Welcome

議会質問&会派取組

2018-02-01 10:46:00

 

 

pdf 2018.2.1空き家セミナー.pdf (0.25MB)

↑ PDFはこちら

 

参加者 新政クラブ 松波 謙太  阪口 芳弘

 

平成30年2月1日午前9時30分に、豊島区東池袋Ⅰ-6-4伊藤ビル8Fアットビジネスセンター池袋駅前別館へ到着する。

 

報告1「空き家に関する地方公共団体の取り組み」について神奈川大学法学部教授 幸田 雅治先生にレクチャーを授ける。

 

 

1.空き家に関する現状と課題

 

 ・総住宅数は6063万戸と、5年前に比べ、305万戸増加している。

 

 ・空き家数は820万戸と、5年前に比べ63万戸増加している。

 

 ・空き家率は13.5%と0.4ポイント上昇し、過去最高である

 

 ・共同住宅は2209万戸で、5前に比べ、141万戸増加している

 

 ・住宅全体に占める割合は、42.4%と5年前に比べ、0.7%ポイント上昇

 

 ・現状が継続することを前提とすると、2100年には日本の総人口は5千万人  弱まで減少し、明治末頃の人口規模になる。

 

 ・高齢者人口のピークは2040年。以降減少し、前期・後期高齢者比率は団塊の世代が到達し始める2020年に逆転し、以降は「75歳以上の人数の方が多くなる」状況が継続。

 

 ・住宅総数(約6,060万戸)は総世帯数(約5,240)に対し16%多く、量的には充足。

 

 ・空き家の総数は、この20年で倍増。空家の内「賃貸用又は売却用」の増加率は減少しているが  ・「その他の住宅」の増加率は増大している。

 

2.空き家対策条例の制定状況

 

 ・平成22年7月 所沢市空き家等の適正管理に関する条例

 

 ・平成26年4月1日時点で355条例が制定。

 

 ・平成27年4月1日時点で、431条例が制定(いずれも国土交通省調査)

 

様々な空き家条例

 

 ※見附市 

 

 ・老朽危険空き家等の認定→住宅に適用される固定資産税の軽減措置の適用を解除

 

 ・緊急安全措置同意→2年間減免

 

 ※足立区(木造住宅を多く抱える)

 

 ・指導又は勧告→指導、勧告に従って措置を行う者に対して助成。

 

 ※豊島区(都市部である豊島区における空き家発生の原因を分析し、その解消を図るもの)

 

 ・平成11年以前は完成時の検査が行われていない住宅が8割から9割を占めており、市場流通を妨げているために、完成時に遡って当時の法律に基づき区長が審査を行い、適合書を交付する。

 

3.空き家対策特措法の問題点

 

・空き家は、その原因等を含め地域の実情が異なっており、地域の実態を踏まえて条例で制定することが適切な分野の行政である。法律で一律の仕組みを規定しようとすることは無理がある。

 

・多くの自治体で条例を制定し、対応してきたものをあえて法律で定める必要性は低いし、途方分権の観点からは有害である。国は本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な自治の本旨に基づき、かつ、国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえたものでなければならない。

 

・長屋が対象にならないなど、空き家の定義が実情にあっていない場合がある。

 

・既存条例では、緊急性の必要がある場合には、「助言、指導、勧告、命令」を省略して命令することができるものが相当あったが、空家法では手続きを省略することは認められていない。

 

・空家法では倒壊への対応に迅速に対応できない。

 

4.議会・議員の役割

 

・空き家・ごみ屋敷に関する現状把握

 

・議会の重要な機能である「監視機能」を発揮する事が求められる。

 

・生活環境への悪影響のかんする住民からの相談と対応。

 

・法律では対応できないため、地域の実情に合った条例を制定する。

 

・空き家等対策計画を議決事項として追加する。

 

 

報告2「空き家対策の実務」について

 

 弁護士の太田 雅幸先生にレクチャーを授ける。

 

1.空き家に実情

 

2.空き家の累計

 

3.空き家増加の原因、自治体の対応

 

4.空き家に伴う弊害

 

5.空き家対策条例の制定→特措法制定へ

 

6.空き家対策特措法の基本構想

 

7.特措法の対象

 

8.空きマンション住宅等について

 

9.空き家等の認定

 

10.特措法上の「特定空き家等」の定義

 

11.特定空き家等の認定

 

12.比例原則・裁量統制

 

13.特定空き家等と住民のいるごみ屋敷等

 

14.特定空き家等の認定

 

15.従来の住民が住所不明

 

16.従来の住民不明の施錠空き家に立ち入り調査(不在者財産管理人)

 

17.従来の住民不明の施錠空き家に立ち入り調査(条例に開錠権限を規定する)

 

18.開錠権限の創設

 

19.自治体に特定空き家等に対する権限があることに住民からの求めや請求

 

20.体制

 

21.権利者の調査

 

22.相続人調査における注意点

 

23.権利調査を経て、「相続人があることは明らかでない場合」

 

24.相続財産管理人の選任申立

 

25.権利者の調査(相続放棄をしていると回答があった場合)

 

26.権利者の調査(未登記建物)

 

27.特措法の14条設置について

 

28.緊急安全設置について

 

29.除去の代執行に当たった動産の取り扱い

 

30.家族信託の活用

 

31.相続共有者に、生ずべき民事責任を感銘させる措置

 

32.土地工作物責任者の裁判例

 

33.相談体制

 

 

報告3 「空き家法の実施と自治体の可能性」について

 

上智大学法学部教授 北村 喜宣先生にレクチャーを授ける。

 

1.空き家行政の展開

 

所沢市条例制定以降、空き家法制定の時期(2010~2014)

 

空き家法制定後、ガイドライン最初の見直し前(2014~現在)

 

空き家法改正以降の時期(2012~

 

2.空き家法の制定

 

3.空き家法の実施状況

 

2017年度代執行13例・略式代執行47例 拡大傾向にある

 

4.認定

 

認定した以上、代執行まで視野入れるか、行政指導に重点を置くかは市町村に任せられる

 

5.助言・指導

 

意志無能者の場合は成年後見人が付されている必要がある

 

6.勧告

 

7.命令

 

8.行政代執行・略式代執行

 

法14条10項の略式代執行を積極的に活用、2017年現在で34件

 

売却による換価可能な土地は財産管理人制度を利用して回収

 

略式代執行をせずに財産管理制度の利用は可能、しかし特定空き家等の状態により判断する。

 

9.略式代執行徴収の手続

 

略式代執行がされた後で義務者が判明した場合、代執行に要した費用を強制徴収することはできない。

 

10.注目される財産管理制度

 

従来の住所又は去ったものがその財産の管理人を置かなかったときは、家庭裁判所は利害関係人又は検察官の請求によって相続財産の管理人を選任しなければならない。

 

11.空き家法における不作為と国家賠償の可能性

 

国家賠償法1条1項 国又は公共団体の公権力に当る公務員がその職務を行う(権限の不行使も含まれる)につい故意又は過失によって違法に他に損害を加えたときは国又は公共団体がこれを賠償する責めに任ずる。

 

12.空き家法制定後の条例状況

 

空き家法前よりはるかに多様な構成と内容の条例が制定されている

 

13.条例の適法性の説明

 

徳島市公安条例事件判決

 

14.時間的前置条例

 

京都市空き家等の活用、適正管理に関する条例

 

高岡市老朽空き家等の適正な管理に関する条例

 

15.対象追加条例

 

京都市空き家等の活用、適正管理に関する条例

 

多久市空き家等の適切な管理に関する条例

 

16.法律実施条例

 

明石市空き家等の適正な管理に関する条例

 

森岡市空き家等の適正管理に関する条例

 

北上市空き家等対策条例

 

京都市空き家等の活用、適正管理に関する条例

 

17.法律実施条例

 

日野市空き家住宅の適正な管理及び活用に関する条例

 

鳥取市空き家等の適切な管理に関する条例

 

略式代執行費用徴収

 

18.空き家法後の条例にみる疑問点

 

少なからず条例がやらかしている法制執務条のミス

 

条例において、法2条1項「空き家等」、法2条2項「特定空き家等」であることを意味したいために同じような文面を用いているが、法との対象に対して意味のない二重規制状態が生まれる。

 

19.空き家法の改正

 

以上、視察報告と致します。

 


2018-02-01 10:20:00

 pdf 2018.2.1地方議会研.pdf (0.4MB)

↑ PDFファイルはこちらから

 

参加者

新政クラブ代表 真利 一朗  新政クラブ 南野 敬介

 

報告1 「公共施設などの再編と議会の関わり方」

 

 平成30年2月1日午前9時30分頃、東京都豊島区東池袋1-6-4伊藤ビル 8階アットビジネスセンター池袋駅前別館へ到着。

 P1110528.JPG

 第1講の「公共施設などの再編と議会の関わり方」について㈱地方議会総合研究所代表取締役・明治大学政治経済学部講師の廣瀬和彦氏より講演をいただきました。

 

 主な内容は・・・

1.公共施設等とは

2.公共施設などの現状と問題点

3.公共施設等に対する国のスタンス

4.公共施設等総合管理計画を追加議決事件について

5.立地適正化計画との兼ね合い

6.公共施設の再編・統廃合における先進事例(泰野市・さいたま市)

7.議会として住民合意形成へどうかかわるべきか

でした。

 

その中で、

1.公共施設等とはについては

 

 公共土木施設(インフラ)と公共施設(ハコモノ)に分類されその4割から5割が学校教育施設等が占める。

 

 インフラとハコモノのどちらを優先的に取り組むかの判断が重要であるとの事です。

 P1110530.JPG

 また地域のコミュニティーを考えた時には小学校区範囲を一つの基軸に考えないといけないとの視点が重要である。

 

2.公共施設などの現状と問題点については

 

 インフラを廃止する事は基本的には考えられない。(用途廃止など以外)継続するしかないが、ハコモノは廃止・統合があり得る。

 

 また検討もしないといけない。

 

 しかしハコモノを新しく建設するためには一般財源を圧縮することを念頭に置く。

 

3.公共施設等に対する国のスタンスについては

 

 東日本大震災、熊本大震災等で庁舎が崩壊する事案が発生。あらためて安心安全なハコモノの必要性が高まった。

 

 公共施設等を整備するには、施設の再編・統廃合が必須。

 

 日本創生会議・人口問題検討分科会の増田レポートを受けて人口減少と公共施設・地域の再編が謳われた。

 

 その結果自治法の改正や骨太の方針など提案される結果となった。 

 

4.公共施設等総合管理計画を追加議決権事件については

 

 多くの自治体では公共施設等総合管理計画は理事者からの報告事項のみであって審議事項になっていないのはないか?

 

 議員の役割として公共施設の管理・監視も議員の役割である。地方自治法第96条2項に定める議会で議決すべき事件を規定することができる。

 

 現在国内において秩父市と知立市が規定されているのみ。

 

5.立地適正化計画との兼ね合いについては

 

 インフラの長寿命化計画の体系図をもとに地方が施設等総合管理計画に明記された個別的に取り組まれる。

 

 管理計画についても現状から将来像の見直しが必要である。

 

6.公共施設の再編・統廃合における先進事例(泰野市・さいたま市)

 

 さいたま市においては市町村合併に伴い公共施設が1700件存在し統廃合は避けては通れない課題であった。

 

 独自にハコモノ三原則とインフラ三原則を公共施設マネジメント計画の中で位置づけた。

 

(ハコモノ三原則)

 

①新規整備は原則として行わない

 

②施設の更新(建替)は複合施設とする

 

③施設の総量(総床面積)を縮減する

 

(インフラ三原則)

 

①現状の投資額(一般財源)を維持する

 

②ライフサイクルコストを縮減する

 

③効率的に新たなニーズに対応する

 

というものです。

 

ライフサイクルコストの縮減については、建設費用だけでなく、その後の維持管理・光熱水費なども視野に入れて検討しているとの事です。

 

7.議会として住民合意形成へどうかかわるべきかについては

 

 さいたま市、秦野市でも課題となったのですが、そこは議員の役割が重要であるとのこと。

 

 大規模施設の建設となると建設のプロであるJVが住民の意見をそのまま受け入れることは考えにくい。

 

 建設業界のプロとして素人の想いなどは伝わらない。またプロジェクトが市民一人一人の意見を取り入れる事は考えにくいし全ての市民の合意は不可能である。

 

 議員の役割の一つにそうした市民からの意見をどうこなし形として作っていくかが重要であるとの認識が示されました。

 

 最後にまとめとして・・・

 

 議員の役割としては公共施設の運営にも積極的に関わりながら市のまちづくり全体で考える必要が重要であるとまとめられました。

 

 

 

 

報告2 「公共施設のあり方と地方議会の役割」

 第2講は「公共施設のあり方と地方議会の役割」について神奈川大学法学部教授・弁護士の幸田雅治氏より講演をいただきました。

 

 主な内容は・・・

1.公共経営とは

2.指定管理者制度採用のあり方

3.指定管理者制度における議会の役割

4.指定管理者基本条例案

5.公共施設総合管理計画

6.公共施設の再編・多様化機能化を進める際の住民合意形成のあり方

7.公共施設に関する議会・議員の役割

でした。

 P1110535.JPG

1.公共経営とはについて

 

 地方公共団体の権限が徐々に拡大しつつある。その中で住民の多様なニーズの把握、意識改革が必要。

 

2.指定管理者制度採用のあり方については

 

 多くの自治体で取り組まれているが問題も多数発生。特に指定期間が決まっているため引継ぎ時にトラブルも発生しやすい。

 

 指定管理であらねばならいではなしに地域の独自性で判断すべき。

 

 成功と失敗の両方から学ばないといけない。

 

3.指定管理者制度における議会の役割については

 

 適正に運営されているのかどうか、会計は適正か等チェックする必要がある。また評価するシステム作りも重要。専門性の高い評価システムの構築が必要である。

 

 事故が発生した静岡県ではいち早く制度改善を行い標準スタイルを確立させた。

 

 第1は管理施設の利用者の安全確保が重要。

 

4.指定管理基本条例案については

 

 モデル条例として提案されました。今後指定管理を進める中で条例化することで基準など明確にする必要がある。

 

5.公共施設総合管理計画

 

ニーズの把握、マネジメントの基本方針、合意形成を図かる必要がる。平成26年総務省指針により所有施設の現状把握、基本的な方針、地方財政措置(特別交付税措置)など踏まえた取り組みが必要。

 

6.公共施設の再編・多様化を進める際の住民合意形成のあり方

 P1110534.JPG

 量と質の問題で維持管理も踏まえた施設数。老朽化した施設への修繕・改善など検討が必要。

 

 建築30年で大規模改修、60年で建替えという流れ。

 

 幅広い市民参加のプロセス。その中で議員が市民意識をくみ上げ議会へ反映することが大切。

 

 事務局を行政が担うことは望ましくないし中立性を持ったファシリテーターが必要(実はこれが一番難しいかも)

 

 海外で取り組まれているオープンハウス(パネル型展示説明会)の実施も取り組んではどうか

 

7.公共施設に関する議会・議員の役割

 

 先の市民の意見をくみ上げる役割、審議の監視、運営の監視を行う。

 

  というものでした。

 

 


1