製品は教科書でできている!?
2021-06-06 14:19:00
状態変化
温度が変化すると、物質は固体になったり、液体になったり、気体になったりします。
このような変化を物質の状態変化といい、中学の理科で学びます。
レーザ加工を所有している工場では、毎日のようにこの状態変化を利用して製品を加工しています。
まずは液体から気体への変化。
写真はレーザ加工時に使用するアシストガスの酸素(左側)と窒素(右側)です。
両方ともタンクの中に液体酸素(沸点-183℃)、液体窒素(沸点-196℃)として充填されています。
このタンク内に圧力を加えると、液体が押し出され蒸発器の中に入ります。
この蒸発器の中で、液体酸素や液体窒素が流れていく過程で、はるかに温度が高い大気温に
熱交換されそれぞれ気体の酸素ガス、窒素ガスに変化します。
つづいて固体から液体そして再び固体への変化。
加工機側では、レーザの光がレンズで集光され焦点ではものすごい高温になります。その熱を利用
して材料の金属を溶かします。鉄の場合は、融点が1538℃。アルミですとよく使用される5000番
台の融点は約530℃から650℃です。
溶けて液体になった金属を先に説明した気体となった酸素ガスやアシストガスを吹きかけて吹き飛
ばしてあげると、小さな穴があきます。これを連続的に行うことで様々な形状に切断することがで
切るのです。
吹き飛んだ金属は、その後大気中で冷やされ再び固体となります。
鉄の場合では、たいていアシストガスに酸素を用いますので、熱反応で酸素と鉄が結びついた酸化
鉄の状態で剣山などに付着しています。