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部下の育成につながる「正しい叱り方」NO1
少し長いですが、大変よい内容なので2回に分けて記載します
ついつい部下に怒ってしまう、思ったことがすぐ口に出てしまう……。そんな経営者や管理職の間で、今注目されているのが「怒りのコントロール」です。でも「厳しく言うのは従業員のためなのに」と、腑に落ちない方もいるのではないでしょうか。
――まず、怒るのはいけないことなのでしょうか?
最初にお伝えしたいのが、怒りは決して悪いものではないということです。人は、自分が大切にしている価値観をないがしろにされると怒ります。怒りが湧いたときこそ、本当の自分に気付けるチャンスです。例えば、仕事の遅い部下に腹が立ったとします。それは、あなたがスピードを大切にしているからです。
しかし、ただ怒っているだけでは周囲を傷つけます。怒るを叱るに変えて、ポジティブな影響を与えられる思考回路に導くのが、怒りをコントロールする目的と言えるでしょう。
――怒りをコントロールするための方法を教えてください。
怒りの感情が湧いてきたら、自分の実況中継をおすすめします。「自分は今怒っているぞ、なぜならば部下が期日を守らなかったからだ」といった具合ですね。人間の脳は生命維持・感情・思考の三層構造になっていて、それぞれの役割を司る場所が異なります。例えば怒りなどを覚える瞬間、感情を司る「大脳辺縁系」という箇所が先に反応してしまいます。このとき自分が怒っていることにすばやく気付けると、思考を司る「大脳新皮質」が動き出して感情を抑えられるんです。つまり実況中継をすることで、自分を客観視できるということです。
――部下の育成につながる叱り方を教えてください。
名前を呼んで、質問言葉を使います。もし、部下が企画書の期限を守らなかったとしたら「Aさん、企画書はどうなっているの?Aさんはスピードを大事にしてるんじゃなかったかな?」と尋ねてください。名前を呼ばれると自分ごとと受け止められるし、質問に対し自発的に考えて行動できるようになります。加えて、責められていないという安心感を与えることも可能です。
さらに、部下と話すときは目を見て話すようにしましょう。人は興味を持たれた相手に関心を持つので、話の内容も伝わりやすくなります。目を合わせることで「あなたに関心がありますよ」と相手に感じてもらうことができるんです。