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最近インディードのCMがとても多いと思う
そんなインディードの現状です
今の利用者はなんと3億人
KPIは応募者数と明確な目標を設定しています
わかり易い目標値の設定は参考になりますね
リクルートHDは、米子会社で求人検索サイトを運営するインディードを軸にテクノロジーの活用を進める
リクルートホールディングス(HD)が人工知能(AI)時代を見据えた事業変革を急いでいる。「1秒で転職」を掛け声に、47歳の最高経営責任者(CEO)、出木場久征氏は利用者10億人を見据える。
「人材版グーグル」ともいわれる米国子会社インディードが変革のけん引役だ。利用者3億人のデータをAIが分析し、最適な転職先を提案する。景気減速と米テック大手との競争という逆風に挑む。
「転職するなら私に合った応募先はどこ?」
「A、B、C社なら面談はほぼ確約です」
求職者がチャットで聞くとAIが敏腕リクルーターのように転職先をアドバイスする――。出木場氏が思い描く「1秒で転職できる世界」だ。
カギはインディードが持つ利用者3億人以上の転職データだ。
3秒に1人のペースで企業が人材を採用し、求人情報の検索から応募、面接など億単位の求職者の行動データが蓄積されている。
それをAIで分析し求職者と企業を効率よくマッチングする。「利用者10億人はいけない数字じゃない」(出木場氏)
リクルートHDがインディードを1000億円で買収したのは2012年。
主導したのが出木場氏だ。国内旅行の情報誌「じゃらん」などのネット化を推進し、地方の旅館を一軒一軒訪ねてネット予約システムを広げた経験がある。「世の中をシンプルにしたい」。出木場氏の信条だ。
他方、転職のプロセスは複雑だ。求職者と会社側は条件が合う相手を何度も探し、交渉を重ねる。その状況を変革するため出木場氏は100社ほど訪問しインディードに目を付けた。
04年に創業し、ネット上で求人情報を集め機械学習で求職者とのマッチング精度を高めていた。
求職者が職種や年収などの条件で求人情報を検索し、クリックすると企業に課金される。転職に特化した検索アルゴリズムを持ち「人材版グーグル」と呼ばれていた。
インディード買収を担当した井上直樹氏(現在はChatwork最高財務責任者=CFO)は「テクノロジー重視にかじを切ったのは出木場さんの選球眼」と話す。
インディードCEOとなった出木場氏が現場に示した主なKPI(重要業績評価指標)は求職者からの応募数だ。
応募数の増加はアルゴリズムの精度向上に結びつく。
テクノロジーとリクルート流の強さが融合し、買収時に8000万人だったインディードの月間利用者数は足元で3億人に拡大した。
買収当時の売上高は60億〜70億円だったが、現在はインディードを中心とするHRテクノロジーの売上高は8614億円だ。18年には求人関連の口コミサイトを運営する米グラスドアも買収している。
国内メディア事業や国内外の人材派遣事業が伸びたこともあり、リクルートHDの連結業績は急拡大した。22年3月期の売上高は買収前の12年3月期と比べて3.6倍の2兆8717億円、純利益は7.9倍の2968億円だ。売上高の海外比率は4%から56%に上昇。時価総額は約5兆8600億円(3月7日時点)でオランダの人材大手ランスタッドの約3.6倍になった。
収益性改善のための変革を急ぐ。求人情報のクリック課金型から、求職者が応募した際などに課金するモデルへの移行だ。応募者と企業側の条件が72時間以内に合致した場合に課金する手法などをテストしている。
旅行、住宅、飲食――。リクルートHDは国内事業でも長年蓄積した膨大なデータを持つ。「IT(情報技術)の重力には逆らえない」と語る出木場氏は全社を挙げたテクノロジー活用へとかじを切る。先頭を走るインディードは、リクルートHDがAI時代に生き残れるかを左右する。