製品は教科書でできている!?
2026-06-13 14:45:00
金属と熱
金属は熱を加えると膨張し、冷めると収縮を行います。この現象については以前このサイトでもご紹介しました。
https://r.goope.jp/matobaseisakusyo/info/6611344
レーザ切断も熱を利用しているためにどうしても熱影響を受けてしまいます。たまに「レーザ切断ではどのくらいの精度で加工することが出来ますか?」というお問い合わせをいただくことがあります。まず工作機械で求められているような±0.01などのような精度は出せません。
例えば上図の外形は同じ大きさですが、右側は多くの穴加工を行ってから外周を切ることになります。外周を切断する前に穴加工を行っている際に蓄積した熱の影響をうけて材料自体も熱くなっています。そのため切断後しばらくすると、左側の製品に比べて右側の製品は小さくなります。また左側の製品でも一定の大きさの材料から1個取る場合と、多くの数を加工する場合でも材料の温まり方が違ってくるので、最後のほうになるにつれ、熱影響をうけることになり、厳密なことを言うと寸法は最初のものに比べて小さくなる傾向が出てきます。
また形状によっても熱の影響を大きく受けます。細長い形状についてもレーザ加工は実は苦手ですし、同じ形状でも切断方向によっても歪み方が異なります。第23巻第6月号にちょうどいい熱ひずみの説明がありました。
突起の幅が板厚の10倍以上の場合はさほど問題にはなりませんが、2から3倍以下の場合は大きく影響してきます。
レーザ切断のみで高精度を出そうとすると、何回かテスト加工を行ってどれくらい正規の寸法からずれているのかを確認してから切断する必要があります。
ただ、前工程である程度の大きさにレーザ切断を行って加工しておき、その後で機械加工を行うことで、最初から機械加工を行うよりもコストダウンができるというやり方もあるみたいです。
https://youtu.be/8Y-yJwa3KVQ?si=rueycOi4IRiLLm54&t=523
またレーザ切断による熱歪をうまく利用したのがアマダさんが紹介されているソフトジョイントです。
https://www.youtube.com/watch?v=gWsk_FaDJr8
熱の影響をどれだけ抑えるか、どう利用するかなどがレーザ加工業者の腕の見せ所ということになります。

