寒い季節になり、一日の終わりのお風呂がリラックスタイムとなっている人も多いはず。ところが、そんな癒しの時間が一歩間違うと、命の危険に。温度差による血圧変動で起こるヒートショック対策をし、安全にお風呂を楽しんでください。
お知らせ
2024-12-26 12:47:00
年末年始の営業日のお知らせ
年末年始の営業日のお知らせ
年内は12月30日(月)で営業終了となります。
年始は1月6日(月)から通常営業になります。
この時期になると栄養ドリンクなどを準備して、帰省されたご家族への差し入れ用として喜ばれているようです。
その他、常備薬などのご準備等もよろしくお願いいたします。
2024-12-06 17:17:00
【血流改善】ヒートショック対策
ヒートショックとは
気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることをヒートショックといいます。この血圧の乱高下に伴って、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こります。2006年のデータですが、交通事故による死亡者が約7,000人であったのに対し、ヒートショックでは倍の14,000人が亡くなっています。
ヒートショックは冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所に移動し、浴槽に入るときなどに起こります。リビングから脱衣所に移動した際には、寒さに対応するために血圧が上昇します。そこで衣服を脱ぎ、浴室へ入るとさらに血圧は上昇します。その後、浴槽に入ると、急に身体が温まるため、血圧が下降します。特に10℃以上の温度差がある場所は危険とされており、注意が必要です。
11月~2月までの時期がヒートショックの好発時期です。浴室や脱衣所などの気温が下がり、長風呂になりやすいため、危険が高まります。昔ながらの日本家屋や温泉施設などでは床がタイルだったり、暖房設備がない場所も多いので温度差が生じやすくなります。また、トイレでヒートショックを起こす人もいるので、お風呂以外でも温度変化のある場所には要注意です。
影響を受けやすい人
ヒートショックは65歳以上の高齢者、高血圧や糖尿病などの動脈硬化の基盤がある人、肥満や睡眠時無呼吸症候群、不整脈の人が影響を受けやすいです。下記のチェックリストに該当する場合は、ヒートショックの対策をして入浴するようにしましょう。また、ご家族の中に該当する高齢者がいる場合は、浴室で倒れている危険もありますので、入浴中はときどき様子を見に行ってあげてください。
・65歳以上である
・高血圧、糖尿病、動脈硬化がある
・肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある
・浴室に暖房設備がない
・一番風呂が好き
・熱い風呂が好き
・飲酒後にお風呂に入ることがある
・30分以上お湯に浸かっている
予防のポイント
ヒートショックを予防するポイントは、血圧が乱高下しないようにすることです。そのためには温度差をなるべくなくしたり、身体に負担の少ない入浴方法を心がけましょう。
ポイント1
脱衣所と浴室を温める
暖かいリビングから脱衣所に移動した際の温度変化を軽減するために、暖房器具を置くなどの工夫をしましょう。浴槽にお湯がたまっている場合にはふたを外しておくと浴室の温度を上げることができます。また、一番風呂は浴室が十分に温まっていないので、なるべく避けるようにしましょう。浴室を温める方法としてシャワー給湯があります。シャワーを使って給湯することで浴室の温度が15分間で10℃上昇します。また、浴室の床にマットやスノコなどを置いておくことも有効です。
ポイント2
お風呂の温度は低めに設定
お風呂の温度が42℃以上になると、心臓に負担をかけることが知られています。41℃以上になると浴室での事故が増えると報告されているので、38~40℃に設定して入浴することが勧められています。また、入浴する際は手や足などの心臓から遠い場所にかけ湯をして身体をお湯に慣れさせましょう。首までお湯に浸かることも心臓に負担をかけるので、浸かるとしても胸のラインくらいまでにしてください。
ポイント3
ゆっくりとお風呂から出る
お湯に浸かっているときは、身体が温められ、血管が弛緩して血圧が低下しています。その状態で急に立ち上がると、脳まで血を運ぶことができず、めまいを起こしたり、失神することがあります。お風呂から出る時はゆっくり立ち上がることを心がけましょう。降圧剤内服中の人は特に注意が必要です。また、飲酒後は血圧が下がることが知られていますので、飲酒後の入浴は避けましょう。入浴前には水分を摂取しておきましょう。
日本の家は寒い
特に古い住宅では断熱性が不十分なことがあり、すきま風で居間や寝室の室温や湿度が下がります。
そうした住宅では、血圧が上がってヒートショックになりやすくなるだけでなく、睡眠の質が下がったり、感染症にかかりやすかったりとデメリットも多くなります。
一般家庭では「室温18度以上、湿度40%以上」が必要だとして、脱衣所やトイレに電気式パネルヒーターをおく、窓に断熱材を貼る、カーテンを床までつく長さにするといった対策を行いましょう。
高齢者がいる場合は、20度以上が望ましいとして新築や改修をする際に、住宅の断熱性能を高めることも有効だと思います。
まとめ
”自分は大丈夫“は禁物です。特にヒートショックに注意が必要なのは高齢者です。血圧を正常に保つための機能が低下するためでふだん健康な人もリスクがあるということです。
入浴前に家族などに声かけしておくと気づきやすいということです。
また、注意が必要なのは高齢者だけではありません。血圧が高めの人や普段から立ちくらみやめまいを起こしやすい人も特に注意が必要です。
【参照】https://yumeken1137.jp/
2024-12-02 16:38:00
【尿トラブル】夜間尿がおきる原因は?尿トラブルに関係の深い五臓の「腎」とは
夜中にトイレで何度も目が覚めるといった悩みをもつ方が加齢とともに増えていきます。漢方では、尿トラブルの原因は、下腹部の水分代謝・冷えなどが関係していると考えています。特に、夜間尿などの症状は、漢方で考える五臓の「腎」の機能が低下することで起こります。「腎」の機能低下で起こる症状には、例えば、カラダがむくむ、尿が減少する、頻尿になる、失禁するなどがあります。今回は、夜間尿などの尿トラブルと関係の深い五臓の「腎」や、尿トラブルによく利用される漢方薬についてくわしく紹介をします。
夜間尿の原因となる五臓の「腎」との関係は
高齢者の頻尿や夜間尿といった尿トラブルは、漢方では五臓の「腎」の機能の低下によるものが多いと考えています。
「腎」は成長・発育・生殖を管理しており、人間が生きるために必要な生命エネルギーの源であるため、「腎」の機能が低下すると老化現象が起こります。
「腎」が正常に働けば、「腎」の気(エネルギー)は全身に水分をめぐらせ、カラダに必要なものは外に漏れ出させないようにします。「腎」の機能が低下すると固摂作用(カラダの中から水分が漏れ出すのを防ぐ作用)も低下するため、頻尿などの現象が起きるのです。
特に男性は「腎」の影響を受けやすいため、食事・生活などそのときの体質にあわせて補腎する(「腎」を補う)ことが大切です。
夜間尿など尿トラブルが起きる原因
排尿トラブルの原因には、大きく分けて熱証と寒証のふたつがあります。
熱証はカラダに熱がこもっている状態で、尿の量が少なく色が濃くなります。寒証は、カラダが冷えている状態で尿の量が多く色が薄くなります。
頻尿・夜間尿・尿失禁などの排尿トラブルは、カラダの冷えや、先天的な虚弱・老化・過労などが原因により起こります。高齢者の方は「腎」が弱くなるため、泌尿器官や下半身が衰え、カラダが冷えるため、腰がだるい・耳が聞こえにくいなどの症状がよくあらわれます。
「腎」を正常に保つためには、「腎」の不調のサインを早いうちから見つけておくことが大切です。
■漢方の基礎知識6「五臓とは」
「腎」に不調があらわれるサインとは
「腎」が弱くなると、毎日の食事から得られる「後天の精」を補うことができなくなります。カラダに必要なエネルギーが不足すると、臓腑(内臓)に栄養と潤いを与えることができなくなります。「腎」の不調は主に、皮膚・足腰・耳・脳・目・髪・泌尿器にあらわれます。次のような症状がある場合は、「腎」に不調があらわれているサインです。「腎」の衰えを防ぐために、もう一度生活習慣や食事を見直しましょう。
- ・尿が出にくくなったり、頻尿になったりする
- ・髪の毛がパサパサする
- ・足腰がだるくなる
- ・小さい文字が見にくい
- ・耳鳴りがする
- ・白髪が増える
- ・皮膚が乾燥する
- ・火照りやすくなる
- ・しびれる
「腎」の不調を起こさないための注意点とは
足腰の冷えは「腎」の陽気(カラダを温める力)が消耗するため注意が必要です。特に冬は「腎」に大きな負担をかける季節です。冬のような寒い季節は、次のような行動に注意しましょう。
・カラダを冷やすものをよく食べる
冷たい飲み物や食べものだけでなく、トマト・キュウリなどの夏野菜はカラダを冷やす作用があるため注意が必要です。
・ダイエットをする
ダイエットは、カラダに必要な栄養が不足する原因となります。気(エネルギー)が不足するためカラダを温める力が弱くなります。
・大量に汗をかくような運動をする
激しい運動をすると、カラダに必要な水分が失われてしまいます。特に冬の激しい運動は「腎」に大きな負担をかけます。
・長湯をする
カラダを温めるためにお風呂に入ることはとても良いことですが、長湯をするとカラダに負担がかかるため、カラダに必要な気(エネルギー)も消耗してしまいます。
・睡眠不足
睡眠はカラダに必要な気(エネルギー)を補充するために必要です。特に冬は、動物が冬ごもりをするように、早く寝て太陽とともにゆっくり起きることが大切です。
尿トラブルに利用される漢方薬について
尿トラブルには、それぞれの人の体質や症状に合わせた漢方薬を利用します。漢方薬に含まれている生薬にはそれぞれ異なる作用があり、生薬を組み合わせることによって頻尿や夜間尿などの排尿トラブルだけでなく、全身の状態を整えることができます。
今回は尿トラブルに利用される漢方薬や含まれている生薬について説明をします。
八味地黄丸は主に、「腎」の機能が低下した方に利用される漢方薬です。
体力が中等度以下で手足が冷えやすく、疲れやすい方に向いている漢方薬です。カラダがむくみやすい、口の中が乾燥しやすい、かゆくなりやすい方にも適しています。高齢者に起こりやすい足腰の痛み、かすみ目、排尿困難、頻尿、高血圧にともなう症状の改善に利用されます。カラダ全体の機能を改善する働きもあります。
八味地黄丸にはジオウ・サンシュユ・サンヤク・タクシャ・ブクリョウ・ボタンピ・ケイヒ・ブシといった生薬が含まれています。
牛車「腎」気丸は八味地黄丸に「ゴシツ」「シャゼンシ」を加えた漢方薬です。尿量が少ない方、腰痛のある方に利用されます。
体力が中等度以下で手足が冷えやすく、疲れやすい方に向いている漢方薬です。カラダがむくみやすい、口の中が乾燥しやすい、かゆくなりやすい方にも適しています。高齢者に起こりやすい足腰の痛み、かすみ目、排尿困難、頻尿、高血圧にともなう症状の改善に利用されます。
特に足腰の痛みやしびれ・むくみがある方に適しています。
牛車「腎」気丸には、ジオウ・サンシュユ・サンヤク・タクシャ・ブクリョウ・ボタンピ・ゴシツ・シャゼンシ・ケイヒ・ブシといった生薬が含まれています。
八味地黄丸・牛車「腎」気丸は補陽剤とよばれています。これは、カラダの中に陽(温める力)が不足しているときに利用されています。