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議会質問&会派取組

2008-12-02 14:07:00

◆グーグルストリートビュー問題について・野良猫対策について・今後の保育所の在り方について

 

◎南野敬介議員
 お許しをいただきましたので、質問させていただきます。
 今年は「すべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利とについて平等である」とうたわれた世界人権宣言が1948年12月10日に国連で採択され60年目となります。人権宣言の基本精神は、国連の最大の目標である恒久平和の実現のために人権は不可欠であるとの考え方にあります。未曾有の被害を出した二度の大戦への反省から、人類普遍の価値として確認されたものでありました。
 しかし、子どもたちへの虐待やDV、外国人労働者への差別など、まかり通っているのも現実であります。グローバル化で競争激化が進む中、ホームレス問題や非正規労働者、ニート、フリーター等が激増し、格差社会が進行する今こそ、世界人権宣言の精神を改めて見詰め直し、60年を迎えた今だからこそ社会に深く広めていく必要があると考えております。
 そこで、私の質問の一つ目ですが、Google(グーグル)ストリートビュー問題についてお伺いいたします。
 インターネットで道路沿いの風景写真を閲覧できるサービス、ストリートビューをめぐっては、世界的に議論が起こっています。ストリートビューは、アメリカネット検索最大手のグーグル社のサービスであり、ネット上の地図で特定地域を閲覧すると、地上2.5mの高さから撮影した360度のパノラマ写真を無料で見られるサービスであります。大阪でも、現在大阪市内を中心に、南は和泉市あたりまで閲覧でき、グーグル社の車が屋根にカメラを載せて走り回る姿も目撃されております。
 このストリートビューは、外出の計画に利用できるなど便利さの一方、自宅が勝手に世界じゅうに公開されるプライバシーなき社会が加速するおそれもあります。写真には人の顔や自宅の様子、洗濯物などプライバシー侵害に当たるもの、表札の文字や家の様子から家族構成など読み取れるものも少なくなく、空き巣などの犯罪に利用されるおそれもあります。
 また、現在大阪では、被差別部落の地名を記した「部落地名総鑑」が流出している現実が確認されています。このようなストリートビューと地名総鑑とを照らし合わせて新たな人権侵害につながるおそれもあります。
 このストリートビューに対して、世界的にはカナダではプライバシーの保護に関する法律との兼ね合いでサービス開始には至っていませんし、アメリカではプライバシー侵害訴訟が起き、EUデータ保護監視局は懸念を表明していると仄聞しております。
 そこで、貝塚市としてグーグル社のストリートビューに対する見解をお尋ねいたします。
 次に、二つ目の野良猫対策についてお尋ねいたします。
 昨今、市内でも野良猫が生息し、野良猫が引き起こす住民からの苦情が多数寄せられています。ふん害や尿のにおい、庭やごみを荒らすなど、被害は多岐にわたっています。何とか解決しようと保健所等に解決を求めても、法的根拠がないため、猫は確保することができないのが現実です。そのような状態の中で、地域住民の間では野良猫を何とか駆除できないかという意見、一方で、野良猫といえども一つの命であり守ってやるべきなど、二つの意見が対立しているのが現状ではないでしょうか。
 日本全国でさまざまな取組みが行われているようではありますが、近くでは尼崎市が野良猫対策としてボランティア活動講習会を開催したり、不妊手術の助成金を創設したりしています。現在、貝塚市内でも個人が自己負担で不妊手術をしているともお聞きしたり、ふん尿の清掃をしたりしていると仄聞いたしています。そうした個人がボランティアとして取り組むことも重要ではありますが、そうしたボランティア育成、効果的な野良猫対策などの対応が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 そこで、今現在、貝塚市では野良猫対策としてどのような方針で取り組んでいるのか、また今後の対策はいかがお考えかをお尋ねいたします。
 次に、今後の保育所のあり方についてお尋ねいたします。
 現在、貝塚市内では民間、公立を合わせて17の保育所があり、来年度は合わせて約2,000名の定員で募集されています。また、来年度は新たに保育園も新設され、子どもを持つ親にとっては保育環境が充実されることは大変喜ばしいことであります。
 しかし、多様化する保育ニーズや少子化が進む中で、今現在の保育所の数、定員規模、また老朽化している公立保育所の今後のあり方など、今現在どのようにお考えかをお尋ねいたします。
 以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

 

◎吉道勇市長
 南野敬介議員の質問にお答えを申し上げます。
 3点ございますが、そのまず第1点でありますが、グーグル社が今年8月から開始したストリートビュー機能は、通行人や道路沿いの家屋などの写真をさまざまな角度や大きさで見ることができるインターネット上の無料サービスで、便利であると評価する意見がある反面、通行人の顔や車のナンバープレートが写っている場合もあることから、肖像権やプライバシー侵害といった人権的な観点、また防犯、セキュリティという安全面からその悪用を懸念する声も上がっております。
 グーグル社では、撮影する道路は公道からに限っており、私道や敷地内に入っての撮影はしていないこと、人の顔については自動認識によるぼかし処理を行っており、車のナンバープレートなどについては解像度の問題でほとんど識別できないと思われるため処理を行っていないと説明をしております。
 しかしながら、こうした処理が完全でない場合もあり、また、知らないうちに写されてしまった人物や個人宅の敷地内などがネット上に一たん掲載されてしまうと、削除要求しなければ公開され続けることとなり、議員御指摘のとおり、防犯上の不安を感じるところがあります。さらに、インターネットに接続しておらず、どのような画像が公開されているかも確認できない人への対応など、さまざまな問題があると考えております。
 また、近年、インターネットの匿名性を悪用した差別事象が発生しておりますが、電子掲示板などにおけるストリートビューサービスを悪用した事象の発生も懸念されており、新たな課題であると認識しております。
 2番目でございますが、犬や猫に関する苦情はいろいろありますが、特に猫につきましては、議員御指摘のとおり、庭を荒らすとか、ふん尿の悪臭がひどいといった内容が多くなっているところであります。犬につきましては、狂犬病予防法に基づき、飼い主に登録義務が課せられており、登録されていない等、いわゆる野良犬につきましては捕獲できることとなっておりますが、猫につきましてはそのような規定が存しませんし、どの猫が野良猫なのかもニャンとも判明しがたいのが実情であります。また、道路にキャットフードを置くなどして猫にえさをやっている市民もおり、猫にかかわる問題は犬の場合より複雑となっているのが現実であります。
 このような問題に対処するため、市では広報のほか、平成18年度からは動物愛護団体の御協力をいただきながら、貝塚警察署との連名でペットを遺棄した場合の罰則など動物愛護に関するポスターを作成し、動物愛護週間前に各町会や公共施設に掲示をお願いいたしているところでございます。
 野良猫をふやさないためには、まず飼い主が室内飼いを徹底するほか、避妊手術に努めるなどの自己責任を果たすことが基本であり、他の市民もむやみにえさをやったり、えさになるようなものを放置しないように心がけていただく必要があります。
 市といたしましては、このことについて、広報等を通じて周知を図るとともに、大阪府や動物愛護団体等と協働して動物愛護精神の醸成に努めてまいります。
 第3番目、保育所のあり方についてでございます。
 近年の少子化の流れはあるものの、核家族化や景気の低迷による共働き世帯の増大により、保育所に入所希望する児童は増加の一途をたどり、本市におきましても就学前児童の3人に1人が保育所入所を希望される状況にあります。そのため、本市では子育て支援の重点課題として待機児童の解消に取り組み、平成13年度より既設保育所の定員変更や新設園の開設を行い、毎年100名程度の定員増を図ってきたところであります。今後におきましても、本市では東山丘陵開発を初め市内各所で住宅開発が行われており、引き続き保育所入所を希望される児童は増加するものと考えております。
 また、将来的な保育を取り巻く環境を考えるに、地域の連帯意識が希薄化する中、子育て家庭が抱える育児不安や孤立化などの課題を解決するため、地域での子育てを支援する体制づくりとしての保育所が果たす役割は非常に重要であると考えております。
 本市といたしましては、今後とも子育てを取り巻く状況を的確に把握し、保護者のニーズに応じた保育サービスの提供、質の高い安定した保育所運営など、時代に即応した保育所づくりに努めてまいります。


◎南野敬介議員
 どうもありがとうございます。自席から再質問を1点だけさせてもらいたいなというふうに思っています。
 グーグル社のストリートビューの問題なんですけれども、確かにホームページとか見たら削除を要求したらその画像を修正したりしてくれるというふうな、ネット上でもそういうようになっていますが、ただ、貝塚市に来るのが何年先になるのかちょっとわからないんですけれども、その貝塚市の道路上が写し出された段階で、やはり注意を呼びかけるというか、その方法は必要じゃないんかなというふうに思っています。というのも、だれもがインターネットを見られるわけでもありませんし、どんな状況で撮影されているかというのは、いざふたを開けてみなければわからないというふうな状況でもあると思いますので、市民に対して啓発と言いますか、広報を使ってか、またホームページ上になるんか、いろんな方法があると思うんですけれども、このストリートビューに掲載されたときの対応というんですか、を考える必要があるんではないかなというふうに思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。

 

◎副市長
 きのうの人権を守る市民の集いでも私、お話をさせていただいたと思うんですが、ここ10年ぐらいでインターネット社会は急速に発展したと言われております。その頂点に立つのがグーグル社であります。今、南野議員がおっしゃっていますように、ストリートビューに限らず、私、きのうのお話の中で言いましたように、市としてもやはりこのインターネット社会の進展の中で、人権の視点とか他人への配慮をするという視点はぜひとも必要であると考えております。しかしながら、このストリートビューにつきましては全世界が対象ですので、今後とも府とか近隣の市町村とも連携を図っていきたいと、このように考えています。


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