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設備投資の補助金・助成金申請の注意点
設備投資に際して補助金・助成金を申請する際には、いくつか気をつけたいこともあります。ここでは、設備投資の補助金・助成金申請の注意点を押さえておきましょう。
申請や準備に一定以上の労力がかかる
補助金・助成金を受けるためには、規定された申請書類を作成、提出する必要があります。補助金によっては事業計画書などを提出したり、一定額以上の経費について相見積もりを取ることが求められたりするものもあります。
細かな申請ルールは制度によって異なるものの、どのような目的で、どういった設備投資を行うか、設備投資によってどのような成果が期待できるかなどを具体的に示さなければなりません。
さらに、厚生労働省管轄の助成金では、就業規則や労使協定などを提出するものもあり、それらの策定から着手しなければならないこともあるでしょう。申請には計画性とさまざまな準備が必要な点に注意してください。
要件を満たしても必ず採択される保証はない
補助金の場合、要件をすべて満たせば必ず支給されるというわけではなく、採択を受けて選ばれなければ補助は受けられません。採択を受けるためには、「わかりやすく、具体的な内容で申請書類を作成する」「補助金に設けられている加点項目を漏れなく申請する」といった工夫も重要です。
不安な場合は、専門家によるアドバイスを受けた方が、確実性が高まるといえるでしょう。なお、弥生の「資金調達ナビ」では、資金調達に関して相談できる税理士・会計事務所を無料でご紹介しています。
途中で導入したい設備が変わるときには追加手続きが必要
補助金・助成金の申請では、どのような設備を導入するか、生産機械や会計ソフトなどを具体的に決めて、費用などを記載します。申請して採択を受け、設備投資を実行するまでの間にある程度の期間を要しますが、その期間内に導入する機械を変更したくなったり、別のシステムを導入したいと考えたりといった事情が生じることもあるでしょう。
そのような場合には、導入設備の変更をしても補助金・助成金受給に影響しないかどうかを問い合わせ、必要に応じて追加の手続きを行わなければなりません。
補助金は後払いなのでキャッシュフロー悪化のリスクがある
補助金を受け取るタイミングには注意が必要です。補助金は、採択を受けたらすぐに受け取れるわけではないからです。補助金を受け取れるのは、実際に設備投資を行い、経費などについて報告し、その内容が審査された後となります。
設備投資にかかる費用はいったん、全額を自己資金で支払います。補助金を受け取るまで、一時的にキャッシュフローが悪化するので、資金繰りに問題がないかを確認しておきましょう。借入が必要な場合には、金融機関などに設備投資と補助金受給の旨を伝え、それを前提に融資を受けるようにしてください。
事業実施期間内に設備投資を行い、終了後も報告の必要がある
補助金は事業実施期間が定められており、その期間内に設備投資を実行し、終了後に費用などを整理して補助金の給付を受けることになっています。これを怠ると、補助金を受けられないので注意が必要です。
昨今は人材や資材の不足が起きることも多く、何らかの理由で設備投資が遅れて事業実施期間に影響を及ぼす場合には、補助金の事務局に相談する必要があります。年度内に事業実施できれば認められることもあるので、状況がわかり次第、すみやかに相談しましょう。
過剰な設備投資、不要な設備投資をすると経営が傾くおそれがある
「補助金を受けられる」からといって、過剰な設備投資や必要性が低い設備投資を行ってしまう事業者もいます。ですが、補助金で経費全額がカバーされるわけではありません。かかった経費の3分の1や2分の1は自己資金を投じることになります。
設備投資による利益増大や販路拡大などにおいて投資額を上回る成果が得られない場合、急激な資金繰りの悪化など、経営や財務に大きく影響することも。設備投資の範囲には注意が必要です。