日記

2016-11-11 09:28:00

臓象学説から見る冬季の注意点

以前、東洋医学と西洋医学で、臓器に関する認識が異なるとこちらで書きました。東洋医学におけるこれに該当する学問を臓象学説といいます。
明の時代に研究が進み、大きく発展したと言われています。
まず機能を見つけて、それから各臓器に振り分ける、という手順で出発している学問ですので、細部は勿論現在の解剖学上の臓器の役割とは異なります。ただ、総合的に見れば過不足無く理論が成立していますので、逆に体全体の機能を大まかに捉える、マクロ的な見方をするのに役に立ちます。
整体をやる上では、寧ろミクロ的な視点はお医者さんに任せて、こちらの視点で見た方が正確に診察・観察が出来たりします。

冬場に、弱化しやすい臓器としては、臓象学説では肺と腎を特に挙げています。
肺は、呼吸器系という捉え方は西洋医学と一緒ですが、他に全身の気を管理、発散させる作用がある、とされています。
肺の機能を支える腑は大腸とされており、肺に不調があれば大腸及び皮膚や鼻などに影響が出ると考えられていました。
気の発散という作用の事を「宣発作用」と言いますが、これには空気の発散だけでは無く、汗の発散も含まれます。冬場に肺を損傷しやすい、と考えられてきた要因の一つは、汗をかかなくなるからでした。その為、肺を良く労らないと内側に「邪」がこもり、病気が治りにくくなる、とされて来ました。冬場にインフルエンザなどが流行する事を考えればあながち間違った捉え方では無いと思います。

腎は、臓象学説では生殖機能と水液代謝の2つの役割が与えられています。また、肺の呼吸機能を補助する臓ともいわれています。これを支える腑は膀胱とされ、腎に不調があれば、膀胱以外にも脳、髪、耳、生殖器や肛門などに影響があるといわれてきました。
生殖機能に関しては、人体の発育と生殖の全てを腎が保管している「精気」が賄っていると考えられていました。
冬場に弱りやすいのはもう一つの「水液代謝」の機能です。水が巡りにくい状態を考えると、いかに恐ろしい状態か分かります。血も、汗も、胃液も、リンパ液も全部水分ですから、生命活動そのものが鈍化すると言っているに等しいわけです。冬場に亡くなられる高齢者の方が多い事から、これも容易に想像できる事だと思います。

肺と腎。この二つが弱りやすいんだな、と認識して対策しておくだけでも体の不調はかなり防げると思います。
一つはマスクをすること。もう一つは水分を良く摂取すること。後は、冬場は億劫になりがちですが、体を動かすこと。腹巻をすること。
昔の人がやっていた乾布摩擦なんかも、効果的かもしれませんね。
とにかく、寒さがかなり厳しくなってきました。出来る限りの対策をして、この冬を乗り切って下さい。




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