製品は教科書でできている!?

2022-01-23 14:19:00

冬の大三角

冬の夜空で有名な星座と言えば、オリオン座が有名です。このオリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスを結ぶ三角形

を冬の大三角と言います。

astro01.jpg

Yahhoo!きっず図鑑より

ベテルギウスは赤っぽく、シリウスは青白く光っています。これは星の表面温度の違いによるもので、高温になるほど青白く光ります。

 

一見、この知識は板金加工と無関係のように思いますが、実はレーザ加工機で重要な焦点の位置を求める焦点出しの作業に役に立ちます。

焦点出しの方法はほかにもあるのですが、弊社ではアシストガスに窒素やエアーを用いて、小出力のレーザ光を出しながら、ステンレス板の上でZ軸を

上下させて求める方法で行っています。

 

まず光を出しながら、Z軸を下ろしていきます。そうすると光を当てているステンレス表面から、オレンジ色の光が出てくるのですが、そのうちに青白

く光るようになります。まずこのポイントを覚えておきます。

次に数ミリ下げたところから、今度は徐々にZ軸を上げていきます。

同様にオレンジ色の光から青白い光に切り替わります。

焦点.jpg

最初に切り替わったポイントと、次に切り替わったポイントの距離の半分のところが、焦点になります。

 

レーザ光は指向性がよく、単一波長の光なので、レンズを通ったあとの収束性がよく、この焦点付近では金属を溶かすに十分な超高温状態を作り出すこ

とができるのです。

 

 

 

 

 

2021-11-28 13:12:00

アルゴン

溶接では、溶けた金属と空気とが接触しないように、高温の溶融金属と反応しないガスをシールドとして流します。このガスがないと、溶接したところにブローホールと呼ばれる空洞ができてしまい、不良品になってしまいます。

このシールドガスの中で、一番一般的なものがアルゴンと呼ばれるガスです。

 

ものの本によると、空気が窒素と酸素の混合物ということは1780年ごろ、日本でいうと江戸時代にはわかっていたそうです。

ところが、19世紀末にあらかじめ空気から酸素を除き、窒素だけにしたはずが、化学的に生成した窒素よりも密度がほんの僅か小さいことがわかりました。

その後、このガスの中から、いろいろな物質に結び付けようとしても結びつかない気体が見つかりました。このガスが空気中に窒素、酸素に次いで多いアルゴンです。

このアルゴンは、どの物質にも結びつかない。つまり働かないということで、「働く」を意味するギリシャ語 ergon に 否定語 anがついた「働かない」とか

「なまけもの」という意味のアルゴンと名付けられたそうです。

 

しっかりと溶接するために重要な働きをする気体に対して、実に失礼な名前が付けられたものです。

2021-10-31 16:53:00

摩擦

触れ合っている物体を接した状態のまま一方を動かそうとすると、その動きと反対の方向に抵抗しようとする力が働きます。この力を摩擦力と言い、この力が働く現象のことを摩擦と言います。

この摩擦がない状態では、世の中のすべての製品は作ることができません。

 

ところで、私の父は完全なアナログ人間で、最初にCADCAMを導入しようとしたときはそれこそ猛反対でした。CADCAMの価格は数百万円するのに対し、父はカレンダーの裏にマジックで展開図を描き、電卓で展開寸法を計算していましたので、「そんな高価なものを買っても、計算通りにできるか!」というのがその理由でした。

 

例えば、同じ材質板厚で、曲げの寸法も同じで一方はテーパーになった製品を作りたいとします。

モデル.jpg

この二つの製品を展開すると、次のようになります。

展開.jpg

これを同じように曲げると、左側のものは寸法がでても、右側のものは同じ位置で曲げようとすると、ほんのわずかですが寸法がずれてしまいます。父は経験として知っているので、手配書として上のような図を出すことが嫌いだったんです。

では、なぜ寸法がずれるのでしょうか?

それは金型と材料との接地する長さが左側のものは同じですが、右側のものは長さが異なりますので、抵抗の差が生じるため曲げ加工の最中に材料がずれることが原因になります。

ずれの原因.jpg

実際の曲げ時には、このずれの分を考慮して補正してあげる必要があります。

 

ところで、あれだけ反対していたCADCAMですが、実際に導入すると複雑な形状も正確に早く展開し、加工データも作成することができるので、一番喜んだのは面倒な展開作業をせずに済んだ父でした。

 

2021-09-26 14:17:00

浮力

鉄でできた船はなぜ浮くのか?

この答えを導くために、中学で浮力について勉強します。

ここで、ちょっと別の見方からこの問題について考えてみましょう。

水に浮くか沈むかを考える場合、同じ体積の物体と水との質量を比べて、水よりも重ければ沈み、軽ければ浮きます。

それではここに板厚t1.2の鉄板があります。これは水に浮くでしょうか?

鉄板.jpg

同じ体積の水と質量を比べて、水よりも軽ければ浮くということになりますよね。

平板での比較.jpg

鉄の比重は7.87なので、同じ体積であれば水の7.87倍重いのでこの状態ですと当然沈んでしまいます。

ところが、この鉄板を箱状に曲げてみると・・・

箱曲げ.jpg

最初の鉄板はこの箱を展開したものだったのですが、この状態で質量を考えてみると、鉄板の方は約1.07㎏、水の方は1.8㎏となり、今度は水の方が重くなってしまいました。

こうすれば、先ほどの鉄板も水に浮きます。

昔、小学生だった甥っ子に手品と称して、実際に見せたところ目を丸くしてびっくりしていました。

IMG_0115.JPG

2021-08-22 08:04:00

③面積迷路

Y君は入社したてのころ、本当に算数が苦手でした。九九も苦手で、ちょっとした計算も苦労しました。

昼休みに算数の問題集をやってみたりしていたのですが、なかなかうまくいきません。あるとき面積迷路というパズルが出版されたのでこれを使ってやってみたところ、今まで苦労していたのがウソのように計算ができるようになりました。

 

また、この面積迷路はルールに従って、手順通りに解いていくという問題なのですが、これも仕事のやり方と同じで、安全に良品を作るためには、安全のためのルールと製品を作る手順をしっかり守らなければなりません。このことを理解してもらうことにも役立ち、本当に一石二鳥の問題でした。

 

下の図は数冊出版されている面積迷路の一番最初のものの表紙です。

ちょっと考えてみてください。ただし一つルールがあります。計算の途中で少数や分数が出てくることはありません。出てきたとしたら、計算を間違えているか、手順を間違えているかということになります。

その場合は少し前に戻って考え直してくださいね。

面積迷路.jpg

 

 

 

 

解答は以下のようになります。

長方形の面積=縦の長さ X 横の長さで求めることができます。

緑の長方形をみると面積と横の長さがわかっていますので、縦の長さは・・・

(緑)縦の長さ=40㎠÷8㎝=5㎝

緑の長方形の縦の長さと青の縦の長さの合計は15㎝なので、青の長方形の縦の長さは・・・

(青)縦の長さ=15㎝-5㎝=10㎝

青の縦の長さが10㎝で、面積が30㎠なので、青の横の長さは・・・

(青)横の長さ=30㎠÷10㎝=3㎝

青とオレンジの長方形の長さの合計とと緑と赤の長方形の横の長さの合計は同じですので、

赤の長方形の横の長さは・・・

(赤)横の長さ=3㎝+10㎝-8㎝=5㎝

赤の長方形の面積は60㎠なので、赤の縦の長さは・・・

(赤)縦の長さ=60㎠÷5㎝=12㎝

オレンジの長方形の縦の長さは・・・

(オレンジ)縦の長さ=50㎠÷10㎝=5㎝

求める?の長さは赤とオレンジの縦の長さを足したものなので

答え?=12㎝+5㎝=17㎝

答えは17㎝となります。

 

 

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