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炭酸ガスレーザとファイバレーザとの比較
SUSのt3を使った製品で下記のような形状の依頼がありました。
同じ形状を炭酸ガスレーザとファイバレーザとで切断してみたときの比較です。
左側が炭酸ガスレーザで右側がファイバレーザでの切断です。切断方向は反時計回りで
行っています。
レーザ切断は熱切断ですのでどうしても先に切断した側へ傾く傾向が出てくるのですが、
熱影響の大きい炭酸ガスレーザのほうが、右側へより大きく傾いてしまっています。
次に切断面を見てみると、上側のファイバレーザのほうが面が粗く、下の炭酸ガスレーザ
のほうが滑らかな面になっています。
ただ、該当するスリット部分を見てみると、上のファイバレーザのほうは熱影響が少ないため、
変色はありませんが、炭酸ガスレーザのほうは少し金色に変色しています。
なおドロスについては、炭酸ガスレーザのほうがきれいに切断できていました。
炭酸ガスレーザ
3年前、弊社が使用している炭酸ガスレーザを生産していた某メーカーが炭酸ガス
レーザの生産を止めました。
今年国内最大手のメーカーさんも炭酸ガスレーザの生産を中止されることになった
様です。
レーザガスの価格も以前に比べると倍近い価格になりましたし、光学部品もどんど
ん高くなっています。
炭酸ガスレーザのほうが、ファイバレーザに比べてよい点もあるのですが、「炭酸
ガス」「CO2」という響きだけでどんどん悪者に・・・。
私自身はたばこは吸いませんが、喫煙者の方々のように税金は取られるのに、喫煙
場所はどんどんなくなり、肩身の狭い思いをされているのと同じような感覚がします。
炭酸ガスレーザだと、クラシックカーのように悪くなった部品をちょっとずつ交換し、
手入れをしていると長く付き合えるいい相棒なんですけどね。
どんどん出力の上がっているファイバレーザなんて発振器が悪くなったら、どれくら
いの修理費がかかることやら・・・。何せ一気にお取替えですから・・・。