けて切断した辺をサイドゲージに当てながら、任意の長さに設定した

バックゲージの突き当てに材料を当てて切断すると、長方形(もしくは正

方形)のスケッチ材ができる・・・・はずです。

実はこの時サイドゲージが何かの原因で少し傾いていたら長方形にはなり

ません。平行四辺形になっているんです。

 

この時に長方形の性質を理解していると、ノギスだけで4つの角が直角に

なっているかどうかを確認することが出来るんです。

その性質とは・・・対角線の長さが等しい

長方形の特徴.png

平行四辺形やひし形の場合、向かい合う辺は平行ですが、角は直角では

ないので上の右図のように対角線の長さは異なります。

対角線が同じになるまでサイドゲージの傾きを修正すればOKです。

 

ところで、精確に200㎜の幅のある材料を正確に100㎜切断すると残った

材料の幅はどうなるでしょうか?

実は100㎜にはならないんです。

クリアランス.png

バックゲージに当てたほうは100㎜ですが、上刃と下刃のあいだにはわずかで

すがクリアランス(隙間)が必要なんです。このクリアランスの大きさは材質

や板厚によって適正な値があるのですが、残りの材料の長さはこのクリアラン

ス分大きくなってしまうので、注意が必要です。

 

 

 

2023-07-17 08:05:00

長さの単位

板金加工では、基本の長さの寸法単位は㎜で行います。ところが定尺材の寸法規格は

サブロク、シハチ、ゴトウ(ゴットウ)という呼び名で表し、それぞれ3'x6'、4'x8'、

5’x10’と表し、なぜか単位はフィートです。尺と表現する人もいるのですが、日本で

鋼板が流通し始めた当初、フィートが尺と近い寸法だったので、尺で呼ぶのも定着し

たようです。

成形加工や穴加工を行うのにパンチングプレスを使用しますが、この金型のサイズは

1/2”、1¼”などインチで表現します。

単位をそろえたほうが便利なんですけどねぇ…。

 

ところで、1¼って何て呼びました?「1か1/4」っていうと「1と1/4って言うんですよ」

って笑われました。

2023-06-04 09:57:00

尺度

図面は実際の形状をそのままの大きさで描くことが多いのですが、用紙の大きさ

に対して製品が大きすぎたり、小さすぎたりする場合があります。

そういう場合は、図面に描かれる製品の大きさを小さく描いたり、大きく描いた

りします。

図面には尺度の欄があり、「現物:図面に描かれる大きさ」で表現され、実物と同

じ大きさで描かれている尺度「1:1」を現尺、実物よりも大きく描かれれ「2:1」や

「10:1」などで表現される尺度を「倍尺」、小さく描かれ「1:2」や「1:5」など

で表現される尺度を「縮尺」と言います。

 

最近は紙図面のほかにCADデータをいただけることも多くなりました。ただ、現尺で

ないままの状態でデータをいただくことも多く、データを1:1の現尺に戻す必要がで

てくる場合があります。この時一番やっかいなので「1:3」など割り切れない数字で

描かれている場合のデータで、性能のいいCADで描かれていると例えば100の長さが

「1:3」で描かれていると元に戻した場合100に戻るのですが、フリーCADなどで描

かれていると99.998などの数字にしか戻らない場合があるので、正直なところちょっと

イラッとすることがあります。

 

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