日記

2022-10-01 17:07:40

骨盤矯正とは?

 骨盤矯正を看板に掲げる整体院は多いと思います。

 当院は「姿勢矯正」という言葉を掲げていますが、目指すところは似て非なるものだと考えます。

 

 良くテレビや美容雑誌などで「骨盤が開く」、或いは「骨盤を締める」という文言が出てきます。

 仙腸関節という背面仙骨周りの関節部分で、ほんのわずかに稼働はしますが、それは数ミリ程度です。背後に足を蹴り上げたりする動作をしやすくするにはこの仙腸関節の可動域は重要ではありますが、上記の骨盤が開くという文言には左程大きなかかわりが無いように感じます。

 

 「骨盤が開くから外見上太く見えるのでこれを締めなければならない」といった趣旨で記載されている文言は、個人的にですが虚偽だと思っています。

 骨盤前側は恥骨結合という軟骨組織で閉じられており、これが物理的に開くのは出産のときだけです。だから、産後にこの軟骨組織の再生を助けるために布で骨盤を締める、という動作をすることは理にかなっています。

 昭和初期の姿勢療法の本でもこの「骨盤が開く」という文言を使用していますが、これは物理的に開く、というよりも前傾して角度が付いた時に骨盤の最も広く見える部分が前面に向くからこのように表現している、と解釈しています。

 

 前傾姿勢が続くことで骨盤前の腸腰筋(大腰筋と腸骨筋の境目)が左右アンバランスに硬直するので、この為に「骨盤が前方や左右に歪む」。或いは、長時間座り姿勢が続いた為に足を引いてつま先を立てている時間が長くなり、脛の筋肉が硬直する事で歩くときに外側重心になり、大腿骨の上部にある「大転子」が外側に張り出して見える事が「骨盤が開いている」ように見える、という事を表現しているのかもしれません。

 

 いずれにしろ、骨盤は確かに身体の中心であり、身体を立てるのに重要な物ではありますが、そこを歪ませる原因である「姿勢」をいかに矯正するか、という事の方が重要であると考えます。