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2023 / 04 / 27  05:00

米国大統領選挙を見据え今後の世界  イアン・ブレマー氏 米ユーラシア・グループ社長

 

 

 

イアンブレマーさんの予測は当たるので掲載します

 

特に今後の米国2024年大統領選挙の動向は、日本にも大きな影響を及ぼすと思います

 

米国内の民主党、共和党の事情、中国、ロシアとの対峙など示唆に富む内容です

 

覚えておくと、評論家風になれます

 

トランプ前米大統領がニューヨークに戻って来た。今回は起訴され裁判所に出頭するためで、同氏の政治の新たな章の異様な幕開けだ。トランプ氏は機密文書の不正持ち出しや、2020年の大統領選でジョージア州の高官に圧力をかけ、選挙結果を覆そうとした疑いがある。さらに最も重罪になるおそれがある2116日の連邦議会襲撃を扇動した疑いもある。

 

 

 

トランプ氏は単なる前大統領ではない。世論調査によると24年大統領選の共和候補指名争いを手堅く首位でスタートする。43日発表の世論調査では、共和党有権者の55%から支持を得ており、最も有力な対抗馬になるフロリダ州のデサンティス知事を30ポイント近くリードしている。

 

米国外の人には、起訴が大統領候補を後押しするとは想像し難いかもしれない。だが、トランプ氏は自らの不満は何百万人もの有権者自身の不満でもある、とたきつける米大統領史で類を見ない力を保っている。「ポルノ女優への口止め料事件」そのものが政治的動機に基づいているように思える点も有利に働いている。もっと重大な事件での起訴が続いても、自らを「魔女狩り」の被害者だと支持者に信じ込ませる力も増すだろう。

 

トランプ氏の苦難は多くの点で、共和党にとって悪夢だ。トランプ氏が共和党候補の指名を獲得すれば、バイデン氏を破る可能性が最も低い候補になるだろう。共和党議員はトランプ氏との付き合い方や、自らへの今後の影響を計算しなくてはならなくなる。つまり、トランプ氏が指名を獲得すれば党が分裂する可能性がある。

 

だが、指名を獲得できなかった場合には、共和党にさらに大きなダメージを及ぼす恐れがある。怒りの矛先を党と指名を獲得した候補に向ける可能性があるからだ。トランプ氏が独立候補として大統領選に出馬する可能性もある。その場合にはジョージア、アリゾナ、ペンシルベニア、バージニア、ウィスコンシンなどの各州で共和党候補の票を奪い、24年大統領選の台風の目になるだろう。トランプ氏の裁判がテレビで執拗に放映され、それが暴力行為を誘発する恐れがあり、24年大統領選は史上最も有害な選挙になる。

 

トランプ氏への注目が高まり、選挙戦が熱を帯びるにつれ、他国の政府はバイデン氏の計画や公約を割り引いて聞くようになる。米国の政治リーダーはこの数十年、ジョージ・W・ブッシュ氏からオバマ氏、トランプ氏、そしてバイデン氏へと揺れ動き、米議会の支配政党も度々変わってきた。他国の政府はこれまで、米国の次期選挙の行方が不透明な場合には民主・共和両党に賭けてきたが、トランプ氏というワイルドカードでそれは通用しない。

 

トランプ氏はロシアのプーチン大統領との関係改善を望み、ウクライナ紛争への間接的な関与にさえ関心がないと明言している。トランプ氏の再選は欧州とウクライナにとって最大の懸念材料になっている。特に北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるポーランドとバルト3国、フィンランドは戦々恐々としている。アジアの米同盟国の日本、韓国、オーストラリアも、トランプ氏の取引ありきの提携手法から、中国の勢力拡大に一段とさらされると懸念するだろう。

 

一方、中東のアラブ諸国の首脳の大半はトランプ氏のグリーンエネルギー移行への無関心ぶりを歓迎するはずだ。もっとも、トランプ氏の復活による国際社会での最大の勝者はプーチン氏だ。同氏はロシア帝国復活のために戦争を仕掛けて以来の最大の突破口がもたらされると確信している。

 

この間にもトランプ氏の法的・政治的ストーリーはますます複雑になっており、間違いなく多くの曲折が待ち受けている。

 

最悪の展開に備えを
2024
年の米大統領選に向けた共和党のジレンマは深い。仮にトランプ前米大統領が大統領候補の指名を獲得すれば、その過激な言動を嫌気する無党派層の支持は遠のき、民主党候補に勝利する確率は低くなる。指名されなかった場合でもトランプ氏が独立候補として出馬すれば、党分裂は避けられない。
再選をめざす民主党のバイデン大統領が圧倒的優位というのは時期尚早だろう。カギを握るのは米景気の行方。仮に今年後半に景気後退局面入りすれば、再選を果たせなかったカーター、ブッシュ(第41代)両元大統領のような展開は起こり得る。
「最悪の事態に備える」のが危機管理の要諦だとすれば、トランプ氏が大統領に返り咲くシナリオを考えるのは意味がある。ほくそ笑むのはロシアだけではない。中国はトランプ氏に取引をちらつかせて欧米の分断をさらに画策するかもしれない。北朝鮮も首脳会談を通じて核保有を認めさせようとするかもしれない。日本は欧州とも対応をすり合わせておく必要がある。

2024.04.26 Friday