製品は教科書でできている!?

2021-07-11 08:06:00

密度と比重

密度とは…

 物の質量を体積で割った値です。 密度=質量÷体積

比重とは…

 物質の質量が、それと同じ体積を持つ標準の物質の質量の何倍かを示したもの

 簡単に言うと物質の密度を水の密度で割った値になります。

 (4℃の水1㎤が1gであるとして、これを標準としています。)

比重には単位がありませんが、密度と結果的に同じ値になります。

 

板金加工で使用する軟鋼やステンレスなどの鋼材を購入する場合、その価格は1kgいくら?という

キロ単価で決まります。

加工した製品の単価を決める際も、使用した材料代も同様に材料の質量をもとに計算します。

 密度=質量÷体積ですので、質量を求める場合は

 質量=体積x密度ということになります。

 使用する材料の体積は、使用する材料の面積x板厚で求めます。

 材料代はキロ単価に求めた材料の質量をかけて求めることができます。

ここで注意としては、図面にかかれている寸法は㎜。密度はg/㎤。質量はkgと単位がバラバラな

ので、計算時には単位をそろえる必要があります。

 

一般に鋼材は定尺材で購入します。この時2トン梱包で販売されることが多いので、材料の荷姿は

下図のようになります。(図はアマダさんの教材からの抜粋です。)

材料の荷姿.jpg

 

2021-06-06 14:19:00

状態変化

温度が変化すると、物質は固体になったり、液体になったり、気体になったりします。

このような変化を物質の状態変化といい、中学の理科で学びます。

 

レーザ加工を所有している工場では、毎日のようにこの状態変化を利用して製品を加工しています。

まずは液体から気体への変化。

写真はレーザ加工時に使用するアシストガスの酸素(左側)と窒素(右側)です。

DSCN0370.JPGDSCN0369.JPG

両方ともタンクの中に液体酸素(沸点-183℃)、液体窒素(沸点-196℃)として充填されています。

このタンク内に圧力を加えると、液体が押し出され蒸発器の中に入ります。

DSCN0371.JPG

この蒸発器の中で、液体酸素や液体窒素が流れていく過程で、はるかに温度が高い大気温に

熱交換されそれぞれ気体の酸素ガス、窒素ガスに変化します。

つづいて固体から液体そして再び固体への変化。

加工機側では、レーザの光がレンズで集光され焦点ではものすごい高温になります。その熱を利用

して材料の金属を溶かします。鉄の場合は、融点が1538℃。アルミですとよく使用される5000番

台の融点は約530℃から650℃です。

DSCN0241.JPG

溶けて液体になった金属を先に説明した気体となった酸素ガスやアシストガスを吹きかけて吹き飛

ばしてあげると、小さな穴があきます。これを連続的に行うことで様々な形状に切断することがで

切るのです。

吹き飛んだ金属は、その後大気中で冷やされ再び固体となります。

鉄の場合では、たいていアシストガスに酸素を用いますので、熱反応で酸素と鉄が結びついた酸化

鉄の状態で剣山などに付着しています。

DSCN0372.JPG

2021-05-03 09:17:00

光の性質

小学3年生になると、鏡や虫眼鏡を使って、太陽の光の性質を学習します。

・日光は鏡で反射することができ、その光は直進する

・鏡を増やして光を集めると、その部分の明るさや温かさが増す

・虫眼鏡で光を集めると、より明るくなり、紙が焦げる

金属を切断したり、溶接したりする機械にレーザ加工機があるのですが、光の性質をうまく利用

しています。

 

光の進み方1.jpg

上の図は、マザックという会社の炭酸ガスレーザ加工機のカタログからの抜粋ですが、日光と同じ

様にまっすぐに進むレーザレーザ光が複数のミラーによって進行方向を変化させ、最後に集光レン

ズで光を集め、金属を溶かしながら切断する様子を示しています。

 

中学ではさらに詳しく光の反射や屈折について学習します。

光が屈折率の大きい水やガラスから屈折率の低い空気中へ進む場合、光の進行方向が変化するのですが、

光の進入角度が浅くなるに合わせて、透過する角度も境界面に対して平行に近づき、さらに進入角度を

小さくすると、すべての光がその境界面で反射します。これを全反射と言います。

これを利用したのが光ファイバーで、最近普及が急速に広まっているファイバレーザ加工機ではこの性質

を利用してレーザ光を伝送しています。

光の進み方2.jpg

2021-04-25 10:34:00

三角形の合同条件

中学2年の数学では、図形の合同という内容が出てきます。

合同な図形では、次の性質があります。

 ①対応する線分の長さは等しい

 ②対応する角の大きさは等しい

ある製品を作る場合、設計者さんが考えている製品の形と全く同じものを製造する工場では

作らなければなりません。そのため、図面には正しく図形を描き、寸法を記入されている必

要があります。

設計図と同じものを作るために、図形の基礎である三角形の合同条件直角三角形の合同条件

は大変重要です。

 ①3辺の辺の長さがそれぞれ等しい。

 ②2辺とその間の角が等しい。

 ③1辺とその両端の角が等しい。 

 ④斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。

 ⑤斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。

図面に記載されている図形の各点の位置が、基準点から見てどの位置にあるのかがわかれば、

上記の合同条件を満たすので、工場でも同じ位置を確認することができ、設計者さんの思い

描く製品を作ることが可能になるのです。

 

2021-03-21 09:14:00

正の数・負の数

「0」には幾つかの意味がありますが、基準点という意味もあります。

前回お話しした座標で考えると、原点つまり0の位置からどこにあるのかを表現するのに

正の数、負の数を利用します。

DSCN0316.JPG

写真はレーザ加工機のテーブルで、この上に材料を置き、機械のヘッドを光を出しながら

移動させると様々な形状が切断することができます。

ただ、この機械に「右へ100㎜動け!」とか「奥に250㎜動け!」と言っても認識してくれ

ません。機械にわかる表現をしなければなりません。

そこで、作業者からみて横方向をXであらわし、右側を正の数、左側を負の数。縦方向を

Yであらわし、奥側を正の数、手前側を負の数で表現します。

機械のヘッドの位置が写真の「O」の位置にあり、右側に100㎜動かしたい場合は「X100.」

(+は省略しています)、左側に150㎜動かしたい場合は、「X-150.」と表現します。

また、ヘッドの位置を奥側へ50㎜を3回分動かしたい場合は、50x3=150なので、「Y150.」、

逆に手前側に動かしたい場合は、(-50)x3=-150なので、「Y-150.」とあらわします。

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