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2023 / 02 / 19  05:00

会社は人なり、人づくりに貢献する「株式会社山岸製作所」 サスティナブル企業の取組事例

 

群馬県高崎市の株式会社山岸製作所は、高い技術力を持つ精密機械部品メーカーだ。

1962年に山岸鍋夫氏(現会長)が創業し、現在は2代目として山岸良一氏が社長を務めているが、社長を含む兄弟3人の経営陣を中心に、社員一丸となって成長してきた。

同社が経営理念にもとづいて続けてきた人材育成の取り組みがSDGsに繋がっている。 

薄肉切削で北関東一の技術力

同社は自動車部品や半導体製造装置部品を製造しており、量産のほか部品の試作開発など多品種少量生産にも対応している。

徹底した品質管理と納期管理を行い、取引先からも高い信頼を集めている。

得意分野は、薄肉切削(旋盤)加工だ。高精度を保ちながら極限まで薄く削り込む加工のことで、自動車向け軽量部品や産業設備向け部品などで求められる。

5ミリ以下の板厚・肉厚の切削(旋盤)加工では強度が弱くなってしまうし、薄くするためにプレス・絞りなどの加工を施すと変形して精度が出ない。

精度を保ちながら5ミリ以下を実現する同社の技術は、2012年度群馬県優良企業表彰(モノづくり部門)大賞をはじめ、数々の賞を受賞。北関東随一の技術力を誇っている。

経営理念がSDGsにつながる

そんな山岸製作所がSDGsを意識するようになったのは、ごく最近のことだ。

20211月から3月まで群馬県が実施した「ぐんまSDGsコーチングプログラム」に参加したことがきっかけだった。

同社はSDGs目標達成のために、何か新しい活動目標を作成したのではない。

社内で長い間取り組んできたことをまとめたものが宣言書になった。同社は経営理念で「ものづくりと人づくりにこだわり、社会に貢献する」ことを標榜し、これに従って人材育成に力を入れてきた。

それが宣言書の重点的取り組みの一つ「社員がいきいきと働ける会社」となり、SDGs17目標のうち「4.質の高い教育をみんなに」「8.働きがいも経済成長も」に繋がっている。

毎週金曜、半年間の研修制度

社員を大切にし、社員と共に学びながら成長していきたいとする経営理念にもとづく取り組みの好例は「ヤマギシテクニカルセンター」だろう。

主に新入社員対象の研修制度で、毎週金曜日に丸一日を費やし、半年間の研修を実施する。

社会人としてのマナーから、図面の読み方、機械の操作方法、計画・実行・評価・改善までのPDCAの回し方まで幅広い内容で、テキストを社内で作成し、キャリアコンサルタントの資格を取得した社長をはじめ、社員が講師を務めている。

2008年秋、リーマンショックで会社の売り上げが大きく落ち込むなか、山岸社長は「厳しい状況だが、大切な社員のリストラはしたくない」と強く思った。

国の雇用調整助成金を申請し、経費削減に徹底的に取り組む一方、業務量減少で空いてしまった時間を様々な研修に費やした。

「次の成長に備え、従業員に勉強してもらおう」と考えたからだ。

地域とともに成長を

「企業は人なり」「会社の成長は人の成長」と考える山岸社長の視野は、同社内だけに留まらない。

ヤマギシテクニカルセンターでの研修は開設当初、自社社員と、つきあいのある会社の従業員が対象だったが、社員を毎週、丸々一日分を研修に出すのは難しいという事情から他社からの受講生は次第に減り、近年は自社の新入社員のみとなっていた。

しかし、同センターは中小企業として唯一、群馬県の職業訓練校に認定されてもいる。山岸社長は「今後はまた他企業からの受講生受入を進めていきたい」と話す。

一方、地域の若手経営者の育成にも力を注いでいる。21年秋から、新たに地元企業を対象とした「経営塾」をスタートした。

スタート時点で17社の地域の若手経営者や次世代経営陣を対象に、経営者として必要な考え方や身につけるべき知識、部下のマネジメントなどを、山岸社長をはじめとする山岸製作所の経営陣が講義している。

父が創業した企業を兄弟で引継ぎ、リーマンショックや米中貿易摩擦、コロナ感染症など厳しい局面を何度も乗り越え、子息を中心とした次世代に引き継ぐ準備を着々と進めている山岸社長。

その実体験や苦労話などを学ぶことは、地域で次世代を担う人たちにとって有意義な経験になるだろう。

「自社だけでなく、地域全体が“Sustainable”であるよう、地域と共に成長していきたい」と山岸社長は力強く語っている。

 

自社も大切だが、従業員、そして地域に役立つことも大切

きっとこういった会社が地元滋賀にもあると思います

 

 

2024.05.07 Tuesday