お知らせ

2025-01-06 14:44:00

【新年のご挨拶】

【新年のご挨拶】
明けましておめでとうございます。

今年も皆さまの健康と笑顔を支える漢方薬店として、精一杯お手伝いさせていただきます。

新年の目標や体調のお悩み、ぜひお気軽にご相談ください。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2024-12-26 12:47:00

年末年始の営業日のお知らせ

年末年始の営業日のお知らせ

年内は12月30日(月)で営業終了となります。

年始は1月6日(月)から通常営業になります。

 

この時期になると栄養ドリンクなどを準備して、帰省されたご家族への差し入れ用として喜ばれているようです。

その他、常備薬などのご準備等もよろしくお願いいたします。

2024-12-06 17:17:00

【血流改善】ヒートショック対策

寒い季節になり、一日の終わりのお風呂がリラックスタイムとなっている人も多いはず。ところが、そんな癒しの時間が一歩間違うと、命の危険に。温度差による血圧変動で起こるヒートショック対策をし、安全にお風呂を楽しんでください。

ヒートショックとは

気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることをヒートショックといいます。この血圧の乱高下に伴って、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こります。2006年のデータですが、交通事故による死亡者が約7,000人であったのに対し、ヒートショックでは倍の14,000人が亡くなっています。

ヒートショックは冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所に移動し、浴槽に入るときなどに起こります。リビングから脱衣所に移動した際には、寒さに対応するために血圧が上昇します。そこで衣服を脱ぎ、浴室へ入るとさらに血圧は上昇します。その後、浴槽に入ると、急に身体が温まるため、血圧が下降します。特に10℃以上の温度差がある場所は危険とされており、注意が必要です。

11月~2月までの時期がヒートショックの好発時期です。浴室や脱衣所などの気温が下がり、長風呂になりやすいため、危険が高まります。昔ながらの日本家屋や温泉施設などでは床がタイルだったり、暖房設備がない場所も多いので温度差が生じやすくなります。また、トイレでヒートショックを起こす人もいるので、お風呂以外でも温度変化のある場所には要注意です。

影響を受けやすい人

ヒートショックは65歳以上の高齢者、高血圧や糖尿病などの動脈硬化の基盤がある人、肥満や睡眠時無呼吸症候群、不整脈の人が影響を受けやすいです。下記のチェックリストに該当する場合は、ヒートショックの対策をして入浴するようにしましょう。また、ご家族の中に該当する高齢者がいる場合は、浴室で倒れている危険もありますので、入浴中はときどき様子を見に行ってあげてください。

・65歳以上である
・高血圧、糖尿病、動脈硬化がある
・肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある
・浴室に暖房設備がない
・一番風呂が好き
・熱い風呂が好き
・飲酒後にお風呂に入ることがある
・30分以上お湯に浸かっている

予防のポイント

ヒートショックを予防するポイントは、血圧が乱高下しないようにすることです。そのためには温度差をなるべくなくしたり、身体に負担の少ない入浴方法を心がけましょう。

 

ポイント1

脱衣所と浴室を温める

暖かいリビングから脱衣所に移動した際の温度変化を軽減するために、暖房器具を置くなどの工夫をしましょう。浴槽にお湯がたまっている場合にはふたを外しておくと浴室の温度を上げることができます。また、一番風呂は浴室が十分に温まっていないので、なるべく避けるようにしましょう。浴室を温める方法としてシャワー給湯があります。シャワーを使って給湯することで浴室の温度が15分間で10℃上昇します。また、浴室の床にマットやスノコなどを置いておくことも有効です。

 

ポイント2

お風呂の温度は低めに設定

お風呂の温度が42℃以上になると、心臓に負担をかけることが知られています。41℃以上になると浴室での事故が増えると報告されているので、38~40℃に設定して入浴することが勧められています。また、入浴する際は手や足などの心臓から遠い場所にかけ湯をして身体をお湯に慣れさせましょう。首までお湯に浸かることも心臓に負担をかけるので、浸かるとしても胸のラインくらいまでにしてください。

 

ポイント3

ゆっくりとお風呂から出る

お湯に浸かっているときは、身体が温められ、血管が弛緩して血圧が低下しています。その状態で急に立ち上がると、脳まで血を運ぶことができず、めまいを起こしたり、失神することがあります。お風呂から出る時はゆっくり立ち上がることを心がけましょう。降圧剤内服中の人は特に注意が必要です。また、飲酒後は血圧が下がることが知られていますので、飲酒後の入浴は避けましょう。入浴前には水分を摂取しておきましょう。

日本の家は寒い

特に古い住宅では断熱性が不十分なことがあり、すきま風で居間や寝室の室温や湿度が下がります。

そうした住宅では、血圧が上がってヒートショックになりやすくなるだけでなく、睡眠の質が下がったり、感染症にかかりやすかったりとデメリットも多くなります。

一般家庭では「室温18度以上、湿度40%以上」が必要だとして、脱衣所やトイレに電気式パネルヒーターをおく、窓に断熱材を貼る、カーテンを床までつく長さにするといった対策を行いましょう。

高齢者がいる場合は、20度以上が望ましいとして新築や改修をする際に、住宅の断熱性能を高めることも有効だと思います。

まとめ

”自分は大丈夫“は禁物です。特にヒートショックに注意が必要なのは高齢者です。血圧を正常に保つための機能が低下するためでふだん健康な人もリスクがあるということです。
入浴前に家族などに声かけしておくと気づきやすいということです。

また、注意が必要なのは高齢者だけではありません。血圧が高めの人や普段から立ちくらみやめまいを起こしやすい人も特に注意が必要です。

 

【参照】https://yumeken1137.jp/

2024-12-02 16:38:00

【尿トラブル】夜間尿がおきる原因は?尿トラブルに関係の深い五臓の「腎」とは

夜中にトイレで何度も目が覚めるといった悩みをもつ方が加齢とともに増えていきます。漢方では、尿トラブルの原因は、下腹部の水分代謝・冷えなどが関係していると考えています。特に、夜間尿などの症状は、漢方で考える五臓の「腎」の機能が低下することで起こります。「腎」の機能低下で起こる症状には、例えば、カラダがむくむ、尿が減少する、頻尿になる、失禁するなどがあります。今回は、夜間尿などの尿トラブルと関係の深い五臓の「腎」や、尿トラブルによく利用される漢方薬についてくわしく紹介をします。

夜間尿の原因となる五臓の「腎」との関係は

高齢者の頻尿や夜間尿といった尿トラブルは、漢方では五臓の「腎」の機能の低下によるものが多いと考えています。
「腎」は成長・発育・生殖を管理しており、人間が生きるために必要な生命エネルギーの源であるため、「腎」の機能が低下すると老化現象が起こります。
「腎」が正常に働けば、「腎」の気(エネルギー)は全身に水分をめぐらせ、カラダに必要なものは外に漏れ出させないようにします。「腎」の機能が低下すると固摂作用(カラダの中から水分が漏れ出すのを防ぐ作用)も低下するため、頻尿などの現象が起きるのです。
特に男性は「腎」の影響を受けやすいため、食事・生活などそのときの体質にあわせて補腎する(「腎」を補う)ことが大切です。

夜間尿など尿トラブルが起きる原因

排尿トラブルの原因には、大きく分けて熱証と寒証のふたつがあります。
熱証はカラダに熱がこもっている状態で、尿の量が少なく色が濃くなります。寒証は、カラダが冷えている状態で尿の量が多く色が薄くなります。
頻尿・夜間尿・尿失禁などの排尿トラブルは、カラダの冷えや、先天的な虚弱・老化・過労などが原因により起こります。高齢者の方は「腎」が弱くなるため、泌尿器官や下半身が衰え、カラダが冷えるため、腰がだるい・耳が聞こえにくいなどの症状がよくあらわれます。
「腎」を正常に保つためには、「腎」の不調のサインを早いうちから見つけておくことが大切です。
■漢方の基礎知識6「五臓とは」

「腎」に不調があらわれるサインとは

「腎」が弱くなると、毎日の食事から得られる「後天の精」を補うことができなくなります。カラダに必要なエネルギーが不足すると、臓腑(内臓)に栄養と潤いを与えることができなくなります。「腎」の不調は主に、皮膚・足腰・耳・脳・目・髪・泌尿器にあらわれます。次のような症状がある場合は、「腎」に不調があらわれているサインです。「腎」の衰えを防ぐために、もう一度生活習慣や食事を見直しましょう。

  • ・尿が出にくくなったり、頻尿になったりする
  • ・髪の毛がパサパサする
  • ・足腰がだるくなる
  • ・小さい文字が見にくい
  • ・耳鳴りがする
  • ・白髪が増える
  • ・皮膚が乾燥する
  • ・火照りやすくなる
  • ・しびれる

「腎」の不調を起こさないための注意点とは

足腰の冷えは「腎」の陽気(カラダを温める力)が消耗するため注意が必要です。特に冬は「腎」に大きな負担をかける季節です。冬のような寒い季節は、次のような行動に注意しましょう。

・カラダを冷やすものをよく食べる

冷たい飲み物や食べものだけでなく、トマト・キュウリなどの夏野菜はカラダを冷やす作用があるため注意が必要です。

・ダイエットをする

ダイエットは、カラダに必要な栄養が不足する原因となります。気(エネルギー)が不足するためカラダを温める力が弱くなります。

・大量に汗をかくような運動をする

激しい運動をすると、カラダに必要な水分が失われてしまいます。特に冬の激しい運動は「腎」に大きな負担をかけます。

・長湯をする

カラダを温めるためにお風呂に入ることはとても良いことですが、長湯をするとカラダに負担がかかるため、カラダに必要な気(エネルギー)も消耗してしまいます。

・睡眠不足

睡眠はカラダに必要な気(エネルギー)を補充するために必要です。特に冬は、動物が冬ごもりをするように、早く寝て太陽とともにゆっくり起きることが大切です。

尿トラブルに利用される漢方薬について

尿トラブルには、それぞれの人の体質や症状に合わせた漢方薬を利用します。漢方薬に含まれている生薬にはそれぞれ異なる作用があり、生薬を組み合わせることによって頻尿や夜間尿などの排尿トラブルだけでなく、全身の状態を整えることができます。
今回は尿トラブルに利用される漢方薬や含まれている生薬について説明をします。

■八味地黄丸(はちみじおうがん)

 

八味地黄丸は主に、「腎」の機能が低下した方に利用される漢方薬です。
体力が中等度以下で手足が冷えやすく、疲れやすい方に向いている漢方薬です。カラダがむくみやすい、口の中が乾燥しやすい、かゆくなりやすい方にも適しています。高齢者に起こりやすい足腰の痛み、かすみ目、排尿困難、頻尿、高血圧にともなう症状の改善に利用されます。カラダ全体の機能を改善する働きもあります。
八味地黄丸にはジオウ・サンシュユ・サンヤク・タクシャ・ブクリョウ・ボタンピ・ケイヒ・ブシといった生薬が含まれています。

■牛車「腎」気丸(ごしゃじんきがん)

 

牛車「腎」気丸は八味地黄丸に「ゴシツ」「シャゼンシ」を加えた漢方薬です。尿量が少ない方、腰痛のある方に利用されます。
体力が中等度以下で手足が冷えやすく、疲れやすい方に向いている漢方薬です。カラダがむくみやすい、口の中が乾燥しやすい、かゆくなりやすい方にも適しています。高齢者に起こりやすい足腰の痛み、かすみ目、排尿困難、頻尿、高血圧にともなう症状の改善に利用されます。
特に足腰の痛みやしびれ・むくみがある方に適しています。
牛車「腎」気丸には、ジオウ・サンシュユ・サンヤク・タクシャ・ブクリョウ・ボタンピ・ゴシツ・シャゼンシ・ケイヒ・ブシといった生薬が含まれています。

八味地黄丸・牛車「腎」気丸は補陽剤とよばれています。これは、カラダの中に陽(温める力)が不足しているときに利用されています。

2024-11-12 13:55:00

【免疫力】風邪をひいてしまったら?寒気、頭痛、のどの痛みなど症状に合わせた対処法

秋から冬にかけて、季節の変わり目はかぜをひきやすい時期です。気温の変化にカラダがうまく対応できず、自律神経が乱れて体調を崩しやすくなります。寒気・のどの痛み・くしゃみ・鼻水など、かぜのひき始めのサインが見られたら早めの対処がとても大切です。今回は漢方の視点から、かぜの種類・対処法・予防法についてご紹介します。

漢方で考えるかぜの種類とは

かぜの種類には大きく分けて「風寒(ふうかん)」「風熱(ふうねつ)」の2つのタイプがあると考えられています。

■ 風寒のかぜ

寒気のあるタイプのかぜで、ひきはじめに背中や首がゾクゾクする寒気(悪寒)、発熱、頭痛などの症状が挙げられます。このタイプのかぜは、かぜの原因がカラダの表面(背中)に取りつき、こじれたときは奥まで侵入すると考えられ、「寒いかぜ」とも呼ばれています。

かぜをひくと、かぜの原因となるウイルスを排除するために免疫細胞を活性化しようとします。さらにかぜの症状が進むと、ウイルスが増えるのを抑えるために体温設定を引き上げるスイッチが入ります。このスイッチによって、脳からカラダに「カラダを震わせて熱を生み出し、熱を逃がさないよう血管を収縮する」という指令が出されます。この体温調整が、風寒のかぜの特徴である、寒気(悪寒)や震えの症状につながります。また、発熱などでエネルギーが消費するため、倦怠感や筋肉痛・関節痛などの全身症状もあらわれやすくなります。

風邪の原因

■ 風熱のかぜ

のどの痛みがあるタイプのかぜで、発熱、のどの痛み・黄色く粘っこい痰、咳などの症状が挙げられます。このタイプのかぜは、かぜの原因が鼻やのどの粘膜から肺へ侵入し、肺の水分を減少させると考えられ、「暑いかぜ」とも呼ばれています。

かぜの原因となるウイルスが鼻やのどから侵入し、咽頭(いんとう)や口の奥の左右両側にある扁桃(へんとう)に炎症を起こすと、のどの痛みの症状としてあらわれ、唾を飲み込むときにも痛みを感じる場合があります。また、肺や気管などの呼吸器を守るために、異物であるウイルスを気道から取り除こうとして生体防御反応=咳が起こります。
気道の粘液(分泌物)がウイルスをからめたものが粘り気や色のついた痰となり、咳などによってカラダの外に出されます。白血球と細菌が戦った残骸が混じると、痰が黄色くなります。風邪が長引くと、小さな刺激に反応して痰を伴わない乾いた咳(空咳)が続くこともあります。

風熱の原因<漢方のミニ知識>
漢方では、病気の原因を6つの邪気(じゃき)=六淫(りくいん)で分類しています。
邪気の2つ、風邪(ふうじゃ)と寒邪(かんじゃ)が合わさったものが風寒、風邪と熱邪(ねつじゃ)が合わさったものが風熱です。

 

※6つの邪気の特徴は、「漢方の基礎知識(病因病機とは①六淫・七情)」を参考にしてください。

かぜをひいてしまったら?症状別対処法と漢方薬

かぜは症状やタイミングによって対処法が異なります。
かぜのひき始めには、寒気・のどの痛みといった症状から始まり、症状が進むにつれ発熱・くしゃみ・鼻水・咳・痰が出るといった症状が現れます。さらに、かぜをこじらせると、微熱・食欲不振・倦怠感・しつこい咳などの症状が現れます。
ご自分の症状とタイミングに合わせて対処をしましょう。

【風寒:寒気のあるタイプのかぜ】

風寒の症状(寒気・発熱・頭痛など)が出始めたら、カラダを温めましょう。体温の上昇を助けるよう、部屋や衣服を暖かくし、カラダを温める食べ物を摂ることを心がけてください。カラダを温める食材には、にんにく・ねぎ・しょうがなどがあります。

風寒タイプのかぜのひきはじめには、麻黄湯(まおうとう)・葛根湯(かっこんとう)、かぜがこじれた場合は柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)が向いています。

麻黄湯(まおうとう)
かぜのひきはじめで、強い寒気・発熱、ふしぶしの痛みがある方に向いている漢方薬です。強い寒気により、毛穴が閉じ、汗がでずに、発熱や頭痛、ふしぶしの痛み等が起こります。麻黄湯はカラダを温めて発汗を促すことにより、かぜのひきはじめによる症状の改善が期待できます。

葛根湯(かっこんとう)
かぜのひきはじめで、発熱や寒気のある方や、頭痛や肩こりがある方に向いている漢方薬です。ウイルスに感染すると免疫力を活性化させるために、脳の体温を調整する機能が作用して、体温を上げようとします。しかし、体力を消耗するうえに、寒気や頭痛、肩こりなどの症状があらわれます。葛根湯はカラダを温め、カラダ本来の免疫機能をサポートし、風邪の症状を緩和させていきます。

□なぜ葛根湯で「かぜ抵抗力」が上がるの?
葛根湯は、古くから体を温めて風邪の初期症状や鼻風邪、鼻炎、頭痛などに効果がある漢方薬として使われてきました。では、なぜ葛根湯で「かぜ抵抗力」が上がるのでしょうか?以下の4つの作用で風邪に効果を発揮します。

1. 自然免疫の活性化
葛根湯を服用すると体温が上がり、体が温まります。これにより自然免疫が活性化し、ウイルスの増殖を抑えることができます。体温が上がると血行が良くなり、免疫細胞がウイルスの感染場所にすぐに駆けつけ、マクロファージがウイルスを貪食する能力も高まります。

2. 過剰な炎症を抑える
風邪の症状が進行すると、のどの痛みや鼻づまり、発熱などが現れます。これは免疫細胞がウイルスと戦うために炎症を引き起こす物質を過剰に作るからです。葛根湯はこの過剰な炎症を抑え、症状を和らげます。

3. 交感神経の刺激
風邪が進行すると、脳の視床下部が体温を上げる指令を出します。これにより交感神経が刺激され、体を震わせて熱を作り出し、血管を収縮させて熱を逃がさないようにします。葛根湯には交感神経を刺激する成分が含まれており、速やかな発熱を促します。

出典:感染症資料

4. 発汗促進・血流改善
体温が上がった後は、体の負担を減らすために速やかに体温を下げる必要があります。葛根湯は発汗を促進し、血流を改善することで速やかな解熱を促し、体力の消耗を防ぎます。

このように、葛根湯は風邪の段階に応じてさまざまな作用をもたらし、体がウイルスを撃退できるようにサポートします。

■柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
かぜをこじらせ、微熱があり、吐き気や食欲不振、寒気などの症状がある方に向いている漢方薬です。感染した時の体調などにより、食欲不振や下痢など胃腸の症状が出ます。柴胡桂枝湯はカラダの中の熱や炎症を鎮めながら、胃腸を元気にして体力を補うようにして、風邪の症状を緩和させていきます。

【風熱:のどの痛みがあるタイプ】

風熱の症状(発熱、のどの痛み・黄色く粘っこい痰、咳など)が出始めたら、カラダの熱を発散させましょう。アルコール、刺激物、熱い飲み物などの摂取は控え、カラダの熱を抑える食材を摂ることを心がけてください。カラダの熱を抑える食材には、サニーレタスやれんこん・きゅうりなどがあります。

風熱タイプのかぜのひき始めには、銀翹散(ぎんぎょうさん)が向いています。のどの症状に合わせて、五虎湯(ごことう)、桔梗石膏(ききょうせっこう)を利用することもあります。かぜがこじれた場合は竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)、竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)が向いています。

■銀翹散(ぎんぎょうさん)
かぜのひきはじめで、のどの痛みや口(のど)の渇き、咳、頭痛がある方に向いている漢方薬です。ウイルスや細菌などの感染により呼吸器(のど、気管、気管支)に炎症が起こることで、のどの痛みを生じます。銀翹散はのどや体表の炎症を抑えながら、かぜによるのどの痛みを改善します。

■五虎湯(ごことう)
激しい咳が出るときや、黄色の粘っこい痰がのどに絡む方に向いている漢方薬です。呼吸器にある異物を排出しようとして咳が出たり、呼吸器に強い炎症が生じることで黄色い痰が絡む症状を起こします。五虎湯はのどや気管、気管支の炎症を抑えることで、痰の量を減少し、咳を鎮めるため、呼吸が楽になります。

■桔梗石膏(ききょうせっこう)
のどの腫れや痛みがある場合や、のどに痰が絡む方に向いている生薬製剤です。のどの乾燥などによって、のどについたウイルスや細菌が増殖し、のどに炎症を起こし痰や膿がたまります。桔梗石膏はのどの炎症を鎮めて、痰や膿をのぞく働きがあります。かぜ症状の中でも炎症が強く、痰や膿が認められるときにご利用ください。

■竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)
かぜをこじらせ、微熱があり、咳が出る方に向いている漢方薬です。かぜがこじれて微熱が続くと、体内の水分が徐々に失われ、のどの乾燥などによって、咳が出やすくなります。竹葉石膏湯はかぜの熱感を鎮めて、体内の不足した水分を補い、のどを潤すことで、咳を鎮める効果が期待できます。

■竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)
かぜ症状や微熱が長引き、痰をともなう咳が出る方に向いている漢方薬です。かぜが長引いたことで胃腸の機能が低下し、水分代謝が悪化することで咳や痰などの症状が生じます。竹茹温胆湯は、消化吸収機能の働きを助けると共に余分な水分を排出することで、症状を改善します。また、せきやたんを抑えることで、安眠を助けます。

かぜが長引く原因と対処法

かぜの症状が長引く主な原因は、免疫力の低下とされています。「風寒」「風熱」どちらのタイプも、睡眠を十分にとり、栄養バランスを考えた食事をし、安静にすることを心がけましょう。また、気(エネルギー)をおぎなうために、胃腸の機能を整えることをおすすめします。気をおぎなう食材には、さつまいも・カボチャなどの芋類や、とうもろこし・大豆などの豆類などがあります。

かぜの症状は、発症2~3日目をピークとして、1週間~10日ほどで回復することがほとんどです。症状が長引く場合は他の病気が隠れている可能性がありますので、医療機関に相談するようにしましょう。

かぜをひきやすいのはどうして?かぜの予防対策

かぜのひき始めに起こる風寒・風熱の症状は、どちらも正気と邪気が戦っている状態です。正気とは、人間がもともと持っている生命力・自然治癒力を意味します。正気を正常に働かせるためには気血水のバランスを整えることが大切です。例えば、気虚の人は、気(エネルギー)をおぎなう食事をし、睡眠をしっかり取りましょう。かぜの場合、正気が満たされていれば、風邪・寒邪・熱邪などの邪気がカラダに入り込んでもかぜをひきにくくなります。

ただし、正気が満たされていても、邪気のパワーが強ければかぜにかかってしまう場合があります。かぜをひかないようにするためには、人間がもともともっている生命力・自然治癒力を強くすることが大切です。

※正気の働きについては、「漢方の基礎知識(扶正袪邪とは)」を参考にしてください。

かぜをひきやすい方は、普段の生活習慣や食事を見直してみてください。
かぜを予防する方法には次のものがあります。

・カラダを温める
カラダの冷えを改善させるためには、首・手首・足首の3つを温めることが大切です。この3つの首にはいずれも太い血管が通っているため、血行がよくなり、全身を効率よく温めることができます。マフラー・手袋・靴下などを利用しましょう。

・ウイルスや細菌を体内に侵入させない
かぜをひかないようにするには、ウイルスや細菌を体内に侵入させないことが大切です。かぜをひきやすい季節は、マスクを着用し、外から帰ってきたら、うがい・手洗いをしましょう。

・感染しにくい環境
乾燥した場所や人混みを避けましょう。部屋の温度や湿度をコントロールも大切です。乾燥しやすい季節は、部屋を加湿しましょう。2時間ごとなど時間を決めて換気をするのもおすすめです。

・バランスの良い食事
カラダの調子を整えるためには、食事も大切です。バランスの良い食事とは、主食・主菜・副菜をそろえることです。主食はご飯・パンなどエネルギーの元となるもの、主菜は肉・魚などたんぱく質を含むもの、副菜は野菜・海藻などビタミン・ミネラルなどを含むものです。

・抗酸化作用のある食品
ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEが含まれている抗酸化作用のある栄養素を摂ることも大切です。抗酸化作用のある食材は、免疫力を上げる効果が期待できます。

・睡眠時間の確保
睡眠不足による疲れやストレスは、自律神経の乱れだけでなく、免疫力を低下させる原因となります。睡眠は、疲れを回復させるだけでなく、免疫機能を保つ効果もあります。

・水分補給
かぜを予防するためには、こまめな水分補給も大切です。水分をとることによって喉を乾燥から守り、ウイルスが侵入するのを防ぐことができます。

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