講師(宗夜)ブログ
●初釜茶事
2025年1月末
よし庵にて初釜茶事が催されました。
華やかなお着物姿での集いに、誰もが心ウキウキ💖
皆さまのお着物姿を見渡しプロカメラマンの太田さまが一言
『本日はどなたも色が被っていませんね!』
『ああ、本当だ!』
『おお〜〜❗️』
と謎の盛り上がり。
色合いは実に様々…
鶯色、黄金色、濃紫色、薄桃色、空色、薄紫色、梅色
春🌸がひと足先に訪れたかのようでした。
この日は気持ちの良い青天が広がっていて、それが一層私たちの心を軽くするのでした。
『いいお天気ね』
と声が上がった後に、
『ちょっとだけ風が強いよね』
という声も出て
『あー、ごめんなさい。私の抑えきれないヤル気が風を吹かしたみたいで🌪️』
と初炭手前の生徒さま。
でも腰掛け待合に移る頃には風が止んで
『あれ、止まったね』
と言うと
『止めときましたー』
と太田さま。
『さっすが〜❗️』
とまた盛り上がって腰掛け待合へ。
作法通りに亭主との無言のご挨拶を経て、お茶室へ…
亭主とお客様の問答を終えたら初炭手前です。
ご担当の生徒さま、素晴らしい初炭手前をご披露くださいました。
前日までお稽古を積み、その後もご自宅で練習を続けてくれたそうです。
『練習しすぎて筋肉痛を起こした。こんな筈ではなかった』と、
笑い🤣の渦を作りつつ、しっかりとお役を果たしてくださいました。
その御姿を認めた皆さまの優しい拍手👏
この温かい空気がよし庵なのです。
そして宗嘉先生の心尽くしの茶懐石料理
。。。。。。。。。。。。
向附:鯛の昆布じめ いくら
御飯:一文字飯
汁椀:白味噌汁 里芋 結び昆布
椀物:鶏の温綿椀 しめじ
焼物:鰤のつけ焼き
預鉢:なめこと金柑のみぞれ和え
進肴:長芋かん
八寸:蓮根の白煮
牡蠣のうま煮
箸洗い:クコの実
湯斗
香の物:沢庵 赤かぶ きゅうり
主菓子:椿もち
干菓子:玄米と胡麻のおこし
。。。。。。。。。。。。
初釜でのお料理も素晴らしいものでございました。
●鯛の昆布しめ いくら
鯛に昆布の香りと旨みがうつって芳醇な味わいに。
まるで真珠貝のような盛り付け。
イクラと共にお箸で無理なく召し上がっていただけます。
●白味噌汁 里芋 結び昆布
白味噌汁の中央に鎮座するのは六角形の里芋。
その上に巻物のような結び昆布と黄金色のからし。
六角形は正三角形の集合体で、永遠を意味する吉祥模様。
●鶏の温綿椀 しめじ
蓋を開ければフワリと広がるいい香り。
『わぁぁ…』
自然と笑みが溢れます。
鶏のお団子をとろける白い薄餅が覆い、柚子の皮と人参で彩りが添えられています。
箸を入れれば驚くほどの柔らかさ。
旨みたっぷり。それでいて後味さっぱり。
●鰤のつけ焼き
こんがり&ふっくらの鰤のつけ焼き。
絶妙な火の入り加減に皆さま驚愕。
こんな風に私も作りたい…
それにしても美味しいわね😊
と箸が進むのでした。
●なめこと金柑のみぞれ和え
さっぱりとした小鉢。
金柑はよし庵の茶庭の恵み。
梅色の小鉢に白と黄金色の金柑がよく映えます。
おろし大根が消化を助けてくれます。
●長芋かん
雪のように真白の長芋の寒天。
山吹色のウニと若緑色のオクラでお化粧されています。
長芋の寒天寄せは、私も含めてどなたもが初めていただきました。
宗嘉先生が何度も何度も試して仕上げた爽やかな一品です。
つるり、シャキシャキ…
優しいお出汁でいただきます。
●蓮根の白煮 牡蠣のうま煮
白さ際立つ蓮根の菊
こっくり艶やかな牡蠣のうま煮
山がちで海の近い私たちの国土を表現したような八寸。
●クコの実の箸洗い
一連の盛り上がりを徐々に鎮めるような、箸洗い。
ごく薄い昆布の旨みを舌で追いつつ…
名残を惜しみつつ…
●湯斗 香の物
そう、やっぱり美味しいの。
千々にちぎれた白い米粒が乳白色のお湯に踊る、湯斗。
そしてやさしい塩味の香の物。
どちらも奥の方に甘味がある。
それを静かに探っていく喜び。
●主菓子
椿もち
生気あふれる深緑色の椿の葉に挟まれたお餅。
道明寺粉にシナモンパウダーを混ぜた生地で粒あんを包み、椿の葉で挟んでいます。
口当たりの柔らかさを追い求め、道明寺粉の粒の細かさにこだわっております。
日本で昔から愛されるお菓子、椿もち。
ふと古人に想いを馳せます。
そして続きお薄のお点前。
担当する生徒さまも、お稽古を重ねてこの日に臨んでくださいました。
穏やかな空気が茶室から流れてきます。
繰り返し繰り返しご亭主に臨んでくださり、その度に少しずつ自信を身に纏ってくださる。
少しずつというところが大事なようです。
少しずつだからこそ確実に前進されておられます。
皆さまのお陰で、よし庵の初釜茶事は素晴らしいものとなりました。
巳年にふさわしい飛躍の先駆けを感じる一日でございました。
ご亭主の皆さま
ご参加のお客様
カメラマンの太田さま
誠にありがとうございました。
●日本人らしさ、とは
日本人のマナー意識は素晴らしい。
メディアを通じて海外から頻繁に高く評価される日本人の気質。
礼儀正しく、丁寧で、勤勉
褒められれば嬉しい気持ちにもなるけれど、しかし時代によって評価とは変わるもの。
あまり調子に乗らない方が良いだろうと冷めた目で見る自分もいます。
私の学生時代、約30年前は日本人の気質は褒められることよりも貶されることの方が多かったのです。
その頃はすごい円高で日本企業の海外進出が激しく空洞化が起きていました。
その頃はこんな風に評されていました。
無表情
本音と建前の乖離が大き過ぎる
すぐに黙って何を考えているかわからない。
ではこの30年で日本人の気質自体が変わったのでしょうか?
そんなことはないでしょう。
いくつかの歴史的な文化の分断を経ても、日本人は日本人らしさを失うまいとその都度努力してきたように思います。
災害の時、日本では混乱に乗じた暴動は起きません。
騒ぐ人が皆無ということはないでしょうけれども、悪目立ちするのでやがて鎮まるようです。
先日、出勤のために最寄駅に行くと、長蛇の列が階段から伸びていました。
『ああ、事故か』
一瞬で誰もが悟り、静かに末尾に並びます。
階段で押し合うと大惨事になるので前が空いたら一歩ずつ控えめに進みます。
駅員に事情を訊ねる人もいましたがそれも数人で、しかも冷静に話していました。
赤の他人がこんなにも大勢に一箇所に集まっているのに、多人数を感じさせない静けさでした。
別日に、帰り道でも同じような事故が起こり、駅で足止めを喰いましたが、事態は全く同じでした。
誰もが静かに自分の順番を皆待っていました。
なぜ静かに順番を待てるのか?
子ども時代に言われた言葉が浮かびました。
『お天道様が見ているよ☀️』
おてんとさま。
なんと優しい響き。
これは言い換えれば『共感力』のように思います。
逆に、どうして関係のない人に八つ当たりするのかと疑問を持つくらいです。
駅員は悪くない
街に並ぶ店も悪くない
むしろ災害時には誰もが被害者。そのような中で駅員が一生懸命働いてくれる。感謝しかない。
その姿に愛する家族を重ねる。
『大変だよね、会社員は』
と思う。
もしかしたら…
これが自分の夫の別の姿かもしれない。
成長した子の姿かもしれない。
親のかつての姿かもしれない。
そんな風に思うと理不尽な怒りは湧いてこない。
それは私だけではないようです。
この気質はいつ培われたのだろうと、同時に思います。
世代の淘汰を経て、怒りを持ちにくい遺伝子が残ったのでしょうか?
近年、日本人の遺伝子の解析が飛躍的に進んでいるそうです。
実に多様な因子が大陸から、数度に渡り大規模にもたらされたことが解明されてきました。
数万人、数十万人という規模での人口流入があったその時代には言語も統一されておらず、かなり混沌とした世情だっただろうと専門家が語っていました。
それでもこの気質が形成された。
もしかしたら私たちは
『意識的に日本人になった』
のかもしれないと思いました。
山がちで平地が少なく、川の流れは急峻で大雨の度に氾濫や地滑りが起き、干ばつや虫害や地震も多い。
テリトリーの境目は大抵において川の流路で決められていたから、水を巡っての攻防戦は常に苛烈だったそうです。
一時的に利益を得ても、自然が相手となると、次には土地も財産も丸々失う恐れもあったろうし、災害時には好き嫌いを超えて協力しないといけません。
自分の代で利益を独占して恨みを買ってしまうと子や孫の代での営みが続かないとか、空気を読んで自身を律していかなければ生きていけない現実に常に直面していたのではと想像します。
長い時間と労力をかけて作られたこの気質は、ある意味私たちの財産と言えるでしょう。
ただ、最近はここに別の気質も身につけなければならないように思えてきました。
自分を守り抜く逞しさ
誠意を見抜く賢さ
もしかしたらこれらを身につけるには『お人好し気質』と引き換えになるかもしれません。
それも仕方ないでしょう。
歴史を学ぶと、所々で意識の転換期があることを知ります。
そしてまさに今がその時のように思います。
。。。。。。。。。。。。
自分を守り抜く逞しさと賢さを持て。
覚悟を持つと内側から力が湧いてくるはずだ。
神さまが守るのは、自助努力を継続する人だけなんだ。
。。。。。。。。。。。。
宗嘉先生からいただいた言葉です。
しかし覚悟は揺らぎやすく…
情報過多の昨今には焦りや恐れに苛まれることもあります。
だからこそ茶道。
茶道の精神がこれからの私たちの支柱となってくれるでしょう。
英傑は平和な時代には生まれません。
英傑は有名人とは限りません。
私たち一人一人が英傑。
その気概を持って生きていきたいと思います。
●帯締めの位置に見る美しい数式
自分のインスタの映像を見て、
骨格診断の先生から頂いたアドバイスを思い出しました。
私の骨格は『ストレート』
肩幅から、すとーんと足までの直線ラインを作るコーディネートをすると良いと言われました。
小柄なわりに肩幅が広く、腰の幅も同じくらい横に張っています。
日本人にはこの骨格が多いとのことでした。
着物はまさに縦長長方形のラインを魅せる装い。
これが、日本人女性に着物が似合う理由のようです。
先生からのアドバイスに、もう一つありました。
。。。。。。。。。。。
ウエストマークの位置に気をつけましょう。
骨格ストレートの場合『くびれ』は強調しない方がいいのです。
その真下の腰骨の広さが目立ってしまうからです。
お勧めの位置は…
まず肩幅の長さを一辺とする正方形を思い描いてください。
その時の底辺がウエストマークとしてバランスの取れた位置なのです。
。。。。。。。。。。。
正方形🔲
どういうことでしょうか?
私の和装の写真でご覧ください。
まずは普通の写真↓
ここに肩幅を一辺とする正方形🔲を重ねてみます↓
見事に帯締めの位置と重なります。
知らず知らずのうちに自分で正方形を作っていたようでした。
洋装でこの位置でのマーキングはなかなか編み出しづらいですが、
和装ですと自然にこの位置に落ち着きました。
着崩れに悩んで悩んで…
自分の帯のベストポジションはどこなのか?と探るうちに、下に下がっていきました。
腰骨に少し掛かるくらいの位置まで帯を下げるといいことが分かりました。
お相撲さんのまわしの位置も腰骨に少し掛かっています。
あれだけの激しい取り組みに耐えるのは力学的にちょうどいい位置だからでしょう。
機能性に基づいた日本人の美意識。
これは数式に表すことができるそうで、まさに正方形がその象徴とのこと。
詳細に著しているのがこちらの本です↓
ふんふん…
そうかそうか…
と読み飛ばしてばかりで気がつけば購入してから何年も経っております。
数式は、なかなか頭に入らないのですが、美意識を数式で証明できるというところに感銘を受けました。
そういえば茶室にも正方形は溢れていて、炉・炉縁・風炉の敷板・古帛紗・帛紗(少し歪んでいるけれど)・風呂敷、が挙げられます。
子供時代には折り紙で毎日のように遊びました。
正方形🔲の美
もしも、帯の位置や帯締めの位置などでお悩みでしたら、正方形の美を取り入れてみることもお勧めです。
●令和七年(2025年) 明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします😊🤲
令和七年
年号が改まって七年目を迎えました。
そしてことしは巳年🐍
蛇は成長のたびに脱皮を繰り返す吉祥のシンボル。
令和七年のラッキー7と相まって良き一年となりそうです。
不安なことは様々起こります。
でもそれはそれとして、自分の心を平静を保つ訓練が大切に思います。
幸せを素直に感じられる状態で居たいものです。
巳年の蛇🐍と言えば…
インドでは古来から蛇を神様として崇めています。
現代でも毒蛇による死者が約5万人も出ているにも関わらず…です。
しかし神と崇めてから死者数はかなり減ったと言われています。
蛇を神と崇めることで人間からは蛇を攻撃しなくなりました。
すると蛇の方も行動を変えたと研究者が語っていました。
基本的には人間や家畜は襲わなくなったそうです。
日本でも奄美大島にハブという猛毒の蛇がいます。
島の人々は恐怖を持つ一方で、ハブの鱗紋様を大島紬の柄として織り込み、神と崇めています。
ハブのお陰で外敵からの侵略を遠ざけた歴史もあったことでしょう。
ギリシャ神話でも蛇は不死や生命力の象徴で、医療機関では杖に絡みついた蛇をシンボルとして掲げています。
忌む相手を取り込んで受容し、却って心理的な距離を保つ。
それを多くの人に知らしめて結果的に安全な生活に変えていく。
宗教や神話の力を感じました。
都会に暮らす私たちにとっての蛇とは何でしょう。
蛇の形はしていなくとも、心を掻き乱す人物や出来事がそれらに当たります。
『受容せよ』とは、なかなかハードルが高いもの。
特定の宗教を持たない私のような現代人は『考えない時間を作る』と置き換えてみると良いのかもしれません。
考えない時間を作るには
『市中の山居』
が一助となりそうです。
心の平静を取り戻すためにどこか遠くに出掛けるのではなくて、
喧騒のただ中にあっても静かさを持つことは可能である、
という精神性を顕しています。
私はそう理解しています。
茶室では災いに関する話題は禁じられています。
・不吉なこと
・不安なこと
・苦しいこと
これらを考えない工夫をする。
口に出しそうになったら意識して考えを別の方向に変える。
重荷の重量も存在も一時的に忘れる。
忘れることのできる人が賢い人である。
それを宗嘉先生は『波動修正』と呼んでいます。
意識のベクトルを少しずつ修正していく様は、まるで蛇の脱皮のよう。
令和七年 巳年🐍
皆様にとりまして素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げます。
本年もよし庵をどうぞよろしくお願いいたします😊🤲
●和装時の寒さ対策 超絶オススメ2選
和装時の冬の冷え❄️
足元からのしんしんとした冷え込みは辛いですね😢
そんな着物レディの切実な悩みを、またしても東レさんが改善してくれました。
東レの機能素材『ソフトサーモ』を用いた『ヒート+ふぃっと』という一連の商品です。
ソフトサーモとは、体の水分を吸収して発熱する機能糸だそうで、特殊な繊維が作り出す空気のポケットによる保温性に優れているとのこと。
『ヒート+ふぃっと』ブランドからはたくさんの商品が出ていますが、私がオススメするのは下記の2点です。
。。。。。。。。。
●足袋インナー ロング
●七分丈パンツ(つまりステテコ)
それぞれの写真はこちら
↓
。。。。。。。。。
これはすごい😳
本当に温かい。
足袋インナーを履いた上に、今までの足袋が履けるかしら?と一瞬不安でしたが、どうにか履けました。
少しだけこはぜが固かったけれども、履いてみれば歩行にも問題はありませんでした。
しかも肌色ですので、着物の裾が翻っても目立ちません。
七分丈パンツも本当に温かい。
そしてこちらのパンツは静電気が発生しませんので、裾まわりのもたつきもありません。
『でもステテコでしょー?やめてよ、おじさんみたい』
と、着物の先輩方から止められたこともありました。
確かにかっこよくはないです。
色っぽくもないです。
ご自身のお好みでお選びいただければと思います。
下半身の冷えから解放されると、動きが軽やかになるみたいです。
今後のご参考になれば幸いです😊🤲





