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木下築炉、フィリピンで火葬炉販売 狂犬病根絶に協力 地域発世界へ 大分市
犬用の焼却炉メーカーの話です
眼のつけどころがいいですね
必ず日本でも需要あると思います
工業炉の設計施工などを手掛ける木下築炉(大分市)がフィリピンで、火葬炉の普及に力を入れている。
狂犬病関連死の根絶をめざす現地の取り組みに協力するなどで、動物用を納入する事例が出始めた。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着くなか、さらなる需要の確保を狙っている。
狂犬病にかかったイヌの遺体を確実に焼却処分すれば、土壌や水質の汚染を防げる――。
安楽社長との会話を通じて木下築炉の動物用火葬炉に興味を持った西園教授は、フィリピン駐在の大分大教員に連絡。焼却能力などを確認し、採用が決まった。
別の施設でも同事業に協力し、近く稼働する見通し。他の都市の公共工事も独自に落札しており、さらに1基を設置する。
国内ではボイラーの保守管理事業なども展開する木下築炉。
技術力が評価され、16年には経済産業省の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選ばれた。
フィリピンには19年に進出した。
安楽社長が技能実習生の受け入れを目的に現地を訪ねた際、カトリック教徒が多いため土葬が主流だが、火葬より費用がかかるうえに都市部を中心に土地不足も深刻なことを知った。
「火葬炉の需要は必ずある」と考え、現地法人を設立。商工組合中央金庫(商工中金)大分支店の融資も得た。
21年に霊園に導入されたのを手始めに、ヒトの遺体用は計3基を設置した。
うち2基は現地企業と共同経営するなど、リスクを分散しながら実績を積み上げた。木下築炉の火葬炉は6分割構造で修理がしやすく、据え付けた実機を見学する事業者も増えている。
安楽社長は「保守管理の需要も含め、フィリピン市場は有望だ」とみる。
コロナ禍で立ち上がりが鈍った分を取り戻そうと、現法従業員の士気も高い。
築炉の仕事を始めて半世紀の安楽社長。将来は日本で修業した実習生が帰国後にプラント修理などを手掛けることも視野に入れ、現法の足腰を強くするつもりだ。