講師(宗夜)ブログ
●名古屋帯・テーブル着付けvol.1
私の帯結びはテーブルを使うので
『テーブル着付け』
と名づけました。
テーブルの上で帯を作って、
テーブルを使って帯を結んでいきます。
今日は帯を作るところまで説明します。
でもその前に…
前回のブログで説明した『秘密の紐』の補足を2ついたします。
❶短冊状に切ったA4ファイルは、全ての角を切り落として丸くしておきます。
ファイルの角は鋭いので、紐の布を突き破って帯を傷付ける可能性があります。
残らず全部丸くしてから紐に入れて作れば安心です。
❷秘密の紐は二本作ります。
二本の紐の長さを変えておきます。二本それぞれに用途が異なりますため、着付け時に識別できるようにします。
紐の色を変えても良いと思います。
私は同じ色にしてしまったので、長さを変えました。
長い方は帯枕の紐と同じ長さにしておくと着付け時に便利です。
。。。。。。。。。。。。。。
では名古屋帯をテーブルで作っていきましょう💁♀️
《テーブル着付け・名古屋帯》
①名古屋帯の『たれ』を作る。
たれ先から人差し指分のところで屏風畳みにする。
この時に帯柄を確認して連続するようにし、小さめのピンチで留めておく。
②下の写真は帯布を手前にぐるっと返したところ。
③屏風畳みの中身はこのように筒状になっている。
ここに『秘密の紐・1号』を入れる。短い方を入れると着付け時にわかりやすい。
④『秘密の紐・1号』を上から見た図
⑤ここに『まどか帯止め』を噛ませる。ピンチがついているので固定出来る。
⑥『まどか帯止め』に帯枕を乗せる
⑦帯枕の上に『秘密の紐・2号』を乗せる。2号は紐の長い方。
2号の紐の長さは、帯枕の紐の長さと合わせておくと、着付け時に便利。
⑧ここに帯揚げをかぶせていく。
オムライスのように全てを包み込む。
『秘密の紐・1号』までしっかりと包み込む。
(これが見えていると完成時に悲しい思いをする😢)
⑨中身が全部できたら、手前に寄せていた帯布を向こうに返していく。オムライス帯揚げを帯布で巻き込んだら、大きめのピンチで全部止める。
イメージは『バナナオムレット』
これで帯作りは完成!
。。。。。。。。。。。。
いかがでしょう。
テーブルで落ち着いて帯を作れば柄合わせも簡単です。
一番綺麗に見える面を整えることが出来ます。
私はここまでを前日に仕上げておいて、朝に着付けをしています。
結ぶ時間は7〜8分。
結んでいる姿は動画にまとめる予定です。
以前にアップした動画もありますが、今の方が慣れていると思うので、再度作成しようと思っています。
皆さまの着付けライフに、参考にしていただけましたら嬉しいです😊🤲
●帯山の綺麗なカーブ
帯山の綺麗なカーブ
まるで芯でも入っているような…
そう、入っているんです!芯が。
ということで帯山の綺麗なカーブを作る秘密の紐をお教えします。
《秘密の紐の作り方》。。。。
A4ファイルで作ります📂
A4ファイルの横幅が、帯の幅と一致するのです。
①A4ファイルを横方向に短冊状に切ります。
お手持ちの紐の横幅よりも➖2mmに切っていきます✂️
どんな紐でも大丈夫です。
写真の真ん中の紐は、よくお店で見かける毛100%の腰ひもです。
横幅が4.5cmでした。
➖2mmということで、4.3cmに切っていきます。
②A4ファイルの縦幅は22cmでした。
22cm➗4.3cm🟰5
私の紐ですと短冊が5本取れました。
③紐の端を切り落とし、筒状にします。その中に前述の短冊状ファイルを5本重ねて入れていきます。
④紐の真ん中に短冊ファイルが来るように調整し、中身のファイルが動かないように両側を糸で縫い止めます。
これで完成!
。。。。。。。。。。
この紐を2本ご用意いただき、綺麗な帯山を作っていきます。
ところで私の帯の締め方は、まず先に形を作っていき、その後に鏡を見ながら締めていく、という方法にしています。
この方法に変えたことでじっくりと帯の柄と向かい合うことができます。
次のブログで帯の作り方を写真入りで説明します。
ちょいとお待ちを!
●帯山を高くキープ『まどか帯止』
どうも最近の位置が決まらないのよねぇ…🤔
帯位置をオトナ仕様に変えて、ややもすると悩むようになりました。
。。。。。。。。。。
私の中でのオトナ帯位置
●正面から見た時に帯の位置はやや低め
・帯の下線:おへその5cm下
下腹をカバー
●後ろから見た時の帯の位置
・帯山:みぞおちの真裏の位置
・たれの下線:お尻の山の頂上
。。。。。。。。。。
『年齢と共に帯の位置は少し下げる方がよろしい』
という感覚が世の中にあります。
若いころには検討もつかず
『そうかしら?』
と懐疑的でした。
でも自分がいざその年齢になってみると合点がいきました。
理由には
・ネガティブなもの
・ポジティブなもの
の両方が考えられます。
・・・・・・・・・・
《🔵ネガティブな理由》
体型の崩れを隠すため
《🔴ポジティブな理由》
上半身をたっぷり見せることでリッチな感じを演出するため
・・・・・・・・・・
《🔵ネガティブな理由》
体型の崩れを隠すため
体型の崩れは人さまざまですが、多くの場合は下腹のたるみ。
おへその真下あたりに楕円形状に皮下脂肪が付きやすくなります。私もそうです。
皮下脂肪さんに居心地が良いのか、何度お願いしてもお立ち退きいただけないご様子。
仕方がない。仲良くしていこう。
昨今、気持ちに折り合いをつけたところです。
しかし他人さまにボヨヨンとお見せするのはさすがに恥ずかしく、何とか帯で隠したいというのが本音です。
そのためにアラフィフから腰紐の位置を下げて、帯の下線も同時に下げるようにしました。
《🔴ポジティブな理由》
上半身を強調することでリッチな感じを演出するため
なだらかな丘のような上半身は、リッチな感じを相手に与えます。帯を下に締めることで呼吸が楽そうに見えるからでしょうか。
どうしても首周り・胸周りは脂肪が落ちやすいので、補正などを施して胸の厚みを作るとオトナの着姿を演出できます。
自信・貫禄・余裕
この3つは若い頃の自分が憧れるオトナの要素でした。
そりゃあ、若い方が肌も髪も、何もかも綺麗だけど…
そういう自然の摂理を超えた、努力でご自身を磨かれたオトナの女性に会ってみたいと、いつも心から思っていました。
いつかは自分もオトナ側に回るわけで、その時に自分の居るところが明るいところであってほしいと思っていたのでした。
・・・・・・・・・・・
ともかくも、帯位置を下に下げることとしたのであります。
しかし正面の帯位置を下げるのと同時に、後ろの帯山も連動して少し下がってしまいました。
『帯山は同じ高さに居てほしいのに💦』
よいしょ、よいしょ、と帯枕を上に押し上げてもいつの間にか下がってきてしまいます。
背面では、帯位置があまりに下がるとお尻が垂れた印象を与えるので老けてしまうのです。
正面は低く
背面は高く
この矛盾をどうにか両立出来ないものかと悩んでいました。
そんな時に見つけたのが
『まどか帯止』
でした。
帯枕の椅子のような感じです。
クリップで土台に止めて、帯枕の椅子を作るので、帯山の高い位置を確実にキープ出来ます。
ちょこんと『まどか帯止』に乗った帯枕、なんか可愛い。
この方法で着付けた姿が下記の通りです。
帯山を高くキープ出来るようになりました。
この一番の利点が…
●お尻を小さく見せる
こととなります。
。。。。。。。。。。
帯山を高くキープ
↓
たれの下線も高くキープ
↓
お尻の一番高い位置(頂上)にたれの下線が来る
↓
相対的にお尻が小さく見える
。。。。。。。。。。
たれの下線は、
●お尻の頂上がベストポジション
と考えております。
たれの下線が
・お尻の頂上よりも高い位置になると、その真下の丸いお尻がドーンと強調されてしまうし、
・お尻の頂上よりも低い位置になると、お尻はすっぽりと隠れるけれど疲れたような老け込んだような印象になります。
定規で測れば約2cmの差。
この差で印象が変わってしまうのですね。
『まどか帯止』にはクリップ有りと、クリップ無しの2種類があります。私はクリップ有りが使いやすく感じました。
皆さまの着付けライフに少しでも参考になれば幸いです😊👘
●着物の仕立て 布地>糸
やっっと涼しくなりました。
と言うより急に寒くなりました😨
本格的な衣替えを迎え、先日着物の入れ替えを行いました。
夏物・単衣・夏帯などを汗抜き&クリーニングに出したところです。
このうちの絽の着物を整理していて『ああ、これだわ…』と改めて見直したものが数点ありました。
今年の春先に新しく仕立てた三本絽の着物。
春の時点で、今年の夏も酷暑となる見通しだったために、絽の着物を予め増やしていたのでした。
薄地の三本絽にしました。
淡い色合いに薄羽のような上品な生地でとても気に入っていました。
ところが…
ピリッ(えっ?)
ペリペリ…
裾の方の居敷き当てを縫い留めている糸が切れたようでした。
(うそぉ、いま急いでるのに💦)
と、このようなことが新しく仕立てた着物の全てに起こってしまいました。
畳みながら
(ああ⤵️ショックだわぁ⤵️)
気分は下がりまくり。
しかしお仕立てをお願いしたのは京都の専門店で、信頼の置けるお店。
何か理由があるのだろう…と思いつつ、クリーニング依頼の際にお電話もしたのでした。
自身の知識・技術不足かもしれませんので、出来るだけ丁寧な言葉遣いで申し上げました。
『着付け時に糸が解けてしまいまして。糸の強度をご確認いただけますとありがたいです…』
するとやはり呉服屋さんも丁寧な言葉遣いで
『それは大変失礼いたしました』
と一言お詫びをいただいた後に、絽における仕立て糸の特長も教えてくださいました。
。。。。。。。。。
和裁の技術の一つとして、わざと糸を弱く仕立てることもあるのです。
強い力が掛かった時に、布地を守るため、糸を犠牲にしているのです。
糸は切れても、また着物に再生することが出来ます。 しかし布地が破けてしまうと、もう再生は出来ません。
しかも今回は三本絽という極めて薄い生地になりますため、そのような配慮が働いたと思われます。
現物が届き拝見してから、きちんと判断させていただきますが…
おそらくそういった理由で糸が切れたと思いますので、予めご了承をいただけますでしょうか?
。。。。。。。。。。
ああ、やはりそれなりの理由があったのかと思い、納得の上お直しをお願いいたしました。
と、同時に自分の着付けも改めて見直す必要がありそうだと思いました。
今まで着ていた五本絽や紋紗とは段違いで三本絽はデリケートでした。
それでいて張りのある表面。
和裁士さんが、その箇所その箇所で掛かる力を想定し、強弱を調整して仕立ててくださったものだろうと思います。
自分の着付け技術が、そのデリケートさに相応しくなかったのだろうと思い直しました。
糸を犠牲にして布地を生かす
先人の知恵は素晴らしいと感じました。
着物の奥深さにますます魅力を感じたのでした。
●真之茶事
10月末の日曜日『真之茶事』がよし庵にて催され、社中の生徒さん5名さまがご参加くださいました。
『真之茶事は初めてなんです💦』
ドキドキしながらお集まりくださった皆さま。
『大丈夫ですよ。身内の催しですから😊』
とご案内しました。
最初はぎこちない自己紹介からスタートしました。
社中の仲間とは言え全員が顔見知りというわけではありません。
お稽古曜日ごとにメンバーがそれとなく決まっているのでした。
しかし、よし庵の生徒さん達の社交性はさすがであります。
しばらく言葉を交わすうちにすっかり打ち解けました。
この時に話題に上ったのが
『日本の伝統文化をいかに後世に繋いでいくか』
雑談は熱を帯び…
。。。。。。。。。
●多少は形が変わっても良い。
●時代と共に文化の形態が変わるのが恒である。
●どんな形でも良いからとにかく文化を繋いで行きたい。
●次世代の中には真髄を知りたいと思う方もおられるだろう。
●そのような方に難解なものを継承できればいい。
。。。。。。。。。
と全員の気持ちがひとつなったところで、宗嘉先生の精進料理が運ばれてきました。
ところで前回の6月の真之茶事では本筋に則って開催しました。
。。。。。。。。
真之炭手前
↓
菓子七種
↓
真之行台子
↓
一の膳(精進料理)
↓
二の膳(懐石料理)
↓
薄茶
。。。。。。。。
しかし余りにも時間が掛かり過ぎ、ご参加の皆さまも、開催者側も、疲労困憊したのでありました。
疲れてしまっては後味もよろしくなく、何のために開催したのか、お集まりいただいのか、その意味がぼやけてしまいました。
厳かな雰囲気を保ちつつも、時代に合わせた形に変える必要があるだろう、と宗嘉先生と相談して今回は正午の茶事形式を取り入れたのでした。
結果は大成功!
前回よりも時間が短縮されたことで双方の負担が減り、ご参加の皆さまも最後までにこやかでいらっしゃいました。
それにしても、やはり伝統文化は素晴らしいと改めて思うのでした。
着物や茶道を始めたのは30代の初め。
カッコ良さそうだから始めた
お菓子が食べられるから始めた
その程度。
始めてみたら難しくて驚きました。
なかなか覚えられなくて
下手で
恥をかいて
たまに嫌になって
でも辞めたいとは思わなくて
いつの間にか生活の一部となって
そして気が付いたら次世代に継承する立場になっていました。
私たちはプロもアマも関係なく、この文化が無くなって欲しくないと真剣に思っています。
誰かに強制されて伝統を繋いで行こうとしているのではありません。
なぜだか理由は分からないけれども、心の底から突き動かされるような自発性を持って、周りと協力しながら繋いで行きたいと切に願っています。
単なる趣味ではここまで気持ちが入らないでしょう。
伝統文化だからこそ、ここまで熱が入るのだと思われます。
そしてここまで熱が入った人だけが『自分のものに出来た』と言えるのではないでしょうか。
この日
私たちは同じ気持ちを持ちながら、とても心地の良い時間を過ごしたのでした。
宗嘉先生のお料理はどれも身体に優しく美味しいものでした。
。。。。。。。。。
(一の膳)
向附・・粟麩のみぞれ和え 甘長唐辛子
汁椀・・八丁みそ仕立て 里芋 オクラ
煮物椀・・蓮根しんじょ椀 湯葉 三つ葉
焼物・・大根の香味焼き
強肴・・胡麻豆腐
湯斗・・らっきょう茶漬け えごまの葉 あおさ 梅肉 ぶぶあられ
香の物・・沢庵 なす 赤かぶ
(二の膳)
向附・・まぐろと鯛の平造り
椀盛・・いかの印籠煮 焼き豆腐 ほうれん草
焼物・・ぶりの海老みそ焼き アスパラ しいたけ
強肴・・しめじの海苔酢
箸洗い・・梨
八寸・・たたみいわしのクリームチーズ挟み焼き かぼちゃ素揚げ
菓子(七種)
◆練り切り「すずめ」
◆蒸し菓子「栗とラム酒の浮島」
◆蒸し菓子「薯蕷まんじゅう(松茸)」
◆「栗きんとん」
◆冷やし菓子「金時羊かん」
◆干菓子「栗の押しもの」
◆果物「梨」
。。。。。。。。。。。
●粟麩のみぞれ和え
もっちり、時々つぶつぶの粟麩が大根おろしと共に和えられています。両面が香ばしく焼かれて満足感のある一品
●蓮根しんじょ椀
まるでつくねのような味わい。
これが蓮根とは!
もっちり、時々サクサク。
すりおろした蓮根と、賽の目切りの蓮根の共演です。
●胡麻豆腐
宗嘉先生の手作りの胡麻豆腐。
わさびを添えて。
胡麻がたっっっぷり。
葛粉でもっっっちり。
身体を温めてくれる女性の味方。
●らっきょう茶漬け
らっきょうも宗嘉先生の手作り。
さっぱりと口が濯がれます。
●まぐろと鯛の平造り
当日の朝に宗嘉先生がさばいてくださった新鮮なお造り。
丁寧に臭みを取り除き、旨みが凝縮されています。
一口々々、皆さまは本当に喜んで味わってくださいました。
美味しい
楽しい
嬉しい
このような言葉が出る場に神様がいらっしゃるに違いありません。
お椀を手に取るごとにふわりふわりと皆さまは優しい笑顔を浮かべておられました。
その後…
宗嘉先生のお点前。
魂の込められた厳かな時間。
はっきりと道を照らしてくれる師が世に何人存在するでしょうか?
稀有な存在に巡り会えた幸せを、皆さまと共に温かく胸に抱きつつ…
神無月の真之茶事が締めくくられたのでありました。

























