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なんでも略するZ世代であるが、マネパは知らなかった
お金を賢く使って管理するという意味とのこと
そんなこと近江商人は江戸時代からやってきたことなので、今更・・・とは思うが、若い世代の考えについていかないと、コンシューマー関連事業者は置いていかれます
未だに、「現金のみ対応です」と言っているお店がある。特に地方の道の駅や小売店。なんとかしてほしい。
コスパ、タイパの次は「マネパ」。決済に手間や時間をかけずに、賢くお金を使って管理する。
1990年代半ば以降に生まれたZ世代はそんな価値観を大切にする。電話番号やメールアドレスを入力するだけの後払い決済「BNPL」(バイ・ナウ・ペイ・レイター)はZ世代を中心に約4人に1人が利用する。Z世代が変える決済の最前線を追った。
「電子商取引(EC)サイトの買い物はペイディ」。都内のPR会社で働く20代の女性は最近、日用品や化粧品などを購入するECサイトの決済手段をクレジットカード(クレカ)から、後払い決済サービスのPaidy(ペイディ、東京・港)に置き換えた。
「クレカは16桁の番号を入力するのが面倒。ペイディならスムーズに買い物ができる」と満足そうに語る。
メルカリの子会社メルペイが2021年に実施した調査によると、20〜30代の約4人に1人は3000円未満の物品は5分以内に購入を即決し、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する。マネパはマネーパフォーマンスの略でお金の多寡ではなくどう効率的に使って管理するかを重視する。
Z世代の間でBNPLが普及する背景には、決済への2つのこだわりがある。1つは速さだ。
QRコードを使った手軽な決済が日常に溶け込むなか、オンライン上でも簡便な決済を求める動きが強まる。
「新型コロナウイルス禍にECを使う機会が増え、BNPLの利用も増えた」(メルペイ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが22年に実施した調査では、BNPLを利用する利点として約25%が「クレカ番号を入力せずに購入できる」を挙げた。例えばネットプロテクションズが提供する会員制後払いサービス「atone(アトネ)」は、事前登録なしでメールアドレスと電話番号を入力すれば決済できる。
もう一つは「効率のよい消費」へのこだわり。
Z世代は自分の欲しいものや体験を早く効率よく手に入れたいという欲求が強い。
BNPLは事業者が支払いを一旦立て替えるため、手元に十分なお金がなくても物品などを購入できる。
「欲しいものは後払いなど手段を工夫しながらできる限り早く手に入れたい」。ペイディが22年に20〜30代を対象にした調査では、61.6%がそう回答した。同社で最高マーケティング責任者(CMO)を務めるコバリ・クレチマーリ・シルビア氏は「Z世代はマネパを重視する。自分が得たい体験や物をどう効率よく手に入れるかを賢く考えている」と分析する。
Z世代はお金の管理にも効率性を求める。
メルペイが21年に実施した調査によると、20〜30代がBNPLを利用する理由として、34.8%が「利用金額の把握のしやすさ」を挙げた。
各社はいつ、何にいくら払ったかを、アプリですぐに視覚的に確認できるほか、使いすぎを防ぐために限度額を自由に設定できるサービスなどを提供する。
BNPL利用者の約7割はクレカも持っている。「払った後すぐに確認ができず、利用金額を把握しにくい」(20代女性)といった声は根強い。JCBの調査によると21年時点の20代男女のクレカ保有率は、全世代の平均より10%ほど低い。
ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は「社会保障に対する不安が強い若い世代は、収支に対し慎重で合理的な消費行動をとる」と指摘する。
お得感を追求し節約に余念がない一方、自分がよいと思うモノや体験にはお金を使う傾向がある。金融サービスを提供する事業者は若年層の心理変化やニーズを機敏に捉える必要がある。