インフォメーション
日野の不正が移す組織の闇 建設的に『NO』と言える職場に
日本経済の基盤である製造業の不祥事が止まらない
昨年は三菱電機の社長が辞任に追い込まれ、今年は日野自動車の不正が発覚し、日野は完全に機能不全に陥っている
最近では業種は違うがSMBC日興証券、大和ハウス工業、その他金融業多数など大手だからと言って安心できるということは全くない
浮かび上がるのは目標達成一番、閉じた企業体質、セクショナリズム、逆らえない風土である
日野の例だが、もともとは税制優遇をとるために超高性能のエンジンを開発するというある社内の権威者が発端 彼が言うことは『必達』と同義語であった
しかし何度試験を繰り返しても、彼が言う水準のエンジンが開発できなかった。通常であれば目標を取り下げるのが筋であるが、なんと日野はできないことがわかっているのに役員に対して『達成できます』という報告を回している。社長まで回ってしまってはもう後戻りはできない状態に追い込まれてしまった。
そのツケが、燃費値を測定するパワートレーン実験部に回ってきた
実際、パフォーマンスが出ていないのに、『達成している』という報告書を上げてしまったのだ。
しかし最後の最後に不正をしたこのパワートレーン部署の人達はどんな気持ちだったのだろう。ほんとに気の毒な気持ちにさえなる。
誰だってそんな報告をしたくないのに『できた』と報告せざるを得ない状況というのは異常である
この事象を見るに、想起したのは、日大アメラグ部もタックル事件である
1.強力な圧力
2.圧力はあるが上からの明確な指示はない
3.当事者の孤立無援
この3つが重なると不正がおこってしまうのである
企業経営者は
自分が裸の王様になっていないか
利益目標達成が一番になっていないか
部下が『NOと言える』風とうしのよい社風か
を常に心掛けていないと、ある日突然、自分がまったく知らないところで、不正が行われて、かっこの悪い記者会見を開き信用失墜してしまうことを肝に銘じないといけない