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議会質問&会派取組

2011-11-30 14:47:00

●住みよいまちづくりのための環境対策条例について

◎ 松波謙太議員

 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。
 住みよいまちづくりのための環境対策条例についてお尋ねいたします。
 9月の第3回定例会で、本市の環境対策についてお尋ねしたところ、本市の住居環境、空き家、空き地対策については、本市の環境保全条例の規定に基づき、空き家については所有者等に文書、口頭で指導し、空き地に繁茂する雑草については草刈り機を貸し出し、また広報に生活環境、公衆衛生の向上記事を掲載し啓発に努めているが、指導に応じない所有者等には法的拘束力がなく、対応する方法がないので調査研究するとの答弁をいただきました。今後、核家族化や少子高齢化はさらに進み、空き家、空き地の増加傾向は拡大し、本市の住みよいまちづくりに、生活環境の改善対策は早急かつ強力に推進すべきと考えます。私自身が仄聞している海塚を除く北校区と新町の広報配布世帯数1,964件に対し、空き家、空き店舗264件、空き地102件があり、現状においても無人の状態で空き家、空き地が放置されることで、近隣住民にさまざまな問題が降りかかっています。
 9月の定例会で、空き家、空き地に対する苦情内容の数々を申し述べましたが、保全もせず長年放置された空き家は壁板や屋根の一部が崩れ、木の枝や葉が道路や隣家にまで生い茂り、衛生面も不十分で害虫や猫、ネズミのすみかになっています。また、地震、台風、豪雨の災害発生時には建物倒壊の危険性があり、隣家を損傷し前面道路をふさぎ、通行の支障となることも想定され、もし避難通路であれば重大な問題です。隣近所の関係が薄れ、住民間で問題を解決できなくなっている昨今、こうした近隣住民がこうむる迷惑を取り除くことが、本市としての責務であります。本市として空き家、空き地の実態調査を行い、所有者への適正管理を求め、指導、助言、勧告、命令の規定を盛り込んだ条例が今求められています。また、適正管理を進めていく手段として、行政はさらに地域や所有者との連携、協力、信頼関係を深め、改善していくことも必要であります。
 私たち新政クラブは、千葉県勝浦市と島根県松江市に条例に関する行政視察を行ってまいりました。両市において、勧告などに従わない所有者には行政処分を設けておりますが、良識ある所有者に恵まれ、行政処分を行ったことがないと聞き及んでいます。しかし、非良識な所有者も今後否定できないため、命令に従わない場合、強制執行の一つである行政代執行に移る規定を盛り込んでいます。新しい条例化により、これまで所有者を調査し、お願いするだけであったものが、市民の安心・安全のまちづくりを優先とし、非良識な所有者に命令という強制力を持った形で行うことができるようになります。
 国土交通省においても、自治体が実効的に対応できる方策が必要であることを深く認識しておりながら、いまだ根本的な指針を示さない現状下において、自治体が独自の条例を制定する機運はますます高まってきています。このような条例を独自で制定に乗り出した自治体が和歌山県を初め、市、町合わせて10箇所、条例検討中の市が9箇所あります。長期間放置され、倒壊の危険性、近隣住民への迷惑行為や放火などの犯罪を誘発するおそれのある空き家、空き地をなくすため、所有者には必要な措置を命じることができ、適正管理を呼びかけ、改善されない場合は、市による問題家屋、土地の立入調査と名前の公表、罰則も必要と考えます。市民の快適で安全な生活環境を実現するために、行政処分も含んだ条例が必要不可欠と考えます。
 9月の第3回定例会におきまして、環境対策については調査研究するとのご答弁をいただきましたが、現在までの調査研究の進捗状況と、行政として早急なる新しい環境対策条例づくりをお考えになっておられるのかお尋ねいたします。
 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。


◎ 理事者答弁

 前回の9月議会以降、行政代執行や罰則規定を有する条例を施行している自治体に対し、適用の有無や未対応者減少効果等について調査を行ってまいりました。行政代執行を実施した自治体は、三重県名張市のみで、罰則を適用した自治体はありませんでした。名張市では、ベッドタウンとして開発された住宅団地の空き地対策として、平成20年度に改正条例を施行以来、11件の行政代執行を実施しており、要した費用は現在のところ100%回収されていますが、苦情発生から代執行まで早くとも5箇月程度を要し、将来的には未収金の発生や財産権の侵害を問われる可能性は否めません。
 また、未対応者減少効果につきましては、近年条例制定を行った自治体に問い合わせを行ったところ、各市ともはっきりと確認できる効果があったという回答は得られませんでした。さらに、罰則規定につきましては、適用しても不適正な管理が解消されないという問題があります。
 これらの課題がある中、今後も調査を継続し、より効果が期待できる手法を検討してまいりたいと考えております。

◎ 松波謙太議員(再質問)
 1点目は、先ほどの答弁の中で、近年条例制定を行った自治体に問い合わせたが、未対応者減少効果についてははっきりとした確認できる効果はなかったと。また罰則規定についても、適用しても不適正な管理が解消されないとお答えいただきました。しかし、条例化されることにより、非良識な所有者に対し抑制効果は期待でき、また名張市においても行政代執行通知後、みずから所有者の責任を果たしたということも仄聞しています。
 今後、良識ある所有者ばかりでないことと、早急なる対応に迫られる事態を想定すると、環境対策条例をいち早く制定すべきと考えます。本市としていかがお考えなのか再度お尋ねいたします。
 もう1点、2点目は同じく先ほどの答弁の中で、課題がある中、今後も調査を継続し、より効果が期待できる手法を検討していくとの答弁をいただきましたが、我々新政クラブ自身も条例案を作成し、3月議会に向け提出の予定であります。市民からの苦情を聞き、条例の先進市視察を行っている我々と協力しながら検討していくのも一つの手腕かと思われますが、その辺いかがお考えなのかお尋ねします。

◎ 理事者答弁
 1点目の分なんですけれども、行政代執行を条例で制定している自治体に問い合わせをしましたところ、共通して言えることにつきましては、あくまで抑止効果をねらって策定しているという調査結果がありました。
 また、課題につきましても、指導とか勧告、命令等で幾ら言ってもそのように代執行に従ってくれないという場合もありまして、費用まで払ってもらえるかという大きな課題もあります。また、一番大きな課題につきましては、行政代執行法や財産権等の大きな課題もあります。これらの課題はあるんですけれども、これからも調査を継続して検討はしていきたいというふうに考えております。
 あと、2点目につきましてですけれども、空き地、空き家対策につきましては、条例化も含めてより効果が得られる対策など、ともに協力をさせていただきたいというふうに考えております。