梅雨時期の養生
梅雨(気象病)
梅雨とは、五月末から七月中旬にかけて雨や曇りの日が多くなる時期の事です。私たちのカラダは知らないうちに天候に影響を受けています。ジメジメとした日が続くことで気分が晴れなかったり、やる気が出ないなどの何らか不調をきたす事があるかもしれません。天気予報でよく耳にする、「気温」、「気圧」、「湿度」などがカラダに変化もたらせ不調の原因へとつながります。雨が降り続いたり、晴れと雨の頻繁の繰り返し、気圧や気温の激しい変化によって、私たちのカラダはその変化に対応する力が弱まります。気象の変化についていけず体調に影響を及ぼし、何らかの症状が出たり、悪化させたりすることを「気象病」といわれています。天気の変化が原因で症状が現れることから別名は「お天気病」とも言われています。
そんな気象病の患者数は推定1000万人ともいわれ、非常に多くの方が天気に影響を受けているのは実情です。
気象病の代表的な症状
・古傷の痛み・頭痛・吐き気・めまい・疲労感・倦怠感・首肩こり・低血圧・関節痛
・手足のしびれ・プチうつ
気温、気圧、湿度などの気象の激しい変化によって自律神経が乱れることが原因で気象病は起こると考えられています。その中でも気圧の変化は大きく、私たちのカラダに影響を及ぼしているのです。「今日は関節が痛むから明日は雨が降る…」と明日の天気を気圧などの変化によって察知されるような方もおられます。
この時期は特に天候に順応していくことが重要です。

五月病と六月病について
「五月病」も「六月病」も正式な病名ではありません。
そもそも五月病という言葉は1960年代後半に出てきた言葉だと言われています。高度経済成長期に受験戦争で厳しい受験を強いられた中で、超難関大学に入学した学生が五月にだんだん学校へ来なくなった経緯があり、そこから五月病をいう言葉が名付いたみたいです。
六月病はまだ最近言われ始めた言葉でまだまだ定着していない言葉です。五月病も六月病も「適応障害」のひとつと考えられていますが、五月病が急に起こるものとすれば、六月病は慢性的に続くもので厄介な方は六月病かもしれません。初期症状の五月病の段階でケアしてあげることができれば五月病からうまく切り抜けられるはずです。
五月病は、ゴールデンウィーク明けから主に新入社員や新入生に見られるケースが多く四月からの環境の変化に伴い、ストレスが原因となり発症する急性の適応障害です。
六月病は新入社員や新入生だけでなく、人事異動などで環境に変化が出た社会人などにも多く、幅広い年齢層にも影響を及ぼしています。五月病も六月病も同じくくりに思われがちなのですが、この二つは同じように見えるだけで実際は大きく異なります。五月病と六月病は違う性質で、六月病はうつ病の入り口の状態だと言われています。特に頑張りすぎる方、無理しすぎる方は要注意です。どんなことでも適度が大切です。

意外と多い六月の熱中症患者とその原因
熱中症は夏の時期が一番起こりやすいのですが、六月の梅雨時にも注意が必要です。年々気温の上昇に伴い、高温多湿となり、また気圧の変化も著しく、月の過去最高気温を各地で更新しているのが現状です。そんな気温の上昇にカラダが対応できず、例年と同じように過ごしてきたから今年も大丈夫!なんてことはもう適切ではありません。ひと昔であれば、熱中症が六月に起こるとは考えづらかったかもしれませんが、今は考えられる時代に変化しています。
人は「体温調節機能」を持ち、温度が上昇した場合、発汗や皮膚温度上昇によって熱が体外に放出されて、適切な温度を保とうとするシステムを備えています。高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かず熱がこもってしまった状態が熱中症です。六月に熱中症患者が増加傾向にあるのは、カラダが暑さにまだ慣れていないのに急な気温上昇が原因です。熱中症になりやすいのは、高齢者や乳幼児や肥満の方です。また、激しい運動をしたり、屋外での長時間の作業や水分補給をしない状態も熱中症リスクがぐんと上がります。私は熱中症にはならない!なんてことは思わずに、暑い日はしっかりとできることから対策しましょう。
