2023/05/13 05:00
メガ盛りの動向 地味に売れていますよ
売れているのかどうか、ずっと気になっていた。まるか食品(群馬県伊勢崎市)の即席焼きそば「ペヤング ソースやきそば超大盛」のことだ。ダイエット中の方なら容器に表示されている「エネルギー1081キロカロリー、炭水化物129.1グラム」という栄養成分をみて、ぞっとするだろう。
大手コンビニエンスストアに聞くと、「大きく売れているわけではない」とのことだが、超大盛りの商品を置くと売り場にメリハリができる。セブン―イレブン・ジャパンは「お得感があるほか、とがった商品の話題性を重視している」ためという。まるか食品にとっても売り場で目立ち、自社商品の購入増につなげられる。ちなみにペヤングには「超」が6つも付く約4000キロカロリーの大盛り商品が存在する。
メガ盛り系は近年、消費トレンドとして「増量」傾向にある。今年話題になったのはローソンのキャンペーン「盛りすぎ!チャレンジ」。価格据え置きで、デザートなど12品目の重量を既存商品より47%増やした。1月末に同社社員から聞いたときは「ベタな発想ですね」と適当に返答したが、こちらの想定を超えてメガ売れに。プレミアムロールケーキは通常の約4倍、生カスタードシュークリームが約9倍とハピろー!(ハッピーローソン)な結果だった。
一方、増量の元祖と主張するのはファミリーマートだ。2021年から約40%の増量企画を展開し、弁当、サンドイッチ、総菜、デザートと幅広い。やはり売上高は大きく伸びるという。コンビニでは期間限定の企画だけでなく、メガ盛りの商品ニーズは強い。
ファミマのPB(プライベートブランド)の大盛りカップ麺は前年比5割増の売れ行きだ。ローソンでは、日清食品の麺量が通常の1.8倍の「日清焼そばU.F.O.爆盛バーレル」(西日本限定)が人気。発売から約2カ月過ぎても、他の売れ筋の即席麺の1.7倍の販売を記録する。
健康志向や少子高齢化で、食品は少量化の流れが"常識"だ。小パックや一口サイズが増え、観光の土産物にも傾向が広がる。ところがメガ盛り系の食事が廃れることはない。身近な外食も同じ。今年の吉野家の牛丼の販売データをみると、特盛系の比率は10%前後で推移し、約10年前と変わらない。
支持される理由はいくつかある。物価高に伴う割安志向、SNS(交流サイト)での「写真映え」需要のほか、若者の変化も見逃せない。電通若者研究部の用丸雅也氏は「新型コロナで若い世代の食事を含めたライフスタイルが変わったことも大きい」とみる。例えば1日3食の常識が薄れ、1日1食のパターンも増えているという。このため、超・特盛で1日の食事を満たす需要が生まれているというわけだ。
これならコスパもタイパも満たされる。量以外にも辛さ、甘さなど味覚の「盛り」も顧客を引き付ける。日常にちょっとした「特別な体験」を演出して、常識を超え、消費者の気持ちを盛り上げることが市場ににぎわいを呼び込む。
2023/05/12 05:00
金利上昇にも備えを
消費者物価の前年比上昇率は、振れの大きい生鮮食品およびエネルギーを除くと、3月に3.8%と41年ぶりの高さになった。上昇の勢いは衰えておらず4月は4%台に乗るとみられる。この物価上昇率に関する日銀の2023年度の見通しは、1月時点の1.8%から4月時点では2.5%に大きく上方修正された。この数字も今のインフレを過小評価しており、次の7月も上方修正は必至だろう。
この間「物価に負けない賃上げ」を求める政府や財界の声もあり、23年春季労使交渉では30年ぶりの高い賃上げが実現した。サービス業を中心に人件費の増加が次の価格上昇につながる兆しもあり、日銀が目指してきた「賃金上昇を伴う2%インフレ」が実現する可能性が出てきている。
一方で、30年近く続いた低インフレの時代が簡単に終わるとも考えにくい。景気動向についても海外を中心に不確実性が大きい。2%目標の持続的・安定的な達成は現時点で確率が高いとまでは言えず、金融緩和の手を緩めない日銀の姿勢は理解できる。
それでも、2%目標の実現の可能性が「ある」状態になったのは大きな変化だ。市場や国民は今後、2%インフレが定着して日銀が金利を引き上げていくシナリオA、そうはならずに低金利が続くシナリオB、の2つの可能性を意識しなければならない。
実際にどちらのシナリオになるのかは、当の日銀も含めて誰も事前にはわからない。「今後の金利がどうなるか教えてほしい」と日銀に聞くのは無理な話である。経済や物価は予測できない様々な要因に支配され、金融政策はそれに対する受動的な反応にすぎない部分が大きいからだ。
日銀が金利を上げるのは、2%程度のインフレが日本社会に定着しそうな場合である。そうなるかどうかの見極めで重要なのは賃上げの持続性であり、24年春季労使交渉は大いに注目される。その強さに確信が持てる状態になれば、結果判明の前でも日銀は利上げに動き始めるだろう。いずれにせよ、それまでにまだ時間はある。
ただし、物価動向次第では、ひとたび利上げが始まった後の利上げペースが意外に速くなる可能性には、注意が必要だ。今の日銀は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)という異例の手法により、本来は市場が決める長期金利まで人為的に抑え込んでいる。また、日銀にとって2%目標の実現は悲願であり、植田和男新総裁の発言からは「このチャンスは絶対に逃せない」という気持ちが伝わってくる。
そこまで2%目標にこだわるべきなのかも本当は問われるべきだが、今の日銀は2%目標への思いが強いので、ぎりぎりまで緩和を続けるだろう。すると、いざ2%目標が実現するという段になった時、短期・長期両方の金利を一気に引き上げざるをえなくなるというリスクがある。
米欧でも22年から23年にかけ、予想外のインフレの強さに驚いた中央銀行が異例の速さで金利を引き上げ、金融不安の一因にもなった。日本で同じことは起きないと信じたいが、過信は禁物だ。
2023/05/02 05:00
「負動産」国が引き取り、27日新制度 相続登記義務化は2024年
HPのあいさつ文にも記載していますが、最近空き家問題が本当に多い
毎朝早朝に、某市の中心部を3キロほど歩いているが、毎週1,2棟は取り壊し工事されている
一方で、市内中心部なので、新築される家も同じくらいはある
これは市内中心部の話
郊外に出ると、取り壊さずに、崩壊の一途の家が多くなる
今後気を付けなければならないのは、相続登記の義務化です
2024年からです。よく覚えておきたい
まずはクイズから。現状、九州を超える広さがあり、2040年には北海道本島に迫るまで拡大が見込まれているものは何?
答えは「所有者不明土地」。不動産登記簿をあたっても記載の所有者が亡くなった人のままだったり、所在が不明で連絡がつかなかったりする土地のことだ。総面積は既に数年前に368万ヘクタールある九州を上回り、国土の4分の1に上る。田舎の親が亡くなり空き家となった実家の処分に窮し、そのままにしている例は多い。このままでは一段の多死社会を迎える40年には720万ヘクタールと北海道本島の9割超に達するとの推計もある。財産であるはずの土地が立ち枯れて負担になるいわゆる「負動産」の増殖だ。
27日から国の引き取り制度開始
問題視した国は一昨年来、一連の法律を成立させ所有不明土地の発生防止と利用円滑化の両面から対策を進めている。そのうちの1つ「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(相続土地国庫帰属法)が27日に施行される。長い法律名が表す通り相続で取得した土地が対象で、使用しない場合に所有権を国に移転させて引き取りを求める道が初めて開かれる。過去の相続まで遡って適用対象になるので長年、喉に刺さったホネのように放置していた物件がある人は検討に値する。ただし条件は厳しい。
引き取ってもらうハードルは高い
当然だろう。権利と義務は表裏一体。本来土地の所有権には管理義務もついてくる。無条件に移転を許せばモラルハザードを招き国の負担が膨れかねない。27日以降に申請を受け付けて以降、法務局による審査が始まる流れだが、そもそも家屋があったりすると申請段階で却下され受け付けてもらえない。「門前払い」となるのは以下の5類型だ。
(1)建物がある土地
(2)担保権や使用収益権が設定されている土地
(3)他人の利用が予定されている土地
(4)特定有害物質で土壌が汚染されている土地
(5)境界が明らかでない土地・所有権の存否や帰属などに争いがある土地
審査に移っても承認を得るには厳しい条件がある。一定の勾配や高さの崖があったり、除去に費用のかかる石や樹木が植わっていたり、地割れ・陥没があったり……。要は管理・処分にあたりコストがかさむと判断された土地は不承認になると例示されている。隣人とトラブルのある土地もはねられるので要注意だ。
費用の比較検討も必要
無事承認されたとしてもコストがかかる。まず申請時の手数料が土地一筆あたり1万4000円。さらに10年分の管理費相当の「負担金」を支払う必要がある。負担金は土地の4類型(宅地、田畑、森林、その他)ごとに計算方法が定められている。おおむね一律20万円に収まるケースが多いが市街地の宅地などは面積に応じて額も増える。市街化区域に位置する200平方メートルの場合、計算式に当てはめると80万円弱になる。自分で管理費や固定資産税を払う負担とどちらがいいか比較検討する必要がある。「なんだ、じゃ、今まで通り放っておこう」と思ったあなた。その道は来年以降閉ざされることになる。
来年に待つムチ
国は今後、所有者不明土地に対してアメとムチで削減を試みる。27日スタートの相続土地国庫帰属法はあまり甘くないとはいえ一応アメ。他にも登記がらみの手続きがしやすくなるアメなども用意されている。
一方、来年24年4月以降は相続登記が義務化されるというムチが待つ。これまでは不動産を相続しても登記については任意に委ねられていた。売却できる価値ある不動産以外は登記せずに放置され、年月を経て所有者不明土地へと転じる主因だった。今後は相続や遺産分割から3年以内に相続登記の手続きを取ることが義務化される。正当な理由なく怠った場合は過料の対象にもなる。過去に相続をしてそのままにしていた人にも網はかかる。いざ相続、となってから考えるには手に余る「家じまい」。かけがえのない人生を過ごした舞台の幕引きは一段と早くから考えるべき時代になった。
2023/04/29 05:00
相続空き家問題 特例対象縮小で税負担増
当社でも、不動産賃貸業を行っている。自分の物件を賃貸するだけなら免許も資格も要らないであります。
日常のことは管理会社さんに任せてあるので、掃除と帳簿付くらししかすることがない。
そんな当社にさえ、不動産相談が舞い込んでくる
記事のような、老朽化建築物や空き家相続の相談である
私も一般の方以上には相続知識はありますが、法律や税の専門家でないので全て知っている訳でない
ただ空き家問題の解決は社会課題の解決につながるとは感じております
実家は千葉県にあり、一人暮らしだった母が亡くなったのを機に引き継いだ。最寄り駅から徒歩で30分以上かかるほか家屋も古く、貸したり売却したりできる見通しはない。相続当初は3カ月に一度のペースで家の状態を確認していたが、最近は足が遠のいている。家屋と土地の税額は現在、固定資産税と都市計画税の合計で年6万7000円。負担増を避けるため「今後はこまめに管理するようにしたい」という。
改正法案、2023年内にも施行へ
空き家は全国で増えている。総務省が5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」によると2018年に約849万戸と1998年の約1.5倍に増え、住宅総数に占める割合は13.6%と過去最高だった。おおむね7戸に1戸に当たる計算になる。Aさんのように相続した家に誰も住まず、空き家になるケースが多い。
空き家が管理されず長期間放置されると景観の悪化だけでなく、家屋が倒壊したりゴミの不法投棄を招いたりしやすい。政府が提出した改正案はこうした空き家問題に歯止めを掛けるため、所有者に適切な管理を促すことを目指している。6月までの今通常国会で成立すれば公布を経て、早ければ年内にも施行する見通しだ。
窓や屋根の破損、放置は禁物
改正案の大きな柱が空き家の区分にこれまでの「特定空き家」に加えて「管理不全空き家」を新たに設けること。特定空き家は家屋に倒壊など保安上危険な恐れがあったり、著しく衛生上有害となる恐れがあったりする場合に市区町村が指定する。指定を受けた所有者が自治体の改善指導・勧告に従わなければ、住宅用地に適用する税軽減特例の対象から外す仕組みとなっている。改正案はこれを管理不全空き家にも広げ、「所有者にとっては税負担が増すことになる」(税理士の藤曲武美氏)。
具体的には土地200平方メートル以下の部分について固定資産税は課税上の評価額を6分の1に、原則として市街化区域でかかる都市計画税は3分の1とする特例が受けられなくなる。実際にどれくらいの税額になるかは様々だが、4倍程度になるケースが多いとみられる。冒頭のAさんも税理士に相談したところ、年約25万円と3.7倍になる計算だったという。
ではどんな空き家が管理不全に指定されるのか。改正案では倒壊の危険などは現在ないが、放置すれば特定空き家になるおそれのある物件としている。例えば適切に管理されず、窓や屋根の一部に破損があったり、外壁の一部がはがれていたりすると該当する可能性がありそうだ。法案成立後に政府が示すとみられるガイドラインを参考にするといいだろう。
改正案は特定空き家でも取り組みを強化する。家屋が著しく危険な状態にある場合などに自治体が強制撤去する「行政代執行」という仕組みに緊急時の代執行制度を設ける。通常の行政代執行は所有者が撤去や除却の命令に従わない場合に適用するが、命令などを一部省略できるようにする。地震や台風で家屋の損壊が進むなど緊急性が高い場合を想定し、費用は所有者の負担となる。
今回の改正案以外にも、自治体が空き家に独自の税負担を課す例が出ている。京都市は2026年以降に「空き家新税」を導入する予定だ。市街化区域内にある空き家の所有者が課税対象で、税額は家屋の固定資産税評価額などを基に決まる。空き家問題が深刻になっているため、ほかの自治体に波及する可能性はありそうだ。
売却視野なら解体・撤去費も
空き家の所有者はどうすればいいのか。まずは「管理不全空き家」や「特定空き家」に指定されないよう適切な管理を続けることが大切だ。家屋の掃除、経年劣化や自然災害による破損の修繕だけでなく、庭の除草や樹木のせん定もこまめにすることが必要。庭が荒れると周囲に迷惑を掛けかねないためだ。修繕費や掃除などの際に利用する水道光熱費、万一に備える火災保険料などが発生する。
家の売却を視野に入れるなら、家屋の解体・撤去費を見込みたい。「古い家屋があると売却が難航しやすい」(司法書士の船橋幹男氏)からだ。税負担も含めたこうした費用をどう賄うかを考えておこう。相続人が複数いる場合は分担するのも選択肢になる。
2023/04/27 05:00
米国大統領選挙を見据え今後の世界 イアン・ブレマー氏 米ユーラシア・グループ社長
イアンブレマーさんの予測は当たるので掲載します
特に今後の米国2024年大統領選挙の動向は、日本にも大きな影響を及ぼすと思います
米国内の民主党、共和党の事情、中国、ロシアとの対峙など示唆に富む内容です
覚えておくと、評論家風になれます
トランプ前米大統領がニューヨークに戻って来た。今回は起訴され裁判所に出頭するためで、同氏の政治の新たな章の異様な幕開けだ。トランプ氏は機密文書の不正持ち出しや、2020年の大統領選でジョージア州の高官に圧力をかけ、選挙結果を覆そうとした疑いがある。さらに最も重罪になるおそれがある21年1月6日の連邦議会襲撃を扇動した疑いもある。
トランプ氏は単なる前大統領ではない。世論調査によると24年大統領選の共和候補指名争いを手堅く首位でスタートする。4月3日発表の世論調査では、共和党有権者の55%から支持を得ており、最も有力な対抗馬になるフロリダ州のデサンティス知事を30ポイント近くリードしている。
米国外の人には、起訴が大統領候補を後押しするとは想像し難いかもしれない。だが、トランプ氏は自らの不満は何百万人もの有権者自身の不満でもある、とたきつける米大統領史で類を見ない力を保っている。「ポルノ女優への口止め料事件」そのものが政治的動機に基づいているように思える点も有利に働いている。もっと重大な事件での起訴が続いても、自らを「魔女狩り」の被害者だと支持者に信じ込ませる力も増すだろう。
トランプ氏の苦難は多くの点で、共和党にとって悪夢だ。トランプ氏が共和党候補の指名を獲得すれば、バイデン氏を破る可能性が最も低い候補になるだろう。共和党議員はトランプ氏との付き合い方や、自らへの今後の影響を計算しなくてはならなくなる。つまり、トランプ氏が指名を獲得すれば党が分裂する可能性がある。
だが、指名を獲得できなかった場合には、共和党にさらに大きなダメージを及ぼす恐れがある。怒りの矛先を党と指名を獲得した候補に向ける可能性があるからだ。トランプ氏が独立候補として大統領選に出馬する可能性もある。その場合にはジョージア、アリゾナ、ペンシルベニア、バージニア、ウィスコンシンなどの各州で共和党候補の票を奪い、24年大統領選の台風の目になるだろう。トランプ氏の裁判がテレビで執拗に放映され、それが暴力行為を誘発する恐れがあり、24年大統領選は史上最も有害な選挙になる。
トランプ氏への注目が高まり、選挙戦が熱を帯びるにつれ、他国の政府はバイデン氏の計画や公約を割り引いて聞くようになる。米国の政治リーダーはこの数十年、ジョージ・W・ブッシュ氏からオバマ氏、トランプ氏、そしてバイデン氏へと揺れ動き、米議会の支配政党も度々変わってきた。他国の政府はこれまで、米国の次期選挙の行方が不透明な場合には民主・共和両党に賭けてきたが、トランプ氏というワイルドカードでそれは通用しない。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領との関係改善を望み、ウクライナ紛争への間接的な関与にさえ関心がないと明言している。トランプ氏の再選は欧州とウクライナにとって最大の懸念材料になっている。特に北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるポーランドとバルト3国、フィンランドは戦々恐々としている。アジアの米同盟国の日本、韓国、オーストラリアも、トランプ氏の取引ありきの提携手法から、中国の勢力拡大に一段とさらされると懸念するだろう。
一方、中東のアラブ諸国の首脳の大半はトランプ氏のグリーンエネルギー移行への無関心ぶりを歓迎するはずだ。もっとも、トランプ氏の復活による国際社会での最大の勝者はプーチン氏だ。同氏はロシア帝国復活のために戦争を仕掛けて以来の最大の突破口がもたらされると確信している。
この間にもトランプ氏の法的・政治的ストーリーはますます複雑になっており、間違いなく多くの曲折が待ち受けている。
最悪の展開に備えを
2024年の米大統領選に向けた共和党のジレンマは深い。仮にトランプ前米大統領が大統領候補の指名を獲得すれば、その過激な言動を嫌気する無党派層の支持は遠のき、民主党候補に勝利する確率は低くなる。指名されなかった場合でもトランプ氏が独立候補として出馬すれば、党分裂は避けられない。
再選をめざす民主党のバイデン大統領が圧倒的優位というのは時期尚早だろう。カギを握るのは米景気の行方。仮に今年後半に景気後退局面入りすれば、再選を果たせなかったカーター、ブッシュ(第41代)両元大統領のような展開は起こり得る。
「最悪の事態に備える」のが危機管理の要諦だとすれば、トランプ氏が大統領に返り咲くシナリオを考えるのは意味がある。ほくそ笑むのはロシアだけではない。中国はトランプ氏に取引をちらつかせて欧米の分断をさらに画策するかもしれない。北朝鮮も首脳会談を通じて核保有を認めさせようとするかもしれない。日本は欧州とも対応をすり合わせておく必要がある。
